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10月TVアニメ放送開始!『テスラノート』西田征史(脚本家)×三宮宏太(漫画家)×川窪慎太郎(漫画編集者) 原作者インタビュー[『テスラノート』特集サイト 「テスラノート 諜報部報告書」]

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10月から放送開始されるTVアニメ『テスラノート』は、不世出の発明家ニコラ・テスラが残したとされる「テスラの欠片」を、忍者の末裔である牡丹をはじめ、個性豊かな面々が探し求めるスパイ・アクション作品だ。『週刊少年マガジン』で連載開始し、今月から少年マガジン公式無料漫画アプリ『マガポケ』をメインに展開している本作は、実はその作業はアニメ制作と並行して進められていたという。今回はその立ち上げの経緯から漫画、アニメへの展開、スパイ・アクションとコメディタッチの群像劇が融合した物語の魅力まで、作品における原作メンバー3名に話を伺った。

“テスラの発明品を巡るスパイの話”からスタートしたプロジェクト

──まずは本作が立ち上がった経緯をお伺いできればと思います。

西田アニメ制作を手掛けるギャンビットの代表であった久保忠佳さん(※2019年に逝去)から、「スパイものを一緒に考えないか」とお話をいただいたのが最初です。“ニコラ・テスラが残した発明品を巡るスパイの話”というベースはあり、そこからキャラクター付けや物語の展開をこちらが広げていく流れでしたね。立ち上げの頃は久保さんと話を進めながら、物語を展開する場として『週刊少年マガジン』の編集者の方とも話し合う機会を得て、そこから川窪さんにも入っていただいた形です。

──当初からメディアミックスを想定されたプロジェクトではあったのでしょうか?

西田まずは漫画の原作を作り、連載することが目標でした。ゆくゆくは映像化も見越して動くことができればと考えていて、バンダイナムコアーツさんにもプロジェクトに参加してもらうことになりました。

──川窪さんは『テスラノート』の原案を受け取ったのち、どのように連載の形にまで進めていったのでしょうか?

川窪どの作品もですが、ひとつの漫画を成立させるまでには、かなりの時間がかかります。最初は西田さんと久保さん、僕ともうひとり編集者が4人で企画を進めていて、その段階でも数年の期間を経ています。そこから編集長に原作を渡し、社内での連載会議を通過してやっと連載にOKが出ています。

──なるほど。

川窪今回は西田さんが原作者なので、その連載に向けた会議と並行して漫画家を探していくことになりました。最終的には三宮さんにお願いすることになったのですが、作品のテイストに合った作画の方を探すのにも時間がかかり、漫画の開始時期(2021年1月)とアニメの放送時期が予定よりも近くなったのが実情ですね。ただ、西田さんには三宮さんしか紹介していないと思います。

西田そうでしたね。

川窪実際に連載が決まった段階になってからですが、しっかりとしたアクションを描ける人ということで三宮さんの名前が挙がりました。

──三宮さんは、今回の依頼が来たときはどのような心境でしたか?

三宮個人的なことを言うと、そのタイミングで息子が産まれまして。ヤバい! 仕事をしないと! というところで(笑)。編集部の人にも相談をしていたときに提案してもらったのが『テスラノート』でした。もうひとつ別の作品も提案いただいたのですが、『テスラノート』はアクションものだったので、それはぜひやってみたいと。先に2話分の脚本を読ませてもらったらそれが非常におもしろく、手を挙げました。

──シナリオを読まれての印象はいかがでしたか?

三宮『キングスマン』というスパイ・アクション映画が好きなのですが、まずそれが思い浮かびました。なので、脚本を読んだ段階で映像がイメージしやすかったですね。

コメディタッチのキャラの掛け合いがひとつのウリ

──原作を練る段階から、スパイ・アクションものという大筋がブレることはなかったのでしょうか?

西田いや、企画段階では、「ニコラ・テスラが残した発明品を巡るスパイの話」というベースのみで、最初はまるっきり別の方向でしたね。今とはまったく異なるキャラクターが登場する話で、1話分くらい書いてボツにしました。それからやり直したときに、今に近い世界観になりました。

──脚本執筆は三宮さんの絵のイメージもありつつ同時に進めたのでしょうか?

西田自分の仕事のスタイルとして、終わりが見えていない状態で連載や放送がはじまることはないようにしています。今回も、脚本全話分を最後まで書き切った状態で三宮さんにお渡ししました。なので、今、実際に漫画になっているものは、一度こちらが書ききった状態でお渡ししたものを、三宮さんや川窪さんが肉付け・色付けをして面白くしてくださったものですね。

──つまりは、原作脚本完成後に、川窪さんと三宮さんが漫画として展開していったわけですね。

川窪そこの作業でいうと、僕と三宮さんについているもうひとりの編集者、さらに西田さんにも毎回監修に入っていただきました。この4人で西田さんの脚本について率直に話し合い、どのように漫画としておもしろく展開できるかやり取りしています。例えば、脚本に対する漫画側のアイディアに、西田さんが「本来はこういう意味で書いていたけれど、その案がおもしろいから変更しよう」といったように、ときには軌道修正もしながら制作を進めました。

──なるほど。その中で、三宮さんは漫画としてどのようにビジュアルを作り上げていきたいと思われましたか?

三宮『テスラノート』は、コメディタッチのキャラの掛け合いがひとつのウリです。僕の絵は劇画寄りで重くなりがちなので、なるべくその魅力が損なわれないように軽めに描きたいなと思っていました。ただ、実際にはゴリゴリに劇画タッチで描いちゃっている部分もあり、まだ模索しながらやっていますね。

──今回は、キャラクター原案にPOKImariさんが参加されています。漫画では、原案をベースにしつつ、キャラクターを表現していく流れだったのでしょうか?

三宮キャラクターはPOKImariさんの段階でしっかり完成していたので、こちらで作業する分には難しくありませんでした。ただ、漫画はアニメと違ってフルカラーではないので、モノクロでもキャラの違いが出せるように意識して変更している部分もあります。例えば、ほぼ全員がスーツ姿なので、服装にあまり差が出せません。その中でも日本チームとCIAチームは明確に差別化したかったので、スーツの濃淡や襟の形を漫画では変えています。

川窪POKImariさんの原案イラストをベースにしたアニメ向けのキャラクターデザインと、三宮さんの漫画でのキャラクターデザインは、途中から同時並行で進むこともありました。なので、しっかりと設定を共有しつつも、アニメと漫画、それぞれの媒体を活かしたデザインになっていると思います。

牡丹役の小原好美さんと、クルマ役の鈴木達央さんが、キャラの重要な掛け合いを見事に表現してくれた

──物語としては、世界各地に散らばったとされる「テスラの欠片」を回収することが柱となっています。日本だけではなく、ノルウェーやシカゴなど、様々な場所を舞台にした理由を教えてください。

西田この物語をどういった舞台で展開するのがおもしろいか考えたときに、やはり世界を股にかけたものが良いだろうと考えました。それは実写ドラマや映画ではなかなか難しいですからね。

──街の風景や歴史をうまく取り込みながら脚本を組み立てることも考えていましたか?

西田欠片ごとに章を変えたり、お話の色合いも変わったりするので、それに合わせて街の雰囲気も変わっていくと、物語として新しいテイストが出せるのではと考えていました。

──主人公である忍者の末裔・牡丹や、諜報員のパートナーとなるクルマの男女バディに、ふたりをサポートする隆之助や恭平を軸に話は進んでいきます。そこにCIAのミッキーやオリバーなど、個性豊かなキャラクターが絡んでいくのが特徴になっています。

西田「ニコラ・テスラが残した発明品を巡るスパイの話」というコンセプトに対して、「テスラの欠片を個性豊かなスパイたちが奪い合う」というのが、こちらが出したひとつの答えでした。奪い合うときに各勢力のカラーが異なっていると良いなと思いましたし、だからこそぶつかり合うのが面白くなるのではと。キャラクターの造形もそのあたりの棲み分けを考えながら作っていきました。

──ちなみに牡丹が忍者の末裔というのは、西田さんのアイディアですか?

西田これは久保さんが一番こだわっていたところでした。世界を股にかける物語の中に、ひとつ日本らしい要素があった方が良いとおっしゃられていましたね。

──10月から放送されるアニメでは、小原好美さんや鈴木達央さんなどがキャストとして入られていますが、西田さん、三宮さんは第1話のアフレコ現場を見学されたそうですね。

西田僕はオーディションから参加させてもらっていたので、実際に小原さんと鈴木さんが現場で声を当てているのを見たときに、素直に素晴らしいなと思いました。ふたりとも生っぽくてパワフルなので、掛け合いの上でのぶつかり合いや微笑ましさという重要な部分を見事に表現してくださいました。

──三宮さんは、アフレコに参加されて、いかがでしたか?

三宮さすがプロフェッショナルという感じで、命を吹き込む瞬間を目の前で聞けたことにすごく感動しましたね。

──漫画にフィードバックされるものはありましたか?

三宮アフレコのときの声をイメージしながらキャラクターを描いています。クルマの声を実際に聞いたことで、最初はチャラいだけのイメージだったのが、けっこう芯もあるなと感じたり。描き進むに連れて、クルマのお兄ちゃん感をもっと出せればと思いました。

西田第1話のアフレコの後、三宮さんから「隆之助の顔を少し変更しました」という連絡をいただいたのを覚えています。

三宮隆之助は当初、柔らかいイメージで描いていたのですが、、声に合わせて若干顔つきをキリッとさせていますね。

──ミッキーやオリバーも、声の印象で変わる部分はありましたか?

三宮神谷浩史さんが演じるオリバーは常に柔らかく動じない感じで描きたいなと思っていました。諏訪部順一さんの演じるミッキーも、あのすごく良い声が聞こえてくるような絵にしたいと思っているのですがなかなか……。なんですかね、あの良い声は(笑)。負けないような絵を描きたいですね。

それぞれの勢力にそれぞれの色合いがあるのが『テスラノート』の良いところ

──ちなみにすごく楽しく描けるもしくは好きだなと思うキャラクターはいますか?

三宮登場するキャラクターは全員好きですが、オリバーのようなキャラクターはこれまであまり描いたことがなくて、彼を描くのは好きですね。あとはシンプルに主人公である牡丹は大好きです。

──西田さんとしては、キャラクターの中でキモになっているなと思う人物はいますか?

西田それぞれの勢力にそれぞれの色合いがあるのが『テスラノート』の良いところだと思っていますし、三宮さんに全員好きだと言っていただけたのは嬉しいですね。恭平も前には出ないもののみんなのバランスを取る役割だし、団体芸に近いところはあります。全員が粒だっている感じになっているのが理想なので、漫画ではそういう部分を理解して描いていただけたのは感謝しています。

──西田さんが舞台・演劇のシナリオや演出を出発点にしているところも大きいのでしょうか?

西田それもあると思います。舞台は稽古期間が長くて、10人なら10人、ずっと同じ期間、出番の量が違ってもずっと一緒にいるんです。脚本を書く人間としては、みんなの役をどうおいしくするかを常に考えていましたし、作品作りの基礎として、どの役に対しても見せ場を作ろうという意識はあります。特に今回の『テスラノート』ではそれぞれの立場を考えて、見せ場とかドラマとかを作っていこうとしました。

──川窪さんは、みんなが主役という物語を漫画に落とし込んでいく上で、どういった部分を重視しましたか?

川窪西田さんの原作作りは、他の原作者の方や漫画家とは異なる部分があります。普通に漫画を作ると、このキャラは敵、このキャラは味方、このキャラはいいヤツ、悪いヤツという風な立場から作っていくんです。一方で西田さんの、キャラクターの悪いところも良いところも、ひとりの人間として360度書いていく「舞台的」な作りは、僕にとっても新しいチャレンジでした。ただ、それは楽しくもある一方で、漫画は舞台と違って、人が演じるという部分がないんです。つまり、演じる人が持っているパーソナリティやリアリティが漫画では出せないので、三宮さんと漫画にしていく過程では、脚本上には描かれていない人間性を足していくことになりました。

──人間性を足していくとは、具体的にはどういうことでしょうか?

川窪表情やアクションで、脚本に書かれていない部分を肉付けしていく作業ですね。漫画では全体の設計図となるネームを起こす作業が発生するのですが、その際にいかに肉付けしていけるかは意識しています。実際に三宮さんも意識して肉付けをやってくださっていて、僕が実際にネームを確認するときも、そこの部分を意識しながら読んでいますね。

──三宮さんは、西田さんとのタッグのこの『テスラノート』、これまでの漫画の描き方と違うなと思った部分はありますか?

三宮今まで出た話ともつながりますが、脚本を読んで、人間がすごくリアルだなと思いました。漫画ではキャラクターをわかりやすく、記号的なものにしがちで、非現実的な要素もあったりします。ただそうしたリアリティラインの線引きで言えば、西田さんの脚本はリアル寄りですし、ちゃんとそこに存在しているキャラクターになっています。逆に、そのキャラクターさえ理解できれば、すごく描きやすくなるのも特徴かもしれません。

アニメでも、コメディ要素、アクション要素のバランスを楽しんでもらいたい

──再びアニメの話に戻りますが、今回はCG作画になり、モーションキャプチャーも使用されたと聞きました。この技術がアクションシーンなど、脚本上に与える影響はありましたか?

西田脚本上の影響は特になかったですね。僕が1行で書いたアクション部分を、漫画では三宮さんが、アニメではギャンビットさんが膨らませてかっこよくしていただいています。CGであることが与えた影響があるとすれば、キャラクターの衣装ですね。

──CGによりデザインパターンの貼り込みが容易になりますね。

西田そうなんです。ルックスや洋服のデザインとかは、漫画よりもアニメの方が先に準備しなければならなかったので、どういうルックスにするのかの話し合いはしましたね。

──わかりました。では、10月からアニメがスタートする『テスラノート』、漫画は単行本の3巻発売前のタイミングではありますが、今回の作品の魅力を、改めてみなさんから伺えればと思います。

川窪アニメと漫画、どちらもコメディ部分が魅力だと思っています。アクションドラマなのですが、アクションともうひとつのポイントとして、コメディの要素が大きい作品です。漫画では三宮さんの絵が入ったことでその表情のひとつひとつが笑えるようになっていますし、シリアスの中にあるお笑いが味になっています。アニメでも、そこがどのように表現されるか、楽しみにしていただければなと思います。

三宮僕もアニメがどんな感じになるのか楽しみですが、漫画を描いている立場からだと、特にアクションパートですね。漫画とはまた違う見せ方になっていると思うので、それは楽しみにしています。

西田川窪さんがおっしゃったコメディ要素、三宮さんがおっしゃったアクション要素のバランスを楽しんでもらいたいです。どちらの良さもあって、魅力になっていると思うので。アニメではキャラクターの声が入ることで、漫画で読むセリフとはまた違った感情の受け取り方もできると思います。そういうところも堪能してほしいですね。

川窪もしかしたら、アニメではあっと驚く展開も……。

三宮そうなんですか!?

西田あるかもしれません(笑)。ぜひ楽しみにしていただければと思います!

PROFILE

西田征史(にしだ まさふみ)
脚本家、演出家。実写ドラマ、映画、舞台の脚本・演出を多数手掛けるほか、アニメ作品にも数多く参加。水球を取り上げたスポーツアニメ『RE-MAIN』では、原作、シリーズ構成、脚本のほか、総監督、音響監督も手掛けている。

PROFILE

三宮宏太(さんのみや こうた)
漫画家。『週刊少年マガジン』にて連載されていた、『青春相関図』(原作・広瀬駿)の作画を担当。2021年1月から『テスラノート』の作画担当として連載を開始。

PROFILE

川窪慎太郎(かわくぼ しんたろう)
講談社に勤務する漫画編集者。『週刊少年マガジン』編集部所属。2021年、ついに完結した『進撃の巨人』をはじめ『五等分の花嫁』、『ふらいんぐうぃっち』などの編集を手掛ける。

 


TVアニメ「テスラノート」
2021年10月より放送開始決定!

▼TVアニメ「テスラノート」 公式サイト
https://teslanote.net/

▼TVアニメ「テスラノート」 公式Twitter
@teslanote / 推奨ハッシュタグ#テスラノート #teslanote

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