インタビューココだけ | ガールズ&パンツァー 最終章

「大洗と共に生きる!」この町で生きる決心をした資料館の館長 西村弓子 [大洗町回覧板 こちらガルパン出張所]

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『ガールズ&パンツァー』の舞台・大洗で、より作品を身近に感じている方々に、作品と出会ったきっかけやエピソード、作品への思いなどを聞いていく『大洗町めぐり~大洗の今、そしてこれから~』。第6回はガルパンギャラリー 館長 西村弓子さんにお話を伺いました。

「女子高生が戦車に乗る」という意味が分かりませんでしたが、
アニメを見て、作品に関わる内にすっかりハマってしまいました(笑)

──『ガールズ&パンツァー』という作品を知ったきっかけを教えてください。

大洗町ツアーデスクという観光誘客チームで活動していた時、肴屋本店の大里さんから「『ガールズ&パンツァー』というアニメが大洗に来る」と聞いたのが最初でした。その時は「女子高生が戦車に乗る」という意味が分かりませんでしたが、アニメを見て、作品に関わる内にすっかりハマってしまいました(笑)。

──大洗町ツアーデスク時代に『ガルパン』のツアーを企画されたそうですね。

2013年の2月、『ガルパン』モニターツアーを企画させていただきました。モニターツアーという名目なので、大洗ホテルに宿泊して、町内すべてを観光できて、クックファン(大洗町めぐり第1回に登場した常盤良彦さんのお店)のお昼ご飯が付いて、それでお一人様9千円という破格な企画でした。さらに秋山優花里ちゃん役の中上育実さんがシークレットゲストで参加してくれたんですよ。それがツアーデスクとしては最後の仕事で、もともと1年間の活動という契約だったんです。その1年間にどれだけ仕事ができるか試すために応募したのですが、最後はやり切れなかった事への後悔ばかりが残りました。そんな時に代表の常盤にスカウトされて、大洗と共に生きてゆく決心をしました。

──ガルパンギャラリーはどのような経緯で誕生したのでしょう?

もともとは町長の「大洗町の友好都市物産館を作りませんか」という一言がきっかけでした。そして、それ以前にプロデューサーの杉山さんと常盤とで「ガルパンと大洗の歩みを展示したい」という話をしていたんです。そこで大洗と友好都市協定を結ぶ栃木や群馬などの特産品を売る物産館と、これと併設する形で無料で入れるギャラリーが設立されました。タイミング良く両者の希望が合致したわけです。そして2015年の5月2日に満を持してオープンしました。

▲大洗シーサイドステーション(旧 大洗リゾートアウトレット)内に存在するガルパンギャラリー。
『ガルパン』と大洗の軌跡を辿る資料館で、グッズの販売も行っている。

──『ガルパン』以前に何かアニメーション作品はご覧になっていましたか?

いえ、アニメはほとんど見ていなかったんです。『ガルパン』はいばキラTVの放送で見たのですが、「戦車と女子高生」と聞いた時に想像したイメージとまったく違っていましたね。ごく普通の女子高生が部活動のようにごく普通に戦車に乗る……そんな世界を観ているうちに自分も次第に引き込まれました。

──好きなエピソード、キャラクターを教えてください。

第9話のプラウダ戦が私にとっての神回でした。歴女チームの戦車を雪の中に隠す戦法を見て、「やだ、これカッコイイ!」って思ったんです。今でもあのシーンを見ると鳥肌が立ちます(笑)。それまで戦車とかまったく知らなかったのに、あのシーンを見た途端に戦車に惹かれたんですよ。そして、その回の対戦相手だったカチューシャにもドップリはまりました。ちっちゃくて可愛くて勝ち気で、だけど統率力があってチームの子達から「カチューシャ様」と慕われているのが良いですね。彼女に惹かれてから『ガルパン』を第1話から見直しました。そうしたら「はっきゅん」こと八九式のフォルムの可愛さに気付いたんですよ。第12話であれがマウスの上に乗っかるシーンも好きですね。あとOVAを見てちっちゃくて可愛いカルロヴェローチェを好きになったり、次第に戦車への興味がわくようになりました。最初の頃はお客さんやアニメ関係者の方から戦車の事を教えてもらっていたんです。それは私だけでなく他のスタッフも同じで、皆さんに育てていただいた感じです。

──『ガルパン』には戦略でハマったわけですか?

そうなんです。戦車を知らなかったからこそ、マウスの上に八九式が乗るなんて戦法が素直に受け入れられたのだと思います。ですから『劇場版』でBT-42が車輪で走行したり、『最終章』でMk.Ⅳを橋にするところとか、戦車が面白い使われ方をしているシーンに目が行きますね。

──ギャラリーを訪れる客層の変化はありますか?

オープン当初は大人しいお客さんが多く、店内を静かに覗かれる方ばかりでした。やがて何度か顔を合わせる内に会話が始まり、先ほどお話ししたように戦車の事を教えてくださるようになったんです。そして『劇場版』公開後から客層が広がったんです。それまでギャラリーを訪れるお客さんは9割がた男性でしたが、この頃から女性や若い子が増えましたね。20~30代の方や女子高生とか、あとお父さんやお母さんと一緒の親子連れとか。そして『最終章』が公開されてからはお爺ちゃんお婆ちゃんとか、赤ちゃんを連れた家族までいらしたんですよ。ガルパンの輪が広がっているのが嬉しかったですね(笑)。あと最近、オープン当初から来てくれていた常連さんから「彼女ができました」、「結婚しました」、「子供ができました」なんて報告が増えたんですよ。TV放送から約6年も経つわけですからね。歴史を感じました。

──これまでのヒット商品を教えて下さい。

オープンから変わらず人気なのがガルパン絵馬です。大洗磯前神社にガルパンの巨大絵馬が展示してあって、それと同じデザインの絵馬をウチの商品として販売しています。買われた方はそれに絵や願い事を書き、そのまま神社に奉納されていくんですよ。そのために保存用を別に買われるお客さんも多いです。また神社の絵馬は毎年ウチの社長(常盤良彦さん)が絵を張り替えていて、それに合わせて売っている絵馬もデザインを変えています。あとはピンズ系が人気ですね。最初は大洗女子学園の校章とあんこうマークの2種セット、その次にプラウダや黒森峰などのライバル校5種の「最強好敵手」セット、それから『劇場版』の時に大学選抜や継続高校、戦車道連盟など4種の「最強好敵手II」を発売しました。そして『最終章』で活躍したサメさんチームとBC自由学園の2種セットが新発売です。どれも人気で、最初に発売した2種セットもずっと売れ続けています。あと自社商品以外ではフィールデザインさんのステッカーと、ソニー・ミュージックコミュニケーションズさんのアプリ『舞台めぐり』の商品めぐりパネルが人気ですね。

▲レジ横にはキャストやスタッフのサインを展示。
▼また現在、店内には今年1、2月にココスで開催されたキャンペーンのパネルが全種展示されている。

──女性に人気のグッズは何でしょう?

やはりピンズで、皆さん自分の推しチームのものを買われています。あとコスプレ好きな子にはパンツァージャケットの下に着るインナー風Tシャツが人気です。あと『劇場版』から増えてきたボコのグッズも女子に売れていますね。

──女性に人気のチームはどれですか?

それはもう色々です。主人公のみほちゃんは可愛いですし、まほ姉さんもカッコイイので人気です。またドゥーチェも不動の人気を誇っています。そして『劇場版』のミカちゃんも人気ですね。最近はカトラスちゃんが人気です。どのキャラがどんな層に人気なのかはレジにいると分かりますね。お客さんに「誰推しですか?」なんて話しかけて、「あの子、可愛いですよね」ってお互いに可愛さを共有し合っています(笑)。あと恋に恋しちゃっているさおりんとか、喋らない紗希ちゃんとか、『ガルパン』に出てくる女の子はキャラが立っていますね。実はフィールデザインさんのステッカーをお店に置いた時、キャラクターの名前が覚えられるか不安だったんですよ。でもアニメを見ていたら自然に覚えましたね。みんな本当に可愛い子ばかりです(笑)。

──西村さんから見た『ガルパン』の魅力は何だと思いますか?

女の子達の一生懸命さが可愛いんですよ。そして学園生活を送りながら色々な事で悩み、戦車や戦略の事を考えたりするのが良いですね。私達も毎日悩んだり笑ったりしながら仕事をしてるので、そんな日常部分にすごく共感するんです。

──大洗を訪れるファンが現在も絶えないのはなぜだと思いますか?

大洗の人達って根っからの商売人で、「大人の本気」が垣間見られるような遊びを考えるんです。それは町で売っている商品を見れば分かります。けっこう小洒落たネーミングをしていますからね。この町は昔から観光地だったので、お客さんを喜ばせるセンスに長けているんですよ。私は出身者ではないですが、そんな大洗の人達に惹かれてここに来ました。だからファンの皆さんもそんな大洗の人達の人柄にハマったのだと思います。そして、このギャラリーがオープンした頃、右も左も分からない私達を支えてくれたのもお客さんの人柄でした。それが『ガールズ&パンツァー』という作品に関わった人達の人柄なんだと思います。そんな作品と人柄の良さがファンを大洗に呼ぶんですよ。「大洗が好きになりました」なんて言ってくれる人がいる。そんなやりとりがあるから今の大洗があるんだと思います。

──今後の抱負をお願いします。

作品公式のギャラリーなので、今後もお客さんに喜んでもらえる企画を打ち出したいです。現在ギャラリーではプロモデラーさんや声優さんが作ったプラモデルを展示したり、ココスさんがキャンペーンで使ったパネルをズラーッと並べています。これからも公式ならではの普段は見ることができない物を用意して、「大洗に来たらギャラリーに行かないと」と言ってもらえるようなお店作りを目指します。

──最後に次の方を紹介して下さい。

「潮騒の湯」の支配人になった小俣君にバトンを渡したいと思います。私、潮騒の湯がすごく好きで『ガルパン』放送中は何度も通っていたんですよ。でも、ここ2年ほど忙しくて行っていないんです。小俣君に会ったら「そろそろ遊びに行きます」とお伝えください。

PROFILE

西村弓子(にしむら・ゆみこ)
12月6日生まれ、茨城県(常陸大宮市)出身。2012年4月に大洗町の復興事業スタッフ募集に応募。大洗町ツアーデスクの一員として、震災で観光客が減少した大洗の観光誘客に取り組んだ。そしてチーム解散後、常盤良彦氏の誘いを受け大洗まいわい市場に勤務。ガルパンギャラリー設立に伴い館長に就任。

<Blu-ray&DVD情報>


ガールズ&パンツァー TV&OVA 5.1ch Blu-ray Disc BOX
2018年12月21日(金)発売!

<上映情報>
ガールズ&パンツァー 最終章 第2話
2019年6月劇場上映予定!

ガールズ&パンツァー 最終章 公式サイト

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