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すべては製作委員会と常盤くんの連携の成果です 大洗町商工会 会長 田山東湖&株式会社Oaraiクリエイティブマネジメント 代表取締役 常盤良彦 [ガールズ&パンツァー 大洗女子学園掲示板]

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『ガールズ&パンツァー』の舞台・大洗で、より作品を身近に感じている方々に、作品と出会ったきっかけやエピソード、作品への思いなどを聞いていく『大洗町めぐり~大洗の今、そしてこれから~』。第35回(最終回)は大洗町商工会 会長 田山東湖さんと株式会社Oaraiクリエイティブマネジメント 代表取締役 常盤良彦さんにお話を伺いました。

すべては製作委員会と常盤くんの連携の成果です

──まず商工会とは、どのような役割を担っているところなのでしょうか?

田山簡単に言ってしまえば、小さな町の商工業をリーディングする組織です。この大洗町はけっこう歴史が古いので、その観光振興をも含めて、商店主を中心に経営指導を進めたり元気作りを促進したりする。そういう組織です。商工会には女性部、青年部、それと定年を迎えたOB勝手連がございまして、それぞれが連携しながら活動しているわけです。

──そもそも『ガルパン』との出会いはどういったものだったのでしょうか?

田山まずそこは、『ガルパン』とこの大洗町が出会うきっかけを作ってくださったバンダイナムコアーツの杉山(潔)プロデューサーの存在があったからです。しかし、最初は『ガールズ&パンツァー』というタイトルを聞いても何のことだかさっぱりわからなかったんです。まあ、今でもよく分からないところはありますけど(笑)。初め杉山さんは町役場を訪れて町長と話をしようと思ったそうですが、たまたま一緒に製作に参加していた方が私の知人の息子さんでしてね。

──バンダイナムコアーツの関根陽一音楽プロデューサーですね。

田山そうです。それでその知人からの説明を受けて「コレコレこういうことだから、ひとつ商工会長も協力してくれよ」と。でも、こういう話は行政に協力依頼するとなかなか前に進みません。そこで私が直接杉山さんや関根さんとお会いすることにしたんです。しかし、やっぱり私では杉山さんのおっしゃっていることがよくわからない。そのとき思い付いたのが、「これは常盤が適任じゃないだろうか」と。彼は私の息子のような存在ですしね。そこで杉山さんたちを伴って彼の店(「とんかつレストラン クックファン」水戸本店)に出向き、「じゃあ常盤くん、あとは任せた」という感じで、彼に話を振ったのが始まりでした。でも、このマッチングが本当に上手くいったんだと思います。常盤くんの若い感性と資質、そして何より作品製作に対する杉山さんの並々ならぬ熱意が功を奏したのでしょう。

──その間、田山さんはまったくタッチされていなかったのですか?

田山いえ、私も水面下では一生懸命『ガルパン』のことを勉強していましたし、それとなく彼らの動きも伝え聞いておりました。でも、まだ準備段階で話が外に漏れてしまっては不味い。ファンのみなさんもクォリティーの高い作品を求められる方が多いと伺っておりましたので、そこは慎重に動いておりました。そして、たしか杉山さんと最初にお会いして1年くらい経った頃でしたかね、いよいよ『ガルパン』が世に出てきたときは、私も非常に感動したのを覚えています。もちろん、最初はこれほどまでにコラボが上手くいくとも思っておりませんでした。すべては杉山さんと常盤くんの大洗町に対する愛の成果だと言えるでしょう。かくいう私も商工会長として、また2人をつなげた"生みの親"として、たいへん誇りに思っております。

──それにしても田山さん、ずいぶんお言葉遣いが丁寧ですね。

常盤だって田山会長は、もともと茨城の県議会議員で、『ガルパン』の企画が動き出した当時は県議会の議長も務められていたんですから。

──そうだったんですか。どうりでお話も理路整然とされているわけですね。では、次に常盤さんのご意見も伺いたいと思います。

常盤僕が大洗町に来たのは、もう22~23年前になるんですけど、そのときに一番よく面倒を見てくださったのが田山会長なんです。ですから僕にとっては"親父"みたいな存在ですね。とにかく大洗町に根を下ろすには会長にアドバイスもらうしかないなと。「大洗まいわい市場」の立ち上げに尽力してくださったの会長ですし。その後も色々なミッションをいただきました。「大洗ならではの土産品を作れ」という会長の指示を受けて、冷凍状態で保存できるイワシのつみれだとかを試作したり。でも、それが東日本大震災で一時的にとん挫してしまった。そんな矢先、いきなり電話で「今度はアニメをやってくれよ」と(笑)。最初は何をおっしゃっているのか、まったく見当が付きませんでした。で、呼び出されたクックファンに行ってみると、そこに杉山さんと関根さんがいらっしゃっていたわけです。でも、当の田山会長はおろしヒレカツ定食を食べ終わると、「じゃあ、あとはよろしく!」という感じで、さっさと帰って行っちゃった。いや、あの時のボッチ感は今でも忘れられません(笑)。

──でも、そこから常盤さんが獅子奮迅の大活躍をされるわけですよね。

常盤いえ、僕だって最初はアニメのことも戦車のこともよくわからなかったんです。それで杉山さんからいただいた資料を読み込んで、自分なりに作品に関する知識を深めていきました。僕もずいぶん悩んだんですけど、このプロジェクトに関しては本当に親しい人にしか相談できませんでした。あまり多くの人に話を広めてしまうと、オフィシャル発表前に情報が拡散してしまいますからね。そこには気を遣いました。でも、田山会長からバトンタッチされて以降は、あまり会長にご負担をかけないよう、杉山さんと連絡を密にとりながら、自分なりに色々とアイデアを出し、企画を進めていきました。まあ、そのあたりは「回覧板」第1回目のときにもお話していますので、ファンのみなさんもご理解くださっていると思いますけど。

第1回はこちら

──田山さんとして、実際に作品をご覧になった感想はいかがでしたか?

田山まあ「戦車道」という設定を含めて、実に奇想天外な内容でしたね。ただ、あそこまでバーチャルリアリティのような形で大洗の町を描いてくださるとは思ってもみませんでした。今さらですけど、もし最初からわかっていれば、私ももう少し積極的にご協力させていただけたんじゃないかと思っています。繰り返すようですが、やっぱりこれは杉山さんと常盤くんのコンビネーションがあってこそ成立したコラボだと思います。おかげさまで大洗町も大いに盛り上がりました。でも、ここで常盤くんがすごいのは「田山さん、別にこれは大洗の町興しのためにやっているんじゃないんです。いわば"みんなの元気作り"なんですよ」と。このとき常盤くんがつぶやいた言葉は今でも私の心に刺さっています。ですから変に気負って「ああしよう、こうしよう」というのではなく、純粋に杉山さんの構想に沿って動いたのが結果的には良かったのでしょうね。いや、そういう意味では大洗にとって実に良い出会いであり、それに尽力してくださったご両名には心より感謝いたしておる次第です。

常盤ありがとうございます。振り返ると、最初にお会いした頃の杉山さんは本当に気さくな方で、何だか兄貴のような親しみを感じていたんです。でも、最近は本性を現してきたのか、やたらと注文が多くて、さすがにちょっとウザくなってきました(笑)。まあ、信頼しあってる証拠だと思うんですけど(笑)

──田山さんから見て、大洗町を訪れるファンの印象というのはいかがですか?

田山私は立場上、商工会主催で色んなイベントをやってきたわけですが、みなさん非常に礼節に長けた方々という印象ですね。それは若い人に限らず、ある程度お歳を召された方も、みなさん同じように整然と行動されています。ここは漁師町ではあるんですけど、各商店主さんを始め、けっこう意識の高い人たちが多いんです。ですから『ガルパン』ファンのみなさんを受け入れるにあたっても、お互いに気持ちよく接し合うことができる。歓迎する側とされる側、双方が心地よく心を通わせています。そういう意味では『ガルパン』と大洗町は非常に相性が良かったとも言えるでしょう。中には大洗町の魅力に惹かれて、そのまま定住されたファンの方もいらっしゃるくらいです。約200人位は移住されてきたんじゃないでしょうか。これは本当にありがたいことだと思っています。そういう人たちのために、もっともっと町に職場を増やさなければならない。そういうことも考えてながらやっています。

──一方の常盤さんから見て、最近のファンに何か変化は感じられましたか?

常盤昔から来てくださっているファンの方々の顔ぶれは基本的に変わりませんし、今でも「常盤さ~ん」って気軽に声を掛けてもらっています。ただ最近少し変わってきたなと思うのは、家族層やカップル、それに女の子だけのグループが目につくようになったことですね。いつでしたか、僕がガルパンギャラリー横の事務所で仕事をしていたとき、小さな女の子が『ガルパン』の歌を熱唱していたりして。あれにはちょっと驚きました。今はこういうご時勢ですので、あまり大掛かりなイベントは開けませんが、そういう新しいファン層にも少しずつ喜んでもらえるような仕掛けを作っていきたい。その結果として、この町にある色んなお店にも興味を持ってもらえたら、なお嬉しいですね。

──そう言えば、クックファンさんも大洗町に支店を出されましたね。

常盤ええ。でもこのコロナ禍で相当な苦戦を強いられています。しかし、うちの社員2人が商品開発に勤しんで、新たに通販可能な冷凍とんかつを売り出したんですよ。僕は再現率7割まで行ければOKのつもりだったのですが8~9割まで行けました。解凍して調理すると、お店で出てくるものとほぼ遜色のないサクサクのとんかつが出来上がります。電子レンジやフライパンなどの調理器具は必要になりますが、そこはレシピも詳細に作り込んであります。意外を通り越して本当に美味しいんですよ。みなさんもよろしければ、ぜひお取り寄せしてみてください。もちろんコロナ禍が明けた暁には、直接お店に来て揚げたてを味わっていただきたいです。宣伝みたいになっちゃってごめんなさい。

──ところで田山さんがお考えになる大洗町の最大の魅力とは何でしょうか?

田山新鮮な食材だとか景観の美しさだとか、挙げれば色々とあると思いますが、やはり一番の魅力は町民の方々の純朴さでしょうね。そういう町民の心根の優しさがあるからこそ、ファンのみなさんも「ああ、まるで故郷に帰ってきたみたいだ」とおっしゃってくださる。でも我々としてはそれに甘えるだけでなく、さらに町の魅力を磨き上げ、よりみなさんに楽しんでいいただきたい。そういう努力は決して怠らないつもりです。

──となると常盤さんも、まだまだお忙しい日々が続きそうですね。

常盤そうですね。田山先生の場合、今は県議会議員をお休みされているので、逆に言うと町の振興のために色々と熟考できる時間ができてしまった。で、僕たちに「今度こういう企画をやってみたらどうだろう?」と。いや、それがなまじ実現可能なプランだったりするものですから、現場の僕たちとしてはやらざるを得ない。しかもそれが、むかし僕が考えていたものと妙にマッチしていたりするものですから、なおさら断れないんです。それが大変と言えば大変ですかね(笑)。

──それでは最後に田山さん、今後の展望や抱負など、あらためて大洗町としてのアピールポイントをお聞かせください。

田山ここは太平洋に面していて空気も美味しいし、風光明媚な観光スポットが数多く点在しています。みなさんも今は自粛自粛の毎日で気が滅入っていると思いますが、コロナ禍が明けた暁には、ぜひまた遊びに来ていただきたい。実際、常盤くんたちにもアフターコロナを見据えた勉強会を立ち上げさせています。落ち着いたらすぐにでも動き出せるよう、計画だけは立てておけと。例えば大洗ゴルフ場の6番ホールにあるバンカーだって、劇中の戦闘シーン(『劇場版』の冒頭)に使われていたでしょう。ゴルフ場のコースですから、いつでも誰でも立ち入れるわけではありませんが、そこは大洗ゴルフ場さんとも協議していって、ファンのみなさんを迎え入れられるような機会を作りたい。そうした未開拓の名所がまだまだたくさんあると思うんです。新作が公開されたら「また大洗に行ってみたいな」と思っていただけるよう、我々も精一杯努めていく所存です。まあ中心はあくまで杉山さんと常盤くんで、私は単なる野次馬ですけど(笑)。

PROFILE

田山東湖(たやま・とうこ)
1944年1月31日、東京都生まれ。太平洋戦争当時、父の実家である大洗町に疎開し、以来同地に生活の根を下ろす。その後は茨城県の県議会議員を7期務め、その間に同県議会議長や自民党茨城県連の幹事長などの重責を担った。やがて大洗の地域振興に注力すべく議員活動を休止。現在は議員時代と併行して務めていた大洗町商工会の会長として陣頭指揮を執りつつ、後進の育成にも努める。

PROFILE

常盤良彦(ときわよしひこ)
1970年5月生まれ、神奈川県出身。株式会社Oaraiクリエイティブマネジメント代表取締役として、大洗シーサイドステーション(旧・大洗リゾートアウトレット)内で「大洗まいわい市場・大洗ガルパンギャラリー」を運営する他、ガールズ&パンツァー制作時は作品に登場する場所などに許可取得、交渉などをしてきた人物。『ガールズ&パンツァー』関連イベントをはじめ、大洗で開催されるさまざまなイベントに精力的に関わっている。また水戸市内と大洗で、とんかつレストランクックファンを経営している。

『ガールズ&パンツァー 最終章』第3話 2021年3月26日(金)劇場上映!


▼TVシリーズ&OVA&「劇場版」公式サイト
http://girls-und-panzer.jp
▼「最終章」公式サイト
http://girls-und-panzer-finale.jp/
▼ガールズ&パンツァー 公式Twitter
@garupan

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