インタビューココだけ | 宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』古代進役・小野大輔 インタビュー

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大ヒット上映中!『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』は、新キャラクターと新スタッフを迎えて、リメイクシリーズとしても新たな船出となる。引き続き、主人公の古代進を演じる小野大輔に「ヤマト」への想いや本作の見どころを語っていただいた。

様々な人と出会い、色々な経験を積んで、自分とリンクしていった

──10年近くに渡り「宇宙戦艦ヤマト」に出演されてきた今の心境はいかがですか?

小野長きに渡って旅をしてきたんだなと実感しています。地球を救うために必死だったからかもしれないですが、この10年間はあっという間でした。一つの大きな命題を抱えて旅立ち、その中で森雪という大切な愛に出会い、戦いの中でヤマトクルーの絆が深まり、異星人との交流もありました。元々は地球を救うために旅をしていたはずなのに、その中で色々なものを得ていました。ずっと旅をしてきて良かったなと今改めて思っています。

──小野さんは『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下『2199』)、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(以下『2202』)と新シリーズを通して古代進を演じ続けてきました。ここまで長きに渡って人生を共にしてきた古代進というキャラクターは小野さんにとってどのような存在になっていますか?

小野当初は「宇宙戦艦ヤマト」の古代進という一つの象徴を背負わなければいけないと思っていたので、とても大きなプレッシャーを感じていましたし、自分には大きすぎる存在でした。ただ旅を重ねる毎に、様々な人と出会い、色々な経験を積んで、自分とリンクしていった気がします。古代はただ猪突猛進な人ではなく、後ろを振り返ったりうじうじ悩んだり、きちんと迷うことができる。そして、その中で一つの答えを見つけ、一人ではなく皆で背負うことに気付く。その過程が自分の芸歴や人生に重なっています。だから今はもう小野大輔=古代進になっています。自分は古代みたいな人間だったんだと改めて気付いて、最初はそれが意外でしたが、今は誇らしく思っています。

──そして、物語は今回の『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』(以下『2205』)へ続いていき、2021年10月8日から「前章 –TAKE OFF-」が公開されます。新たな物語が動き出した今の心境をお聞かせください。

小野新シリーズが始まる度に思うことですが、「なぜ旅に出るのか」とまた改めて思いました。彼らはその都度過酷な運命に巻き込まれていきます。また旅に出なければいけないというプレッシャーがありながら、ヤマトにしか背負うことのできない使命のために出航します。ただ、その時に一つの誇りを感じています。さらに、今回はそこに若手が新しく乗り込んできます。その象徴である土門竜介を観た時に、『2199』で乗り込んだ時の古代進を思い出すと同時に若い頃の自分の姿を重ね合わせました。同じ使命を帯びて同じ熱量を持った若い魂を感じて、胸が熱くなりましたね。また、畠中祐自身がそういう男ですが、彼の芝居が熱くて不器用で真っ直ぐで。畠中君の芝居も役者としての佇まいも凄く好きなので、観ていて嬉しくなりました。それと、以前にも色々な作品でご一緒させて頂いた機会がありますが、安田(賢司)監督ですね。安田さんもまたヤマト直撃世代ではないので、新しい時代を作っていくクルーの一員です。ですが、ヤマトが持っている熱量を変わらない姿できちんと表現してくれるので、安田監督はこんなに熱い人だったのかと驚きました。今回の新しい旅で、僕が古代だったら島(大介)みたいな存在。新しい旅の道標を作ってくださっている感覚があって、本当に頼もしいです。

──本作『2205』は、1979年放送のテレビスペシャル『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』以後の要素をまとめた作品です。収録にあたり、スタッフ側から何かディレクションはありましたか?

小野ヤマトの収録は基本的に福井(晴敏)さんが質疑応答に答えてくださり、物語を始めるに当たりどんな想いで描かれたのかについて話してくださいます。これはいつも言われることですが、福井さんから「また過酷な運命に巻き込まれますよ」という話をされました。ただ、『2202』の時はプレッシャーと不安と武者震いがありましたが、今回は落ち着いてそのお話を聞けました。福井さんとの付き合いも長くなってきたので、「分かりました。受けて立ちます」という気持ちが芽生えました。福井さんがニコニコしながらそう語る時は「僕ら役者を過酷な運命の渦へと巻き込んで行くんだろうな、でもそれが素晴らしいドラマを生むんだろうな」というところまで導き出せるようになりました。以前はそこまで考えが至らなかったので、演じるまでは本当に酷い人だと思っていました(笑)。あれは福井さん流の激励なんです。あとは、安田監督は本当に誠実で、言葉数は多くないですが静かに燃えている方です。じっと後ろで見守ってくださっていて、吉田(知弘)音響監督のご意向もあったと思いますが、実は今回テストも録っています。テストの段階で熱量が高い時は、「頂きました」と仰る場面が多々ありました。最初は面食らいましたが、テストだと思って抜くことはそもそもないので。一発目に演じたものが良いと思ってくださるのは、凄く手応えを感じた瞬間でしたね。

──本作の監督を務めるのは所謂「ヤマト世代」ではない安田賢司さんです。今までの監督と比べるとどのような点が違いますか?

小野『2199』を監督された出渕(裕)さんは本当にヤマト愛に溢れた作品作りを心掛けていらっしゃいました。艦長の読み方から始まり、敬礼、軍隊用語など、読み方のアクセントなどは出渕さんの演出で決まっている部分が多く、ヤマト愛を爆発させて今の時代の新しいヤマトの礎を作ってくださいました。そこから『2202』を監督された羽原(信義)さんが引き継いで、そこに大胆なアクションや外連味、アニメとしての分かりやすいダイナミズムを与えてくださいました。そして、そこからさらに引き継いだのが『2205』の安田監督。安田監督は人間関係の機微、感情の細かな揺れ動きなど、物語を作っていく上で目線がより人に向いているなと思いました。アクションシーンのクオリティも物凄く高いと思いますが、キャラクターの表情を敢えて動かさなかったり、とても繊細に人間ドラマを作っていらっしゃるなと感動しました。『博多豚骨ラーメンズ』や『ソマリと森の神様』など、やはり人間ドラマを根幹に据えた作品で安田監督とご一緒していますが、より人間の熱を今回の『2205』で感じました。

未知の未来へと進んで行く今の時代の人々を応援してくれる

──以前のように皆で一緒に収録することは難しいと思いますが、本作はどのような形でアフレコを行ったのでしょうか?

小野感染対策はどの現場でも徹底していますが、その中でもヤマトはより安全に注意を払っていたと思います。収録は一人ひとりだったので、最初は辛かったですね。皆で背負うことで重圧から解放され、仲間を信じることで艦を進めていく、そして異星人とも分かり合えることがヤマトのストーリーの根幹にあるものだと思います。人と人の話なのに、それを一人で録るのかと…。アフレコが始まるまでは気が重かったんですが、これまで培ってきた信頼関係や絆が僕らにはあるので、これも運命なのかなと思いました。一言で表すと古代進は「ポジティブバカ野郎」だと思うので、これは試されているのだから僕たちの絆をしっかり見せようと、直ぐに切り替えることができました。きっと桑島(法子)さんだったらこう返してくれるだろうなと、皆さんの声が聞こえました。幸運なことに畠中君とは色々なところで交流があって、僕と重なる部分があるなと思っていたところだったので、彼なら絶対にこうやるなと想像できました。これだけの熱量をくれる。完成版を観て感動しました。もちろんスタッフさんは凄く大変だったと思いますので、改めて『2205』を作ってくれたヤマトクルーの皆にお疲れ様でしたと心から伝えたいです。

──前のシリーズから3年が経過した『2205』での古代進を演じる上で意識されたことはありますか?

小野『2202』から3年後なので、時間はそこまで経っていません。彼が変わったというよりは、彼を取り巻く環境がガラッと変わりました。『2202』の最後に辿り着いた答えは、彼らにとっては正しいものでしたし、異星人と共に地球人類が出した答えだったと思いますが、地球の中にもそれを快く思っていない人がいました。『2202』で旅を終えたと思っていたので、今回も「なぜ旅に出るのか」という命題を叩きつけられました。ただ、年齢以上に精神的な面から、この3年で古代はぐっと大人になりましたね。以前は正直、雪しか見ていなかった。本当に俯瞰で周りを見られるようになったなと思います。周りのクルーもですが、若手のことも真っ直ぐしっかり見ているなと。僕自身もそうでしたが、古代を演じる度に自分のことだけではなく、どんどん周りが見えてきました。そういったことも踏まえて、『2205』の古代を演じる時は経験値を乗せたいなと思いながら演じていました。『2205』の古代は迷いがなく、覚悟が決まっている感じがしました。

──本作『2205』の見どころやオススメのポイントなどを教えてください。

小野やはり土門ですね。雪と話している時に「アイツは俺なんだ」と古代がポロっとこぼしますが、僕も畠中君に昔の自分の姿を重ねて、微笑ましく思うことがありました。その気持ちが凄く理解できて、自分は古代進なんだなと思えましたし、とても好きなシーンです。土門と会話しているところはあまり言葉が多くないんですよね。みなまで言わなくても分かるというか、語らない男の美学を感じて、古代と土門の関係性は凄く好きです。あとは、薮(助治)さんも好きですね。チョーさんのお芝居は、軽やかながら色々な意味や感情が乗っかっていて、深いです。人間の泥臭さ、狡さ、汗や熱を感じるお芝居をされるので、彼にも色々あったんだなと。人間臭いので一番共感できるキャラクターだと思います。生きていただけでも嬉しいので、ヤーブ・スケルジファンは楽しみにしていて欲しいです。また、古代は長いセリフの中で「ヤマトは希望の艦(ふね)だ」と語っていますが、これは未知の未来へと進んで行く今の時代の人々を応援してくれる言葉だなと思っています。

──アベルト・デスラー、土門竜介、徳川太助など今回も様々なキャラクターのドラマが物語を盛り上げています。小野さんが他に注目されているキャラクターは誰ですか?

小野やはりチョーさんが演じている薮さんが好きです。あとは自分に古代進が重なって来ているので、桑島さんに会うと「あ、雪だ」と思ってしまいますね。これまでのメンバーがそれぞれ大人になっていて、それを一番感じたのは星名(透)ですかね。演じている高城(元気)君も重ねて星名の成長を感じ、僕も嬉しくなりました。

人類のために命を賭して宇宙へと旅立つ人々のロマンと愛を描いた作品

──今までヤマトに触れてこなかった若い世代に向けて、何かメッセージを頂けますでしょうか。

小野ヤマトが持っている魅力、描いているテーマは普遍です。小学生、20代、ヤマトおじさん、どの世代の人が観ても同じ気持ちを感じられると思います。これからヤマトに触れる新しい世代の人たちにこの作品の魅力を語る時も、その他の世代の人たちと同じ言葉で伝えるはずです。ヤマトは、人類のために命を賭して宇宙へと旅立つ人々のロマンと愛を描いた作品だと思います。ぜひ異なる世代間で、ヤマトをテーマに語り合って欲しいです。若い方が得する点として一つお伝えしたいのは、おじさんたちと共通の話題で盛り上がれます。ヤマト世代の方々でも新しいシリーズを観ていない人がいるので、その人たちに「『2199』から『2205』のシリーズ、めちゃくちゃ面白いですよ」とお薦めできますから。今は、ヤマトが描いている普遍のテーマを新しい世代へ繋いでいくとても大事な時期だと思っているので、若い方たちに観て欲しいですし、ぜひ上の世代の方たちと語りあって欲しいですね。

──最後に、ヤマトファンに向けてメッセージをお願いします。

小野今この時代に再びヤマトが発進することに僕は強い意味を感じています。エンターテインメントはいつの時も、観た人がポジティブな想いを抱けるものだと信じて、声優という職業で関わっています。ヤマトを観ると希望が持てます。理不尽なこと、我慢しなければいけないこと、生きていると色々な辛いことがあると思います。だけど、どんなことがあっても前を向いて、上を向いて、空を見上げて、ずっと進んで行けば必ずそこに希望の未来が待っているんだと思わせてくれる。それこそがヤマトなんだと改めて感じています。一緒にこの艦に乗って未来へと旅立って頂けたら嬉しいです。

PROFILE

小野大輔(おの・だいすけ)
5月4日生まれ。高知県出身。主な出演作は『宇宙戦艦ヤマト2199』『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』古代進役、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ 空条承太郎役、『おそ松さん』松野十四松役、『怪物事変』ミハイ・フロレスク役など。

シリーズ最新作
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』
2021年10月8日[金]より劇場上映・Blu-ray特別限定版販売・デジタルセル配信
同時スタート!

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』Blu-ray&DVD&デジタルセル発売情報

Blu-ray特別限定版 上映劇場・ A-on STORE・ヤマトクルーのみの限定販売
上映劇場:2021年10月8日(金)発売/A-on STORE 、ヤマトクルー:2021年10月15日(金)発売

宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 1 Blu-ray特別限定版 (数量限定生産)

価格:11,000円(税込)
品番:BDOT-0265
発売・販売元:バンダイナムコアーツ
収録内容:本編約100分+映像特典約5分
スペック情報:リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD50G/16:9<1080p High Definition>
封入特典:絵コンテ集(新規描き下ろし表紙)、シナリオ集、特製記録集
映像特典:PV&CM集 他予定
音声特典:キャスト&スタッフオーディオコメンタリー
仕様:新規描き下ろしジャケット、新規描き下ろし特製スリーブ

※本商品は、上映劇場ならびに、 A-on STORE 、 A-on STORE プレミアムバンダイ支店、宇宙戦艦ヤマト公式 FC ヤマトクルー 以外での販売は予定しておりません。
※上映劇場の先行販売は数に限りがございます。無くなり次第終了となりますのであらかじめご了承ください。
※上映劇場で購入される場合は座席指定券が必要な場合があります。詳細は各上映劇場にお問い合わせ下さい。
※本商品は初回限定生産のためA-on STORE の予約締切日(2021年8月20日[金])以降については、ご注文をお受けできない場合がございますのであらかじめご了承ください。

Blu-ray&DVD 2021年11月26日(金)一般発売 ※レンタル専用DVD 同時リリース

2021年10月8日(金)正午よりデジタルセル・長期レンタル配信開始 デジタルセル版および長期レンタル版には特典付き!

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章 -TAKE OFF-』デジタルセル配信

・デジタルセル版
 販売期間:2021年10月8日(金)正午12時~
 価格:HD/SD 3,960円(税込)
・長期レンタル版
 販売期間:2021年10月8日(金)正午12時~2021年11月25日(木)23:59(視聴期間:60日間)
 価格:HD/SD 3,960円(税込)
・レンタル版
 販売期間:2021年11月26日(金)正午12時~(視聴期間:3日間)
 価格:HD/SD 1,430円(税込)

宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち【A-on STORE限定】特設サイト

宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 公式サイト

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