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『NOMAD メガロボクス2』Blu-ray BOX 7月28日発売記念! 小林親弘(佐久間役)×福西勝也(リュウ役) 対談

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2018年に放送され、国内外で好評を博したTVアニメーション『メガロボクス』。その続編となるオリジナルTVアニメーション『NOMAD メガロボクス2』のBlu-ray BOXが、いよいよ7月28日に発売されます。これを記念し、小林親弘(佐久間役)さんと福西勝也(リュウ役) にお話を伺いました。

出すよりも隠す演技をしたのが『NOMAD メガロボクス2』だった

情熱を内に秘めたリュウと、“悪人”の自覚がない佐久間</

――前作となる『メガロボクス』はご覧になっていましたか?

小林僕の場合はリアルタイムではなかったんですけど、作品のオーディションを受けるときに全話をイッキ観しました。

福西放送当時、SNSでも話題になっていましたよね。昔のセル画のような絵の質感がとても気になっていたので、私もネット配信で観ました。当時は声優としてのキャリアも2年目くらいの頃だったので、普通のファン目線で楽しんでいました。

小林なかなか今のアニメではない硬派な作品でしたよね。絵も音楽も内容もあまり説明をせず、視聴者に委ねるような作りをしている。作品を観た人がそれぞれ自由に考えられるというのは、とても良いなと感じましたね。

――原案となる『あしたのジョー』はご存じでしたか?

福西それはもちろん!

小林でも作品としての名前とか大きなエピソードは知っているけど、世代的には全部を知っているわけではないんですよね。力石の葬式があったとか、最後は燃え尽きて……とかは知っているけれど、リアルタイムの体験ではないので。

福西私の場合はYouTubeにアップされている公式動画を観ていたんですけど、昔の作品の芝居は今のアニメのそれとは全然アプローチの仕方が違っていたので、とても勉強になりました。

小林たとえばどういうところが違っていたの?

福西投げっぱなしというのか、何て言うのかな……たとえばルームシェアしている親しい友だちがいたとしますよね。

小林ほうほう。

福西隣の部屋にいるそいつに話しかけるときの投げっぱなし感というか。どう言えばいいんだろ(笑)。伝わりますかね。

小林いや、わかるわかる(笑)。

福西私は声優としてはそういう芝居をしたことがなくて、そういう投げっぱなしにしゃべることがむしろ人間らしいと感じるんですよ。型にはまっていないというか、型がなかった時代だからこそ自然になっているのかなと。

小林まとまっていないというか。

福西そうです。いい意味で皆さんが自由に言葉を発していて。あの芝居は、とても勉強になりましたね。

小林なんか……めっちゃイイこと言うね (笑)。

――今作でキャラクターを演じるにあたり、監督やスタッフからの指示はありましたか?

福西私も親弘さんに聞きたかったです。佐久間っていつからああいう感じになったんですか? オーディションのときから?

小林実は僕は佐久間のほかにリュウもオーディション受けてるんですよ。

福西ええええ~っ!

小林それで、リュウはカッコイイ感じでと言われて、自分でも経験のある芝居で臨めました。でも佐久間の場合はちょっと違っていて、オーディション用の資料を読んだときにすごく珍しいキャラクターだと思ったんです。“悪人である”という自覚がない悪役なんですよね。悪人を演じるときはわかりやすく“悪”を演じるものですが、佐久間にはその自覚がない。自分がやりたいことに突き進んでいるだけで、ほかのことはどうでもいい。それで、本編で演じたような芝居をしてみたら、役が決まったという感じですね。

福西じゃあ現場に行ってもほとんど変わらず?

小林ちょっと煽り過ぎたのを抑えられたことはあります(笑)。リュウはどうだったの?

福西私は当初リュウを、ジョーや勇利に対しても容赦なく突っかかっていくような血気盛んなイメージで捉えていたんです。偉大な先輩たちを尊敬はしているけど、ちょっとでも甘いところを見せたら噛みつくぞという。

小林なるほどね。

福西オーディションのときの最初のセリフが「俺はもっと遠くに行きたいんだ。だから教えてくれよ、本物のメガロボクスってやつを」というものだったんですけど、これをかなりモリモリの芝居でやったんですよね。

小林そのバージョンのリュウも観たいけどね(笑)。

福西そうしたら森山監督から「リュウはそういうキャラではない」と。熱いものは確かにあるけれど、闘志を内に秘めている男だからもう少し冷静でフラットに演じてくれと言われました。なぜかこの時はリュウ=熱い男という思い込みが自分の中にあって、何度もリテイクを重ねて段々と冷静に抑えた芝居を作っていきました。なので、あのリュウになるまで時間がかかりましたね。

小林熱意が空回りしちゃったのかもしれない。でも、それだけオーディションの段階からキャラクターに対するマッチングを感じてもらえていたんじゃない?

福西結果としてリュウをやらせてもらえたからかもしれませんが、オーディション段階から運命的なものは感じていましたね。

リュウと佐久間、それぞれの演技論</

――それぞれのキャラクターにはどのような印象がありましたか?

福西チャンピオンになってからのリュウはクールだけど、若い頃はもっと血気盛んですね。若い頃のセリフは少ないですが、「教えてくれよ…」のセリフが勇利の中でかつてのジョーと重なるシーンを演じるために、1期のそのシーンをそれこそ3桁はループして観返しました。

小林凄いな! ものすごい努力家だよね。

福西物まねではなく、少しでもジョーの成分が入れられるように、何回も観なおしました。回想のリュウは、その力を借りて違いを出しましたね。

小林佐久間は“昆虫を虫眼鏡で燃やす子ども”みたいなもので、無邪気さと冷酷さのギャップがあるキャラクターです。佐久間を演じるときにずっと気を付けていたのは、とにかく普通に喋ろうという点ですね。とにかく悪びれない、悪役っぽくしないというか。

福西なるほど!

小林たとえばマックの奥さんが佐久間の会社に来て不安を打ち明けるシーンがありますけど、佐久間のギャップがわかりやすいと思います。あそこは「不安がる奥さんをとにかく励ます」というタスクなんです。佐久間にとっての目的はBESの完成ですから、そこに至るまでの出来事や問題はすべてタスクとして対処するだけです。だから、マックの奥さんの一件は「BESには関係のない問題」、「時間のロス」と判断するんでしょうね。佐久間としてはそれを普通のこととして喋るだけなんですけど、視聴者からすると「なんだコイツは⁉」という印象になる。彼にとっては悪いこととは考えていないからこそ普通に喋るというギャップを意識していました。

福西それは深い……!

小林最後に逮捕される瞬間でも、白都ゆき子がBESの開発を引き継ぐと言ってくれたから大人しかったんだと思います。そうじゃなかったらあの手この手でゆき子を潰すとか、もっと悪あがきもしたでしょうね。結果的に刺し違えたような形に落ち着いたからこそ、あの展開になってよかったなと思います。

福西どういう納得の仕方をして逮捕されたのかと思ってましたけど、BESがあの後も生き残るとわかったからこそだったんですね。

小林佐久間が最初に言っていた「人の役に立てるように」という言葉はあながち嘘じゃないと思う。ただ、その目的を達成するために人間関係とかすべてが邪魔になったというだけなんですよね。

――佐久間はキャラクターデザインそのものも大きく変化していて、当初は40歳くらいのもっとわかりやすく悪そうな人物としてデザインされていたようです。

小林そうなんですか。それが若い青年実業家になった理由は?

――もっと普通っぽくしたかったとか。

福西じゃあ、親弘さんの解釈が合っていたわけですね。いや、なんかすごく納得できるお話でした。

『メガロボクス』でつかんだ演技の引き出し</

――『NOMAD メガロボクス2』をご覧になった感想はいかがですか?

小林まず、脚本の段階であまり説明をしないですよね。セリフで気持ちや情景を限定しない作り方をしていると感じます。わかりやすいアニメ作品だと「オレはお前を倒す!」みたいに説明してしまうんですけど、そういうセリフがないんです。だから役者もどうしたら説明をせずにセリフを吐けるか、気持ちを表現できるかを気にしていた作品だったのが印象的でしたね。

福西説明っぽいモノローグが一切ないですよね。

小林そう、宮内敦士(マック役)さんもひたすらハチドリの絵本を読んでた(笑)。

福西(笑)

小林普通のアニメだったら、ハチドリの絵本の後に説明があるはずなんですよ。どういう暗喩なのかとか、どういう気持ちなのかというヒントがあるところをすっ飛ばしてエンディングにいっちゃうのが『メガロボクス』なんですよね(笑)。説明を省く品の良さというか、解釈を委ねてくれる脚本だったから、演技も限定せずにできる。出すよりも隠す演技という感じでしたね。

福西確かに! ハチドリの解釈も視聴者さんそれぞれに違っていましたよね。でも、違う意見であることが逆にいいんだと思いました。あと、オイチョがいつデレたのか問題もそうですね。

小林そんな問題が(笑)。

福西ジョーが帰ってきた時点でもうデレてるとか、いや台風の後だとか人それぞれで(笑)。オイチョにもわかりやすいセリフがないんですよね。モノローグとか照れた表情が1カットもないことが、逆にオイチョの可愛さを引き出していると思います。オイチョめっちゃ好きなんです(笑)。

小林オイチョをはじめ、子どもたちって1期と別人だよね(笑)。骨格が違うっていうかさ。

福西確かに(笑)。あの成長した子どもたちの芝居も独特で、すごく良かったと思うんです。私はセリフとか感情をこねくり回した上で演技するのが好きで、そういう信念でやってきたんですけど、リュウに関しては「こぼすように喋る」という演技をしたんです。これは今までアニメでも吹替でもやったことのない芝居で、『メガロボクス』で出来た(芝居の)引き出しなんですよ。いいシーンなんだけど、いいシーンですっていう芝居はしたくないというときには、このリュウの芝居を思い出すようにしています。

小林すごいな。アニメでも吹替でもない『メガロボクス』だけの芝居!

福西アニメ作品ではあまりないタイプの脚本ということもあって、特に自分を含め若手キャストのみなさんは、この作品によって新しい引き出しを見つけられたんじゃないかと思います。本当に私にとってはいただけたものが多い作品でした。

小林めっちゃイイ話やん(笑)。養成所で『メガロボクス』を必須課題にすべきだよね!

福西それいいですね!(笑)ちなみに親弘さんはどうでした?

小林僕はエンディングの曲(「El Canto del Colibrí」)が本当に好きで、あれを聞くとよく眠れるの。

福西どういうこと(笑)⁉

小林ちょうどTOKYO MXの放送が日曜日だったし、お酒飲みながら観るとちょうどいい時間なんですよ(笑)。それであの渋い曲でしょ、もう最高なんですよ。あと『メガロボクス』という名前なのに主人公を含めてほとんど試合をしないところも最高。

福西それわかります!

小林ボクシングの試合結果が主軸ではなく、ジョーが試合を終えた後にどう生きていくのかを丹念に描いた作品なんですよね。マックとの試合がタオル投入で終わるという点もそうだし、ラストの麦畑のシーンでもそれがよくわかる。あの試合でタオルを投入しないのが「昭和のジョー」なんでしょうね。勝ち負けで人生を決めないという価値観を見せてくれたのがとても印象的でした。仕事なんかで勝ち負けの世界に打ちのめされて帰ってきた夜に『NOMAD メガロボクス2』のあのエンディングを浴びたら、そりゃあ安眠しちゃうわけですよ(笑)。

福西あのスペイン語の歌詞がまたいいですよね、視聴者さんたちも皆「ノボルベラ」でひとつになってましたよ。

小林あれどういう意味なんだろうね。(※No volverá:戻らない)

福西もうサントラが最高なんで超オススメです。各種サブスクリプションサービスでも配信されてますよ!

――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。

小林この対談を読んでいただければ、もう『NOMAD メガロボクス2』のBlu-ray BOXを買う決心もついたのではないかと思います(笑)。この作品は何度も観返すことができると思います。今はまだ意味がわからない部分もあるかもしれないけど、月日が経つと新しい発見があると思います。劇中では悲劇も起きますが、最終的には元気をもらえる作品だと思いますし、男女や年齢を問わず楽しめるので、ぜひBlu-ray BOXで御覧くださいね!

福西私が最もテンションが上がったのは、オーディションに受かったときでも演じているときでもなくて、いち視聴者として放送を観ていたときなんです。視聴者の皆さんと同じ気持ちでこの作品を楽しんでいたので、Blu-ray BOXが発売されたらやっぱり皆さんと同じ気持ちで何度も観返すと思います。購入すると信じた自分を、信じてやってください(笑)。また、視聴者の皆さんともご感想を共有できる機会があったらなと思います!

PROFILE

小林親弘(こばやし ちかひろ)
愛知県出身。円企画所属。演劇集団円会員。舞台「ビロクシー・ブルース」「十二夜」などで活躍。声優として、アニメ『ゴールデンカムイ』(杉元佐一)『BEASTARS』(レゴシ)『擾乱』(葛原仁)など数々演じている。洋画吹き替え、ゲームなど幅広く活動

PROFILE

福西勝也(ふくにし まさや)
奈良県出身。賢プロダクション所属。「ハイキュー!!」シリーズ(理石平介役)、「ちはやふる」シリーズ(小石川秀作役)、「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」(天下左京役)、「キャロル&チューズデイ」(ジギー役)など、TVアニメ・吹き替え・ゲームに多数出演。

NOMAD メガロボクス2 Blu-ray BOX(特装限定版)
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■Blu-ray BOX商品情報

NOMAD メガロボクス2 Blu-ray BOX(特装限定版)

2021年7月28日発売

価格:¥38,500(税込)
品番:BCXA-1629
収録話数:ROUND1-ROUND FINAL(全13話収録)
仕様:365分(本編312分+映像特典53分)
リニアPCM (ステレオ)/AVC/ BD50G×3枚/16:9<1080p High Definition・一部1080i High Definition>/本編のみ日本語字幕付(ON・OFF可能)

【特典】
■特製ブックレット
■第1話絵コンテ&シナリオブック

【映像特典】
■『ハチドリと旅人。』(ジョーVer.)
■『ハチドリと旅人。』(勇利Ver.)
■ノンクレジットOP
■ノンクレジットED
■ROUND FINAL ノンクレジットED
■ティザーPV
■メインPV
■Blu-ray BOX TVCM
■AnimeJapan 2021『NOMAD メガロボクス2放送直前SP』
(出演:細谷佳正、安元洋貴、村瀬迪与)

【仕様】
■森山 洋(監督・コンセプトデザイン)描き下ろし イラスト仕様特製BOX

※特典・仕様等は予告なく変更する場合がございます
※特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます

『NOMAD メガロボクス2』について

もう一度、夢を生きる――
肉体とギア・テクノロジーを融合させた究極の格闘技“メガロボクス”。その頂点を決めるトーナメント“メガロニア”に、ギアを身に着けず生身の体で挑んだボクサー“ギアレス・ジョー”。最下層の地下リングからたった三ヶ月で頂点へと駆け上がり、奇跡の優勝を遂げた伝説のチャンピオンの姿に人々は熱狂し夢を見た。
しかし、それから7年後、“ギアレス・ジョー”は再び地下のリングに立っていた。傷だらけの身体にギアを装着し、自ら“ノマド”と名を変えて……。
かつて、“ギアレス・ジョー”が果たした夢。その続きの中で人々は何を見るのか。
キャスト
ジョー/ノマド:細谷佳正/南部贋作:斎藤志郎/サチオ:村瀬迪与/勇利:安元洋貴/マック:宮内敦士/佐久間:小林親弘/白都ゆき子:森 なな子/白都樹生:鈴木達央/アラガキ:田村 真/ボンジリ:落合福嗣(回想:れいみ)/サンタ:観世智顕(回想:種市桃子)/オイチョ:神戸光歩(回想:内藤有海)/チーフ:田中美央/マーラ:ニケライ ファラナーゼ/ミオ:日野佑美/リュウ:福西勝也 他
スタッフ
原案:「あしたのジョー」(原作:高森朝雄、ちばてつや/講談社刊)/監督・コンセプトデザイン:森山 洋/脚本:真辺克彦・小嶋健作/キャラクターデザイン:倉島亜由美/サブキャラクターデザイン:金田尚美/ギアデザイン:形部一平/美術監督:河野次郎/美術監督補:古賀 徹/美術:スタジオ・ユニ/色彩設計:歌川律子/撮影監督:赤尾英美/撮影:T2studio/オフライン編集:今井大介/音響監督:三好慶一郎/音響効果:倉橋裕宗/音響制作:東北新社/音楽:mabanua/アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/製作・著作:メガロボクス2プロジェクト
オープニングテーマ:「The theme of the NOMAD」(作曲:mabanua)
エンディングテーマ:「El Canto del Colibrí」
(作詞:佐々木 誠 作曲:mabanua 歌:mabanua 字幕翻訳:真辺克彦)


▼メガロボクス 公式サイト
https://megalobox.com/
▼メガロボクス 公式Twitter
@joe50_megalobox
▼ガチンコ!メガロボクス道

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