インタビューココだけ　|　RE-MAIN

2021.10.1 UP

TVアニメ『RE-MAIN』原作・総監督・シリーズ構成・脚本・音響監督：西田征史×清水みなと役：上村祐翔 インタビュー［後編］

• シェアする
• Tweet
• 

TVアニメ『RE-MAIN』がまもなく最終回放送！ 本作の原作・総監督・シリーズ構成・脚本・音響監督を務める西田征史さんと清水みなと役の上村祐翔さんに、印象に残っているシーンや各キャラクターについて、アフレコ時のエピソード、最終回の見どころなど、多岐に渡ってお話を伺った。今回はロングインタビューの後編をお届けする。

再びつながった二人の縁と『RE-MAIN』ラストへの思い

──この機会に、上村さんから西田さんへ聞いてみたいことはありますか？

上村西田さんはこの作品でいろいろな役割を担っていて、脚本とか全体像とか本当に思い描くものができているんだろうなと思うんですけど、そうした中で「これは予想外だった」っていうことはありましたか？

西田制作の進み具合の中で、自分の体力の配分ペースが今までと違うところですかね。実写の現場だと撮影期間がキツくなっても1か月から2ヶ月くらい寝ずに頑張れば山場は越えて終わるんですけど、『RE-MAIN』ではその寝ずの必死の頑張りがもう9ヶ月くらいずーっと続いている気がして、これってピークはどこなんだろうと（笑）。実写だと撮影が終わったら次は編集…という感じで作業のメリハリが分かりやすいんですけど、今回は緊張感がずーっと続いている感じで、それがやってみて実感したことかな。

上村それはいっぱい役割を担っているからこそですよね。

西田総監督という立場で作らせてもらっていて、1カット1カット全部チェックしていますからね。今進めている話数だけでなく、先の話数に出てくる飲み物のペットボトルのラベルはどうするのか？　それを飲んでいるのか飲んでいないのか？　飲んでいるならどのくらい残っているのか？　アニメって選択肢が無限だから、そうした考えるモノの物量がハンパなくて。もちろん各部署にお願いしている作業も進めますが「決定」は自分がやらないといけないから、そこに向き合った時の時間の足りなさ。それが一番の「予想外」ですね。たとえば作画の打ち合わせをして、夜帰って翌日アフレコする回の台本を読んで追加のオフゼリフを考えて……そんな生活をしていたら10kg 痩せちゃった。

上村えぇーーっ！　そうなんですか!?

西田病気じゃないかと思って病院に行ったら「なんともない」って言われて。単純に食べる時間を取れていなかったことが原因でした。今はトイレに行くついでなどに何か口に入れるようにしています。

上村いつか盛大に美味しいものを食べに行きましょう！　僕たちからすると、西田さんはいつもにこやかに対応してくださるから、そんな状況だったとは全然感じませんでした。やっぱりアニメーションは作業の物量がすごいんですね。

──それでも西田さんが『RE-MAIN』をテレビアニメでやろうと思われた理由はなんですか？

西田一番はテンポ感ですかね。セリフのリズムなど実写ではこのリズムでは無理ですね。たぶん実写だったら全12話には収まらなかったと思うんですよ。モノローグも実写だと浮いてしまうので、表現の仕方が変わってきますし。でも、この作品ではモノローグを使いたかったから、アニメーションに向いていると思ったんです。

上村そう考えると面白いですね。

西田僕はこれまで手掛けた作品で、モノローグってほとんど使用してこなかったから、今回は逆のアプローチで表現したかったというのもあります。実写っぽいドラマをアニメでやりつつ、アニメならではのカット割りとか見せ方で水を表現することにチャレンジしてみたい気持ちもありました。

上村モノローグはこの作品の肝だったんですね。

西田そうですね、こんなにいっぱい使った作品は『RE-MAIN』くらいですね。でも、みなとが記憶を取り戻してからはモノローグをそんなに使っていないんですよ。あれは小6モードのみなとだからできたことではあるかなと。序盤に多かったツッコミも、バーッとツッコむことによってテンポよく見せていけるので、あの辺のリズム感も今回やってみたかったことのひとつでした。

──では、西田さんから上村さんへ聞いてみたいことは？

西田え～、いっぱいあるんですよ。おすすめのパンとかね（笑）。それはまた別の機会に聞くとして、今の上村さんの「夢」ってなんですか？

上村夢ですか！　そうですね……お芝居はずっと続けていきたいです。有り難いことにいろんな作品に出させていただき、気がつけば僕もアラサーで。この仕事を子役から続けてきて、劇団に入団して23年になるんです。でも、23年間ずっと仕事をやっていたかというとそうでもなくて、小・中・高・大学と学校生活も経験して、そこでも自分の軸というか人間性が作られていったと思うんです。役者という仕事は人生と切り離せないというか、その人の生きてきた部分が全部出るものだと思うので、お芝居だけでなくプライベートの部分で得られるものも、ちゃんと大切にしていきたいなと思いますね。いろいろな場で役者としての表現を続けていくためにも、その気持ちは忘れたくないです。

西田その歳でもう……しっかりしているよね（笑）。

上村今27歳なんですけど、大学を卒業して仕事に突き進んできたらもう5〜6年経ってしまったというのが恐ろしいなと。あっという間に時間に呑まれちゃうので、ちゃんと立ち止まれるタイミングも持たなきゃいけないなと思っています。1日1日を大事にして、地道にやっていくことが重要なのかなと。だからシンプルに答えると、夢は「きちんと生きる」かもしれません（笑）。

西田そういう考えを持っている上村さんだからこそ、ああいうお芝居ができるんだなと感じました。本当はこういうご時世でなければ、一緒に飲みに行ったりして、プライベートな会話とかもいろいろしたいところですね。

上村西田さんとは『魔王』（※西田氏が脚本を手掛けた2008年のTVドラマ）でご一緒したのが13年前ですけど、その事実があるってすごいことですよね。こうしてまた巡り会えて本当によかったなぁと。それは自分がこの仕事を辞めずに続けてきたからできたことなので、歩みを止めないことは大事だなと思いました。

──当時とは違うジャンル（アニメーション）で再会というのもすごいことですね。

上村そうですよね。じつは木村さんとも子役の頃にお会いしているんですよ。当時から頼りがいのある感じだったので「いいお兄ちゃんだなぁ」と、僕もよく覚えていたんです。

西田この作品の“前の時間”のバックボーンが重なっているっていうのは面白いよね。

上村本当に積み重ねってすごいなと思います。だから西田さんとも、また別のお仕事でもご一緒できたら嬉しいですね。

西田今度は舞台かな？　ぜひ、ご一緒したいです。

上村舞台、いいですね！

──では、放送間近となる『RE-MAIN』最終話の見どころをお聞かせください。

上村試合での曙學館の3人とみなととの関係性が印象的で、回想シーンと現在が行き来したりと、そこにグッとくる部分があります。最終話は曙學館のメンバーと一緒にアフレコをしたんですが、作品のなかで初めてみんなとちゃんと会話できた気がして、それが個人的には嬉しかったです。それに加えて、この作品は家族の話でもあるので、家族同士の関係が再生していくところにも注目していただきたいですね。あと本当は、誰が試合で活躍するのかとか、めちゃめちゃ言いたいんですけど、我慢します（笑）。

西田それぞれのキャラクターのゴールに至るまでの姿とか変化とか、そういうところにも注目していただきたいですね。これまでの集大成となっているので、ぜひ観てください。

──では最後に『RE-MAIN』の視聴者へのメッセージをお願いします。

上村まずは第1話から見届けていただいて、ありがとうございます。オリジナルアニメなのでどう展開していくのかわからないなか、本当にたくさんの方に愛される作品になったと思います。みなと君を好きと言ってくださる方もたくさんいるので、彼がどういう風にエンディングを迎えるのか。そして、みなと君にいろいろと影響されて変化していった山南高校水球部のみんなが、どんな風に新しい自分と出会うのか。そういったところにもぜひ注目してください。

西田ここまで観ていただいて、ありがとうございます。最終話はここに向けて紡がれてきた物語の集大成なので、そのラストを皆さんに見届けてもらいたいです。みなとが“リメイン”したままなのか“メイン”に戻るのか。そこも含めて“リメイン”という言葉の意味を感じながら、最後まで楽しんでいただけると幸いです。

インタビュー前編はこちら！

---

TVアニメ『RE-MAIN』 公式サイト
https://re-main.net/

TVアニメ『RE-MAIN』 公式Twitter
@remain_anime　／　ハッシュタグ#re_main

ギャラリー

関連タグ

• 西田征史
• 上村祐翔
• RE-MAIN