インタビューココだけ | 『転生したらスライムだった件 第2期』『転生したらスライムだった件 転スラ日記』

大人気シリーズ『転生したらスライムだった件』 伊藤正和(マイクロマガジン)×梅津理一郎(講談社)×杉本紳朗(バンダイナムコアーツ)スペシャル鼎談全文掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』第1部が本日(3/30)最終話を迎え、4月からは「転スラ日記」の放送が始まるこのタイミングで、伊藤正和(マイクロマガジン)×梅津理一郎(講談社)×杉本紳朗(バンダイナムコアーツ)3人によるスペシャル鼎談を実施!小説、コミックス、アニメ、それぞれの観点から、 第1部を振り返っての感想や、それぞれの『転スラ』との出会いなどを伺った。

────TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』の第1部が3月で終了となりますが、ここまでを振り返っての感想を教えてください。

伊藤第2期をトータルで見ると、第1部はまだ序章ですね。

杉本そうですね。第1期は伏瀬先生と川上泰樹先生、そして伊藤さんと梅津さんともお話させていただいて「シズ編」にしました。その途中で第2期が決まり、本当は第1期でやりたかったけど泣く泣くカットせざるを得なかった部分を第2期の序盤で進めているので、特に第25話から第29話は序章だったと思います。

梅津コミックスの担当編集としては、アニメは丁寧に作ってもらっているのでとてもありがたいですね。多くのエピソードを回収しながら作ってくれていると感じています。時系列を入れ替えた影響で第1期のくり返しになってしまったところもありますが、そこをフォローしないと第2期はスムーズに進んでいかなくなってしまうんです。

伊藤小説はリムルの一人称が中心なので、地の文でかなりの説明をしてしまいますが、コミックスやアニメはその情報をモノローグとしてただ流すわけにはいかないですからね。情報を取捨選択しながらビジュアルで表現しなければいけない。そのバランスをどのように取るのか難しいと思いますが、コミックスもアニメもうまくやっていただいていると思います。

杉本第2期の内容を、伊藤さんが小説で担当していたのはかなり前ですよね?

伊藤第2期は第4巻から第6巻の内容ですから2015年ですね。実は第4巻と第5巻は2ヶ月連続の刊行だったんです。第4巻はリムルがヒナタに倒されて終わり、第5巻から逆転劇が始まる。伏瀬先生にその間を空けたくないと言われ、こちらも異論はなかったので、やる気に満ちて執筆していただけました。結果的に、とてもうまくいきましたね。

杉本リムルがいなくなってしまったストレスを読者の方に与えたくないと、伏瀬先生が思っていたからこその連続刊行ですね。

梅津同じ部分で、コミックスでもご都合主義と思われないように意識しています。キャラクターが死んだ場合でも生き返る可能性があるという情報まで見せておく。どのように生き返ったかは次の展開を見てください、という形にしたかったんです。死んだと思っていた者が生き返ると、死というものが軽くなってしまいます。そこをご都合主義にならないように気を付けながらも、読者にストレスをかけすぎないようすぐにそのフォローをする流れを見せたかったんです。

杉本それを受けてアニメの脚本も少し構成を変えた部分があります。アニメの制作スケジュール上、シナリオを作る段階では、まだ素材は小説だけのことが多いんです。そのため小説からいい場面を採用して、コンテを作る段階でマンガのいいシーンを使うなど、三位一体でやっています。

伊藤そういう意味では川上先生は情報のまとめ方がとてもうまいので、かなりアニメの参考になるんじゃないかなと思います。

杉本川上先生はお一人で構成など考えられているんですよね?

梅津一応僕も考えていますよ?(笑)

杉本これは失礼しました!

(一同爆笑)

梅津と言っても僕は、「ここを入れたい」とか「ここをこうしたい」とか断片的なことをお伝えしているだけです。最近の川上先生は、ストーリーはもちろん、構図にもこだわっているのでその辺も注目して読んでいただけるとうれしいです。

────4月から始まるTVアニメ『転生したらスライムだった件 転スラ日記』について教えてください。

梅津制作中の映像を拝見すると、きちんと『転スラ日記』になっていますね。『転スラ日記』を好きな人はもしかしたら不安に思っているかもしれませんが、間違いなく『転スラ日記』なので大丈夫です。

伊藤『転スラ』本編とのギャップがとてもいいですよね。

杉本僕もお二人と同じ意見です(笑)。コミックス『転スラ日記』の裏話はありますか?

梅津「月刊少年シリウス」で別の作品を描いていた柴先生が『転スラ日記』を描くことになったんですが、まず最初に「設定をまとめたので見てください」と時系列を集約したレポートのようなものを持ってきたんです。それを伏瀬先生が見て「僕よりも詳しい」と驚いてました(笑)。

伊藤その設定レポート、こちらにももらえないですか?(笑)

梅津伏瀬先生はキャラクター性のズレや崩壊をとても嫌がるんですが、柴先生が描くものについては「読み込んだ上でふくらませただけだからセーフ」と、問題なくやっていただいています。『転スラ』を好きな人にとって、とてもいいスピンオフになっていると思いますよ。

杉本伏瀬先生はそれを他の作品に逆輸入していますよね?

伊藤スピンオフの『魔物の国の歩き方』も伏瀬先生がベースのプロットなどを考えているんですが、そこに組み込んだりしていますね(笑)。

梅津もしかしたら言い過ぎかもしれませんが、コミカライズやアニメが始まったことで伏瀬先生もキャラクターの描き方などに影響は受けているかもしれませんね。コミックスのリムルが善人なので、小説も少し善人になっていたり。第1巻や第2巻では辛辣なセリフが……。

伊藤シズさんに対して「婆さん、ボケたか!?」とか言っていますからね。あれは伏瀬先生も直したいと思っているんじゃないですか。僕も直したいです(笑)。

杉本小説が完結したら第1巻からまた書き直しましょう(笑)。

梅津ちなみに『魔国暮らしのトリニティ』は本編のサイドストーリーですから、間違いがあると大変なので伏瀬先生としっかりと打ち合わせをしていますよ。

────小説、コミックス、アニメ。それぞれから見た別の『転スラ』のイメージを教えてください。

伊藤コミックスに関してはかなり長いお付き合いなので、僕はもう毎月楽しみにしているだけ。「早く続きが読みたい!」という気持ちで待っています。それはおそらく伏瀬先生も同じですね。

梅津解釈の違いのようなものがあったのは最初の頃だけで、伏瀬先生からのネーム時の指摘は今は「ここのセリフの語尾を変えてください」程度ですね。

伊藤ネームが送られてきたときに伏瀬先生と話す内容は、「面白かったですね。この絵はどうなるんですかね。かわいくなりますかね?」とか(笑)。

杉本ファンの会話ですか(笑)。

伊藤アニメについては第2期はシリアスになっていきますが、第1期は特にコミカルな部分をうまく出していただけたので、毎週興味深く観ていました。そしてマンガと同じく伏瀬先生とは、「ここがよかったね」などと感想を言っているだけです(笑)。それぞれ一読者、一視聴者として楽しんでいますよ。

梅津コミックスに関して言うと、原作のファンは先に小説を読んでいるので、そのとき頭に思い描いた絵を超えられるのかと、時々川上先生と話すんです。例えば「20万のオークの軍勢」なんて絵でどうやって表現するんだと(笑)。それはともかく、コミックスはすでに小説を読んでいる人の心に、よりいいものを提供することを課題としています。そして『転スラ』に関わるものとして、最初に手に取ってもらうのがコミックスという役割も担っていると感じています。裾野を広げるという意味では一役買っているのではないでしょうか。

杉本大人数で制作しているアニメと、作家さんと担当さんの二人三脚で作る小説やコミックスはかなり違いますね。小説に関しては楽しく読ませていただいています。コミックスの内容はアニメとほぼ同時進行で進んでいるので、「なるほどこういう表現もあるのか」と、タイミングが合えばいいところをアニメにも取り入れています。

梅津コミックス側もアニメにそれを感じることはありますね。

────みなさんの『転スラ』との出会いを教えてください。

伊藤僕は「小説家になろう」というWebサイトですね。当時は「なろう」からの書籍化が市場で支持を集めていた時期だったので、マイクロマガジン社もレーベルを立ち上げたいと考えて作品を探していたんです。数多くの作品から『転スラ』を書籍化したいと思ったきっかけはオークロード戦で、リムルがゲルドの罪をも背負って生きていくと語る場面がとても感動的で、これはどうしても書籍化したいと思い声をかけたんです。

梅津自分の中では当初、「なろう」小説のコミカライズに懐疑的でした。当時はまだ、原作の部数を超えるようなコミカライズ作品はほとんどなかったんです。マンガ業界としては「なろう」はまだ未知なものだったので、最初は「大丈夫なのかな?」と感じましたが、読んでみたら面白かったのでいけると確信しました。そして川上先生は自分が描きたくないものは描かない人なんですが、『転スラ』は描きたいと言ってくれたんです。最初にキャラクターデザインなどが挙がってくるはずなのに全然送られてこないのでどうしたのかと思ったら、「面白かったので『小説家になろう』で最後まで読んでいました」と(笑)。

杉本アニメの企画が始まったのは2016年くらいで、講談社さんの作品リストの中に『転スラ』があったんです。当時は勉強不足で作品を知らなかったんですが、読んでみたらとても面白くてすぐにアニメ化の企画書を作り始めました。最初はコミックスを読み、小説を読み、「なろう」も読みました。川上先生と同じく一瞬も止まらず一気に読んでしまいましたね。今は、伊藤さんが走らせた車に、梅津さんがパーツをつけて速くしたので、僕はそこに飛び乗って振り落とされないようにしているところです(笑)。

梅津今後も『転スラ』は色々な展開が予定されていますが、伏瀬先生はそこに自分も関わりたいと積極的に参加してくれています。小説、コミックス、アニメ、すべてのファンが納得できるしっかりした展開が待っているので安心してください。

杉本伏瀬先生はゲームも好きですよね。

梅津伏瀬先生がゲームのシナリオを書き下ろしてみたいと言うのでゲームメーカーに問い合わせてみたら、当然乗り気になってしまった。決まったあとに伏瀬先生は「そのうち書く」と言っていたんですが、ほかの書かなければいけないものより先にそのシナリオが挙がってきたんです(笑)。

伊藤突然「読んでください」と何の説明もなくシナリオが送られてきてビックリしましたよ。新作ゲームのシナリオということすら分からず、読み終わったあとまず感想じゃなくて「これは何ですか?」と(笑)。

梅津そんな経緯で新作ゲームには一部伏瀬先生の書き下ろしも実装予定ですので、楽しみにしていてください。その他にもフィギュア化はとても喜んでくれますし、監修も入念ですね。

伊藤『転スラ』はグッズが多いですよね。スライムは特に人気がありますし。みっつばーさんがキャラクターデザインで最も悩んだのが、スライムのリムルなんですよね。ドロドロの状態のスライムとあの有名な形のスライムが偉大すぎるので、そのどちらとも違うものを生み出さないといけないし、愛嬌がないといけない。そこからこのデザインを提出するには、とてつもない勇気が必要だったのではないでしょうか。

杉本そうですよね、すごいですよ!

梅津このシンプルなものを「リムルです」と出せたみっつばーさんはすごい!

伊藤本当にすごい功績だと思います。しかも面白いことに、このデザインでも描く作家さんによって表情などが結構違うんですよね。「ズルズル」引きずって動くか、「ポヨンポヨン」跳ねるか、とかも人によって違ったり(笑)。

杉本アニメも『転スラ』本編と『転スラ日記』でスライムの動きが微妙に違うので、ぜひ注目してください。描き手さんの個性が出たりします。『転スラ』本編のエンディングでは「ズルズル」でも「ポヨンポヨン」でもない、「回って走る」タイプのスライムが登場しましたし(笑)。

────最後に、これからの『転スラ』を楽しみにしている読者のみなさんにメッセージをお願いします。

伊藤伏瀬先生が小説はあと3冊で終わると言っていたと思いますが、それでは足りないんじゃないでしょうか。3月31日に出る新刊の後書きを、ぜひチェックしていただければと思います(笑)。

梅津コミックスはアニメのネタバレになってしまうのであまり多くは語れませんが、マンガもアニメも今後を楽しみにしてください。7月の新刊もお楽しみに。

杉本『転スラ日記』を見て、本編で緊張してしまった心を一度ほのぼのとしていただけるといいですね。そして7月からはまたシリアスな展開が始まりますが、あと6ヶ月、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

<TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』放送情報>

TVアニメ「転生したらスライムだった件 第2期」
第2部 7月より放送開始!

【あらすじ】
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは元人間故の「人間への好意」……しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。「何を失いたくないのか」を――ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!

【STAFF】
原作:川上泰樹・伏瀬・みっつばー「転生したらスライムだった件」(講談社『月刊少年シリウス』連載)/監督:中山敦史/シリーズ構成:筆安一幸/キャラクターデザイン:江畑諒真/モンスターデザイン:岸田隆宏/美術監督:佐藤 歩/美術設定:藤瀬智康・佐藤正浩/色彩設計:斉藤麻記/撮影監督:佐藤 洋/グラフィックデザイナー:生原雄次/編集:神宮司由美/音響監督:明田川 仁/音楽:Elements Garden/アニメーション制作:エイトビット

【CAST】
リムル:岡咲美保/大賢者:豊口めぐみ/ベニマル:古川 慎/シュナ:千本木彩花/シオン:M・A・O/ソウエイ:江口拓也/ハクロウ:大塚芳忠/ランガ:小林親弘/ゴブタ:泊 明日菜/リグルド:山本兼平/ガビル:福島 潤/ゲルド:山口太郎/ミリム:日高里菜/ヨウム:細谷佳正/アルビス:加隈亜衣/スフィア:大地 葉/グルーシス:日野 聡/クレイマン:子安武人/ミュウラン:種﨑敦美/ヒナタ:沼倉愛美

<TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』発売情報>

Blu-ray 第1巻(特装限定版)
2021年3月26日発売
税込価格:¥19,800
品番:BCXA-1609

DVD 第1巻
2021年3月26日発売
税込価格:¥5,940
品番:BCBA-5037

<TVアニメ『転生したらスライムだった件 転スラ日記』放送情報>

TVアニメ「転生したらスライムだった件 転スラ日記」
4月より放送開始!

【あらすじ】
累計50万部突破の大人気スピンオフ4コマコミック『転スラ日記』が転スラスピンオフシリーズ、初のTVアニメ化! 「貴重な紙を手に入れたので、俺のこれまでを日記形式で綴ることにした。
書き出しはそうだな…『転生したらスライムだった』。そこから俺の冒険が――冒険…が?」
お茶目でユーモラスなリムルとテンペストの仲間たちの日常をふんだんに描く、“スライムライフ系”転生エンターテインメント!

【STAFF】
原作:柴、伏瀬、みっつばー『転スラ日記 転生したらスライムだった件』(講談社「月刊少年シリウス」連載)/監督:生原雄次/アニメーションディレクター:井之川慎太郎、登坂 晋/シリーズ構成:コタツミカン/キャラクターデザイン:髙井里沙、入江 篤/美術監督:佐藤 歩/色彩設計:斉藤麻記/撮影監督:佐藤 洋/CGIディレクター:生原雄次、相澤楓馬/編集:神宮司由美/音響監督:明田川 仁/音楽:R・O・N/アニメーション制作:エイトビット

【CAST】
リムル:岡咲美保/ベニマル:古川 慎/シュナ:千本木彩花/シオン:M・A・O/ソウエイ:江口拓也/ハクロウ:大塚芳忠/クロベエ:柳田淳一/リグルド:山本兼平/ゴブタ:泊 明日菜/ランガ:小林親弘/ゲルド:山口太郎/ガビル:福島 潤/ソーカ:大久保瑠美/トレイニー:田中理恵/ミリム:日高里菜


▼『転生したらスライムだった件』 公式サイト
https://www.ten-sura.com/anime/tensura

▼『転生したらスライムだった件 転スラ日記』 公式サイト
https://www.ten-sura.com/anime/tensura-nikki

▼『転生したらスライムだった件』 A-on STORE特集ページ
https://a-onstore.jp/shop/ten-sura/

続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

© BANDAI NAMCO Arts Inc. All Rights Reserved.