インタビューココだけ | プリンセス・プリンシパル Crown Handler

『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第1章公開記念 アンジェ役・古賀葵×プリンセス役・関根明良 インタビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年2月11日(木)より公開される『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第1章。公開日直前にアンジェ役の古賀葵さんとプリンセス役の関根明良さんのインタビューをお届け。TVシリーズの魅力から本作の見どころまで、『プリプリ』愛を熱く語って頂きました。

──TVシリーズは2017年7月放送開始なので3年半以上前になりますが、改めて全12話を振り返って、どのような点が本作の魅力だと思いますか?

古賀TVシリーズは一視聴者として楽しんでいました。ほかの作品と異なる雰囲気で、登場人物それぞれの過去やストーリーがしっかりと描かれているところがとても魅力的に感じました。なのに、なかなか幸せになってくれない(笑)。あとちょっとだったのに!という感じが凄くもどかしくて切なくなりました。激動の時代の中で、スパイとして若い女の子たちが国を動かす重大な事件に巻き込まれていくという、現代ではとても想像できない設定も面白かったです。色々な意味で考えさせられる物語だなと思って観ていました。

関根魅力は全部と言いたいくらいですが(笑)。真っ直ぐで一途な女の子たちが嘘をつく。その嘘が自分たちにどのような形で返って来るのかわからない。そんな中でも生きていく彼女たちの物語が大好きです。TVシリーズは、放送順と物語の時系列がバラバラで、物語の鍵がどこに落ちているのか1回観ただけではわからない作りになっていました。放送順に観てわかる鍵と時系列順に観てわかる鍵が違っていて、繰り返し何回も観ていくことで鍵を見つけていけるのが、TVシリーズの魅力だったのかなと思います。

──アンジェとプリンセスは表裏一体の関係ですが、お二人の間で役についてのお話はアフレコ時にはされましたか?

古賀まず一回アンジェを演じてみてから(関根さんと)話がしてみたいなと思っていました。

関根ただ、台本にアンジェが演じているプリンセス(Aプリ)と書かれていた役をどちらがやるのかについては、収録前に二人で相談してからスタッフさんに聞きに行きました。(※物語上、アンジェはプリンセスを完璧に演じられるが、プリンセスはまだアンジェになりきれないでいるため)収録前も(古賀さんは)台本を持って緊張しながらもとても集中されていたので、真面目な方なんだなと思いました。参考になったらと、TVシリーズの台本を持っていったのも覚えています。すでにテストの時点から“アンジェ”だったので、凄いなと驚きました。

──初めて演じるアンジェについてスタッフの方から何かディレクションはありましたか?

古賀皆さんはTVシリーズの12話で既にこの作品の世界を作ってこられたので、そこに私一人で飛び込むのは内心不安な気持ちがありました。でも、その不安な部分を見せてしまうのは、悔しいなという想いもありました。役を任せていただいた以上TVシリーズのアンジェをしっかり受け継ぎたいし、そこから続編である劇場版で、どういう変化が見られるのかをしっかり出すのが私の役目だと思ったんです。休憩の時、スタッフさんに「私、アンジェになれていますか?」と聞きに行ったら、「大丈夫ですよ。アンジェですよ」と凄く優しく答えていただいたのは心強かったです。キャストの皆さんも優しく支えてくださったので、安心してお芝居に集中できました。

──YouTubeで公開されているラジオ番組『プリプリ♡秘密レポート すーぱー』では、非常に楽しそうにトークされていますね。率直な感想をお聞かせください。

関根凄いカロリーを消費します(笑)。ずっと笑っているので終わった後は腹筋が痛いです。普通のアニメの収録より喉を消耗しますね(笑)。

古賀噂にはかねがね聞いていたので、意を決して収録に向かったんですが、とても楽しかったですね。無理して頑張るのではなくて、自然にそのテンションになれてしまったことがちょっと怖くもあります(笑)。『プリプリ』ファンの方たちも安心して楽しめるラジオになっていると思うので、参加できて良かったです。

関根前回の『プリプリ♡秘密レポート』の時はゲスト出演1回だけだったので、一ファンとして楽しんでいました。今回はパーソナリティでの参加ということで、一体何を無茶ぶりされるんだろうかとドキドキしていましたね。

古賀なかなかないですよね。ラジオですごろくをやったり、あんな無茶ぶりやそんな無茶ぶりがあったり(笑)。毎回ドキドキはしますけど、ただただ自然に笑って楽しめる番組ですね。

──スパイは表面上の会話とは違うところで繰り広げられる駆け引きが重要です。スパイものは人気ジャンルの一つですが、役(=スパイ)を演じる上で何か参考にされたもの(もしくは気を付けていたこと)はありますか?

古賀参考になったのは、まさにTVシリーズ『プリンセス・プリンシパル』のアンジェですね。演じることが決まった時もTVシリーズを見直しました。私の中ではスパイ=アンジェ、アンジェ=スパイです(笑)。スパイは人間の心、情を持っていたら絶対にできない仕事だから、スパイを選んだ彼女たちはそれを押し殺して、日々仕事をこなしているんだなと。等身大の少女の心を持ちながら、それを押し殺して仕事をする彼女の気持ちを想うと、胸が苦しくなります。

関根プリンセス役に受かったあとに、『ノワール』(2001年放送のTVアニメ)を全部一気に観直しました。小さい頃はスパイって格好良いと思っていたことや、色気のある強い女性、ガンアクション、ステンドグラスぶち破りがちとか、色んなことを思い出してました(笑)。改めてスパイって格好良いなと思ってから、第1話の収録に臨んだことをよく覚えています。ただ、プリンセスとしては王族らしいロイヤル感を保ちつつアンジェという柱を自分の中で崩さないようにすれば、実際にスパイ活動をした時にもブレないだろうから、そこは崩さないように気を付けていました。

──第1章もTVシリーズと変わらず、物語は重厚なトーンで貫かれています。第1章の台本を読まれてどのような感想をお持ちになりましたか?

古賀「いよいよか!」とまず思いました。今まで観ていた側だったので、お話の続きを知れるのは凄く嬉しかったです。感情を押し殺さずもう少し仲間に気を許してもいいのかなというアンジェの心の成長が見られたので、最初に読んだ時は「よかったね!」と嬉しい気持ちになりました。

関根TVシリーズの第12話で大変なことが起こったあとのお話であることを改めて実感して、またあのワクワクがこれから始まるんだなと。読んでいて、次がとても気になりました。

──本作は美術や衣装だけでなく、乗り物や街並みなども作品の魅力の一つです。第1章の中でお二人が気になったものは何かありますか?

古賀2階建てのバスは個人的に凄く乗ってみたいなと思っていたので、出てきて嬉しかったです。レトロな雰囲気の車が好きなので、細かく描き込まれた作画を隅々まで味わいました(笑)。

関根相変わらず街全体が煙っている、霧がかかっているなぁと感じました。電気があまり供給されていない時代なので、夜になった時の煙の輝き方が、切ないシーンだとその不安定さがより情緒を誘いますね。ガス灯が本当に素敵でした。

──梶浦由記さんが担当されている音楽もTVシリーズと変わらず非常にクールでした。音楽についてはどのような感想をお持ちですか?

古賀TVシリーズの時から音楽がとてもオシャレで格好良くて、素敵だなと思っていました。続編ではそれがさらにシーンにバチっとハマった音楽になっていたので、観ていて凄く気持ちが良いですよね。これぞ『プリンセス・プリンシパル』という感じで、一ファンとして嬉しい気持ちになりました。どういう想いで曲を作られたのか、(梶浦さんに)聞いてみたいという気持ちに駆られました。

関根私はずっと梶浦さんのファンだったので、TVシリーズの時から一人で盛り上がっていました(笑)。収録の時にどういう音楽が後ろに流れるのかを想像しながら演じていたんですが、そのさらに上を行く格好良さ。毎回天井知らずの格好良さ(笑)。緊張感が増すシーンのピンと張り詰めた空気を保ちながら後ろに流れる重厚な音楽は、ただただ凄いなとしか言えないですね。

──5人のキャラクターが歌うEDテーマ「Nowhere Land」のレコーディングの際のエピソードがあれば教えてください。

古賀ファンの皆さんはもうおわかりだと思いますが、全編英語詞です。TVシリーズの時に皆さんが見事に歌われていましたが、全編英語歌唱が初めての私は上手くできないんじゃないかと思っていました。それで、いざ楽譜を渡されて見た瞬間に、キャストの皆さんを恐ろしく感じました。もう驚愕し過ぎて、フワァーッとどこかに意識が飛ぶんじゃないかと思うくらいの衝撃で(笑)。この難しい歌を自分のものにして歌われていたのは本当に凄いなと。私が収録したのは4番目だったので、既に収録済みの音源を聴かせていただいたんですが、いっぱい練習して収録に向かったはずなのに、これは大変な作業になるぞと思いましたね。ただでさえ、キャラになって歌う作業は気を使うのに、その上英語詞となるとさらに難しく、皆さんの完成度に頑張って近付いていけるよう、必死でした。「黒トカゲ星から来たの」とマイク前で呟いて、“アンジェ”になってから収録に臨みました(笑)。(関根さんの歌唱は)とってもロイヤルでした。

関根えっ、知らなかった! (試聴は)3人合わせてではなくて?

古賀1人ずつのver.で聴かせていただきました(笑)。キャラクターの特徴がよく出ていて、本当に感動しました。

関根ありがとうございます(笑)。学生の頃は先生に泣かれるくらい英語が苦手だったので、毎回苦労していたんですが、今回は特にパートが多くて。3パートに加えて、全てにハモりが付いて、さらにそれを重ねて録っているので私が10人くらいいました(笑)。私は2番目だったので、最初に録った大地(葉)さんの音源を参考にしながら歌いました。大地さんが軸を作る一番大変なところをやってくださっていたので、「私たちは付いて行きます、姉さん」という感じでした(笑)。皆の音源が合わさった時の“チーム白鳩”のハーモニーが可愛かったです。それと、歌詞がとても良かったです。歌詞を勝手に一人で考察してから収録に臨み、収録当日にディレクターとして立ち会っていただいた作詞家の方に「ここってあのシーンのことですよね?」と答え合わせをしながら楽しく収録させていただきました。スタッフの皆さんも『プリプリ』愛に溢れているので凄く楽しかったです。

──お二人が考える第1章の見どころを教えてください。

古賀大事なポイントが色々なシーンに散りばめられていますので、最初から最後まで目をしっかりと見開いて観ていただきたいですね。“チーム白鳩”のそれぞれの心の変化にも注目していただきたいですし、第1章はアンジェにとって大事な人が出てくるので、その人との会話のやり取りをしっかり聞いてほしいです。個人的に、きっとこの先のどこかに繋がるヒントが隠されているんじゃないかなと思っているので、是非、考察しながら観ていただきたいですね。

関根TVシリーズと変わらずオシャレな探り合い、いわゆる“オシャぐり合い”が沢山散りばめられています(笑)。それが“チーム白鳩”の中だけではなく、色々なところで行われているので、その会話の中に鍵となるものが一体幾つあるのか現時点では私たちにもわからないんです。そこから考察を進めていくと、またTVシリーズに戻りたくなる。このループが『プリプリ』ならではの楽しみ方なんじゃないかなと思っています。

──それでは最後に、延期を経て2021年2月11日(木)に公開する本作への想い、また楽しみに待ってくれているファンに向けてメッセージをお願いします。

関根色々な壁を次々と乗り越えて公開まで辿り着けたのは、TVシリーズの頃からずっと応援してくださっているファンの皆さんの愛あってのことだと思います。ただ、時期も時期ですので、ソーシャルディスタンス、マスク、消毒、手洗いうがいと、しっかりと対策をした上で『プリプリ』ならではの鍵を見つける楽しみを味わっていただくために、何度も劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。スタッフの皆さんも私たちキャストも、『プリプリ』を愛している気持ちを沢山込めて今回の続編が完成したので、楽しんでいただければと思います。

古賀ファンの皆様、大変長らくお待たせいたしました。TVシリーズ放送から続編公開までに色々な変化がありまして、最初は不安な部分もあったんですが、スタッフとファンの皆さんがずっと前向きにいてくださったお陰で、早く皆さんに観てほしいという気持ちがどんどん募っていきました。今まで沢山時間があった分、TVシリーズを見返して期待値を高めてくださっていると思いますが、きっとその期待を超えるくらい素敵な第1章になっていると思います。ここから続く全6章を楽しむために、鍵を沢山見つけて、考察に考察を重ねてください。愛のある感想を後々聞けたらいいなと思っておりますので、楽しみに待っていてください。

PROFILE

古賀葵(こが・あおい)
8月24日生まれ。佐賀県出身。主な出演作は『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』四宮かぐや役、『天使の3P!』金城そら役、『つうかあ』宮田ゆり役、『魔法少女?なりあ☆がーるず』はなび役など。本作ではアンジェの声を担当している。

PROFILE

関根明良(せきね・あきら)
12月16日生まれ。東京都出身。主な出演作は『アイカツオンパレード!』藤原みやび役、『旗揚!けものみち』シグレ役、『魔法少女特殊戦あすか』夢源くるみ役、『ケムリクサ』りょく役など。本作ではプリンセスの声を担当している。

<上映情報>

『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第1章
2021年2月11日(木)より全国ロードショー!

【あらすじ】
19世紀末ロンドン。共和国のスパイ集団であるチーム白鳩に新たな任務が課せられた。それはとある古本屋店主の共和国への受け渡し。王国により拘置所に拘束されていた古本屋店主をアンジェとドロシー、ちせの連携で奪還に成功する。一方その頃、王国では女王暗殺未遂事件を契機に“スパイ狩り”が激しさを増し、共和国側のコントロールでは緊張が張り詰めていた。コントロールは、王国王室に派遣しているスパイが“二重スパイ”である可能性があると推測。真相を探るため、チーム白鳩に王室内に送り込んでいるスパイ、コードネーム“ビショップ”との接触を命じる。果たして、新たな任務の行方は。そして“ビショップ”とは何者なのか───

【STAFF】
監督:橘正紀/シリーズ構成・脚本:木村暢/キャラクター原案:黒星紅白/キャラクターデザイン:秋谷有紀恵、西尾公伯/総作画監督:西尾公伯/コンセプトアート:六七質/メカニカルデザイン:片貝文洋/リサーチャー:白土晴一/設定協力:速水螺旋人/プロップデザイン:あきづきりょう/音楽:梶浦由記/音響監督:岩浪美和/美術監督:杉浦美穂/美術設定:大原盛仁、谷内優穂、谷口ごー、実原登/色彩設計:津守裕子/HOA(Head of 3D Animation):トライスラッシュ/グラフィックアート:荒木宏文/撮影監督:若林優/編集:定松剛/アニメーション制作:アクタス/OPテーマ:「LIES & TIES」Void_Chords feat. Yui Mugino/EDテーマ:「Nowhere Land」アンジェ(CV.古賀 葵)、プリンセス(CV.関根明良)、ドロシー(CV.大地 葉)、ベアトリス(CV.影山 灯)、ちせ(CV.古木のぞみ)/配給:ショウゲート

【CAST】
アンジェ:古賀葵/プリンセス:関根明良/ドロシー:大地葉/ベアトリス:影山灯/ちせ:古木のぞみ/L:菅生隆之/7:沢城みゆき/ドリーショップ:本田裕之/大佐:山崎たくみ/ノルマンディー公:土師孝也/ガゼル:飯田友子/ビショップ:飛田展男


『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』 公式サイト
https://pripri-anime.jp/

『プリンセス・プリンシパル』 公式Twitter
@pripri_anime / ハッシュタグ#pripri

続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

インタビュー

© Bandai Namco Filmworks Inc. All Rights Reserved.