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『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!! / 劇場短編マクロスF ~時の迷宮~』Blu-ray&DVD発売記念 河森正治(監督)×鈴木みのり(フレイア・ヴィオン役) スペシャルインタビュー

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『マクロス』シリーズの最新作『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!! / 劇場短編マクロスF〜時の迷宮〜』のBlu-ray&DVD発売を記念して、『マクロス』シリーズを手がける河森正治監督と、『マクロスΔ』でフレイア・ヴィオンを演じる鈴木みのりさんの対談をお届け。シリーズ初の“とある挑戦”をしたという『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』に込めた思いを、熱く語ってもらった。

──2018年に、テレビシリーズをベースにした『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』が公開され、本作はその続きを描いた完全新作アニメーションとなりましたが、制作の経緯や当時のお気持ちをお聞かせください。

河森一応、前作も『マクロスΔ』の集大成といえるようなものになったんですが、続きを作れたらいいねという話は以前からしていました。そんななかで、『マクロスF』と同時上映という形式ならいけるんじゃないかという声が出てきたんです。『マクロス』シリーズは40周年を迎え、世代をまたいで続いていますし、作品を越えて一緒にライブなどもやっていますから。そうすることで、幅広い世代の方が観てくれたらいいなという気持ちがありました。

──鈴木さんは、続編の制作が決定したときはどんなお気持ちでしたか?

鈴木私は前作の続きは絶対にやるものだと、なぜか信じ込んでいたんです(笑)。テレビシリーズなどが終わったあとも、コンスタントにワルキューレとして活動していたことも大きかったと思います。だから、続編のお話をいただいたときは「ついに来た!」という気持ちでした。ただ前作で、ロイドさんやキースさんがいなくなってしまったので、次は誰と戦うのかなと思っていましたね。そしたら、Yami_Q_ray(ヤミキューレ)という想像もつかなかった存在が登場して(笑)。

──Yami_Q_rayとワルキューレの歌合戦といった本作の展開は、どうやって決まっていったんでしょうか?

河森続編をやると決まって、まず思い浮かんだのはウィンダミアで停戦記念ライブをやることでした。そして、ちょうどその後のストーリーを考えていたころに、脚本の根元歳三さんと、別作品のトーク企画に参加するために中国・重慶のアニメイベントへ行ったんです。そこでCKG48というアイドルが、黒い衣装のグループと白い衣装のグループに分かれて登場するのを見て、「こうやって2つの対比がワルキューレでできたら面白いかもしれない」とひらめいて(笑)。今回は『マクロスF』との同時上映で尺が短いこともあって、まったく新しい敵を登場させてその背景を一から説明するのは難しいと悩んでいたんですが、ワルキューレから生まれた“闇キューレ=Yami_Q_ray”なら、いけるんじゃないかと思ったんです。その場で根本さんに相談して、そこから敵の設定ができていった感じですね。

──前作ではワルキューレがメインだったのに対し、本作はハヤテとフレイアの恋がメインになっています。2人の恋を結末まで描くことに決まったのは、どういった経緯があったんでしょうか?

河森早い段階で恋愛ドラマは、三角関係というよりハヤテとフレイアに集約していく方向にしようと考えていました。ただ後半の展開に関しては、紆余曲折ありましたね。いわゆるフレイアが“大丈夫”な路線でしばらく進んでいたんですが、どうしても納得いかない気持ちがあって。それでもなかなか決断できないという状況が続いていたんです。でも、稿を重ねるうちに覚悟を決めないとダメだと思い、シナリオチームに相談したら、彼らも同じ思いになっていて、あの結末になりました。でも正直に言えば、こうやって振り返った今でも、胸が苦しくなりますね。

──余白を残すわけではなく、きっちりと結末が描かれたことに少し驚きました。

河森余白が多い『マクロス』シリーズでは珍しいですよね(笑)。

鈴木最初に台本を読んだときは、そういう可能性があることは予想していたはずなのに、わかけもわからず涙が出たのを覚えています。でも、河森さんや他のスタッフさんの話をいろいろ聞いていくうちに、一人の演者としてフレイアの結末を私に託してくださったことへの喜びが湧いてきました。それこそ、「今までのマクロスでは、今回ほどはっきりした結末を描いたことはない」と言われたんです。歴史あるシリーズで、『マクロスΔ』に新しい挑戦を任せてもらえたことがすごくうれしかったですね。それからスタッフさんの中には、私がこのストーリーをどう受け止めるのか、心配してくださった方がたくさんいて。10代のころからお世話になっていて、東京の家族みたいなスタッフさんに囲まれてフレイアをやってきたので。でも、音響監督の三間さんをはじめとしたスタッフさんが「しっかり受け止めてフレイアをやってくれるはず」と言ってくれたと聞いて、本当にうれしかったのを覚えています。

──ちなみに、『超時空要塞マクロス』のマックス(マクシミリアン・ジーナス)が登場することは、どうやって決まったんでしょうか? 年齢を重ねても、孫のミラージュに負けない活躍を見せるマックスが印象的でした。

河森『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』で一度劇場版をやったこともあって、味方側にも変化がほしいなと思ったんです。そもそも『マクロス』は、歌で戦いが解決するという根本的な内容がネタバレしている作品じゃないですか(笑)。だからこそ、何か新鮮なことをしたいなと思って、デルタ小隊が壊滅したときに助けに来てくれる人を誰にしようかと考えていたんですね。ただ、敵をどうしようか悩んだのと同様に、こちらも完全に新しいキャラクターだと、短い尺の中で説明するのが難しい。そうしたらもう、マックスしかないなと思ったんです。マックスならば、ミラージュの祖父なので関連性もありますしね。

──今回、鈴木さんはYami_Q_rayの闇フレイアを演じていらっしゃいましたが、どんなことを意識されていましたか?

鈴木台本をもらう前に、Yami_Q_rayの歌の収録があったんです。そのときに、彼女たちがどんな存在かという資料をもらって、いろいろ説明を受けました。最初はフレイアとまったく違う雰囲気にすることも考えたんですが、Yami_Q_rayはあくまでワルキューレから生まれた存在なんですよね。だからすごく似ているけれど、Yami_Q_rayは良くも悪くも自分の欲望に忠実なところが、ワルキューレとは違うのかなと感じて。悪いことしか教わらなかった赤ちゃんみたいというか(笑)。なので、あくまで声色は変えずに、フレイアにはない感情を前に出していこうと意識しましたね。アフレコは、いったんフレイアをやってから闇フレイアの収録というふうに分けてくださったので、スムーズに気持ちを切り替えることができました。

河森Yami_Q_rayといえば、ワルキューレとは違う方向に振りきった曲が作れてよかったですね。これまで大量にワルキューレの曲を作ってきたんですが、そのスタイルが確立されるほど、ガラっと路線を変えた曲がやりにくいなとも感じていて。そんなときに、「Yami_Q_rayなら、全然違うスタイルができる!」と思ったんです。

鈴木歌声は変わらないのに、Yami_Q_rayの曲は心がざわつく感じがするんですよね。

──Yami_Q_rayの曲も含め、新曲がたくさん披露されましたが、とくにお気に入りの曲を教えてください。

鈴木私にとって「りんごのうた」と「ALIVE~祈りの唄~」は特別な曲ですね。私は『マクロスF』を観て育った一人のファンでもあるんですが、いろんな曲の中でもとくに「アイモ」が大好きだったんです。『マクロスF』でも特別な意味合いをもった曲で、いろんなバージョンがありますし、作品の世界観を感じられる気がして。だから「りんごのうた」をいただいたときに「まさにデカルチャーな曲を歌わせてもらえるんだ!」と、うれしくなりました(笑)。だからフレイアというより、『マクロス』オタクな鈴木みのりの意見になっちゃうんですが、『マクロス』らしさ全開の曲を、歌姫として歌うことができた気がしたんです。さらにその曲が「ALIVE~祈りの唄~」となって意味合いが変化していったので、より特別になりました。


河森「りんごのうた」は歌詞の参考として、ウィンダミアに伝わる伝説をメモに書いて作っていただいた曲なので、自分もとくに印象に残っています。あと、その後の「宇宙(そら)のかけら」もすごく心に染みる曲ですよね。

──「宇宙のかけら」は映画内で流れるのは1番だけですが、2番でフレイアが歌っていて、「やっぱりワルキューレは5人なんだ」と改めて感じました。

鈴木普段はアフレコより先に歌のレコーディングをすることが多いんですが、「宇宙のかけら」はアフレコが終わった直後に録ったんです。あの曲を先に録ってしまうと、盛大なネタバレになるので。でも、アフレコで気持ちが高まりすぎてしまって、「今は歌えないよ~!」と大変だったのを覚えています(笑)。

──エンディング曲は「ルンに花咲く恋もある」で、明るく終わるのも印象的でした。

河森やっぱり、しんみりし過ぎてしまうのもね(笑)。

鈴木フレイアとしても「歌は元気!」ですから。

河森あの曲は、ラストにフレイアの笑い声が入っているのが最高なんですよ。

鈴木あれは私が意図してやったことじゃないんです。レコーディングのとあるテイクで、歌い終わりにフレイアとして自然と笑った声がたまたま収録されていて。

河森あの笑い声があることで、明るい曲なんですけどグっとくるんですよ。ギリギリ聞こえるくらいの音量に絞ってあるところもすごくいい。

──それでは、観返す際にとくに注目してほしいポイントを教えてください。

鈴木ハヤテやフレイアはもちろんですが、すべてのキャラクターに焦点をあてて観てほしいという気持ちがあります。テレビシリーズのときから、キャストみんなが一丸となって『マクロスΔ』を盛り上げようという空気感があったからこそ、私が演じたフレイア・ヴィオンがあったと思うんです。ワルキューレとしての活動中も、キャラクターたち全員が輝いてこその『マクロスΔ』で、そんな『マクロスΔ』あってのワルキューレだとずっと感じていました。そして、今回の劇場版でそれぞれのキャラクターがそれぞれの役目をまっとうして、ここまで来ることができて本当によかったなと思っているので、一人ひとりに注目してほしいですね。

──ちなみに、アフレコしていて一番印象的だったシーンもお聞きしてよろしいでしょうか?

鈴木やっぱり最後の「ハヤテが好き」と伝えるシーンですね。ハヤテ役の内田(雄馬)さんと掛け合いをしていて、フレイアの呼びかけにハヤテが「ん?」と答えてくれた瞬間、映画のあの世界が私の周りに広がったように感じたんです。だからあのシーンは、鈴木みのりがフレイアを演じているというより、フレイアが私の体を使ってハヤテに好きだと伝えたような感覚があって。そんな感覚になったのは初めての経験だったので、今でもすごくよく覚えていますね。私とフレイアの集大成といえるシーンだと思っています。

──音楽があふれる『マクロス』で、あのシーンは静かな中に2人の会話だけが聞こえていて、すごく印象的なシーンでした。では、河森監督も見どころをお聞かせ願えますか?

河森映像ソフトだと繰り返し観ることができるので、細かいところまで観てほしいですね。例えば、フレイアの村へ行くシーンひとつとっても、みんな細かい芝居をしているので、観れば観るほどいろんな発見をしてもらえると思います。「今回はこのキャラの気持ちになって観る」というのも面白いと思いますし、いろんな目線で楽しんでもらえたら。

鈴木フレイアがウィンダミアへ帰ったシーンは、台本に書いていないセリフもたくさんあるんですよ。実は私が先に収録したので、地元の女の子たちがアドリブで何を言うかわからなかったんですね。とりあえず「そんなんじゃないんよ~!」とアドリブを入れておいたら、それに合わせたセリフを入れてくださって(笑)。劇場でそのシーンを初めて観たときは、うれしかったです。そういう細かいところまで、ぜひ注目してほしいです!

──では最後に、Blu-ray&DVDを楽しみにされているファンの方々へメッセージをお願いします。

鈴木デビューしてからの約7年間でいろんな経験をさせてもらって、このタイミングでフレイアとして『絶対LIVE!!!!!!』の内容を演じさせていただけたことを、本当にありがたく思っています。鈴木みのりの声優人生にとっても、大切な宝物のような作品になりました。そんな『マクロスΔ』の集大成といえるこの素敵な作品を、みなさんと共有できたらうれしいです。ぜひ何度でも繰り返し観て、楽しんでください。

河森スタッフやキャストのみなさん、応援してくださる方々のおかげで『マクロス』は40年続けることができました。その最先端を走る『マクロスΔ』では、結末の描き方を含めて、今までにない新たな挑戦をすることもできました。こうやって対談をしていてもグッとこみ上げてくるものを感じるような、作り手としてすごく思い入れの強い作品になっていますので、ぜひ楽しんでもらえるとうれしいです。


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PROFILE

河森正治(かわもり しょうじ)
 1960年生まれ、富山県出身。サテライト所属。アニメ監督・演出家、メカニックデザイナー。『超時空要塞マクロス』でバルキリーのデザインを担当したことで注目を集める。代表作に『マクロスF』『創聖のアクエリオン』など。

PROFILE

鈴木みのり(すずきみのり)
 1997年生まれ。愛知県出身。約8000人が参加するオーディションで『マクロスΔ』フレイア・ヴィオン役を射止め声優デビュー。 代表作は『カードキャプターさくら』詩之本秋穂役、『アイドルマスター シンデレラガールズ劇場』藤原肇役など。

<Blu-ray BOX発売情報>

劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!! / 劇場短編マクロスF ~時の迷宮~(特装限定版)
好評発売中

Blu-ray
税込価格:¥9,680
品番:BCXA-1756

DVD
税込価格:¥8,580
品番:BCBA-5124

▼MACROSS PORTAL 公式サイト
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@macrossD 

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