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モン娘生態図鑑【第2回 マーメイド編】折口良乃先生×谷P解説対談[モンスター娘のお医者さん V-STORAGE出張診療所]

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『モンスター娘のお医者さん』に登場する「モンスター娘」を徹底解説!  折口良乃先生(原作者)と「モンスター娘」を愛し過ぎている(?)谷プロデューサー(本作アニメプロデューサー/東京農業大学 畜産学科出身)の対談形式でお届けします。第2回はルララの種族“マーメイド編” です。設定の裏話や想いを是非ご覧ください。 ※一部ネタバレを含む場合がございますので、あらかじめご了承ください。

折口良乃先生×谷プロデューサー解説対談

──本作のマーメイドという種族について、設定のポイントはどこにありますか?

『モン医者』のマーメイドは、魚類がベースになっていて、水中ではエラ呼吸をしていて、と細かく設定されているのがポイントだと感じました。魚類としての設定に筋が通っているのが面白いです。象徴的なのは尾ヒレでしょうか。魚類と、イルカのようなほ乳類だと、尾ヒレの向きが縦か横かという違いがでます。魚類なら縦、垂直になっていて、体を左右に振って泳ぐ。イルカなら横向きになっていて、体を上下に振って泳ぐ、というように。他の作品で描かれるマーメイドって、魚の鱗はついていて、でも尾ヒレはイルカのように横向きになっていて、魚類なのかほ乳類なのか分からない構成になっていることが多いというか。ファンタジーの生き物なので、それはそれで問題ないのですが、やはりエラの存在や尾ヒレの向きなどについてもしっかり言及・描写していることが珍しくて新鮮でした。

折口まず進化の流れを考えた時に、魚がそのまま進化してマーメイドになったのか、陸に上がった人間が海に帰ってマーメイドになったのか、それによって違いが出ると思いまして。尾ヒレを縦向きにしたのは原作イラストを担当してくださっているZトン先生なのですが、それも踏まえてこの作品のマーメイドは魚から進化した設定でエラ呼吸も残っている種族に決めました。一度陸に上がってしまうとエラが退化してしまうので、その場合おそらくイルカやジュゴンのように肺呼吸のみになってしまうという考えもあったので、それなら魚からの進化の方が自然かなと。

(ルララは)胸の下、あばらのあたりにエラが付いていますよね。もっと別のところにエラがあったり、形が違ったりするマーメイドも他作品にいるにはいるのですが、水中でエラ呼吸をすると考えたら肺の近くにあるルララのデザインが理に適っているなと思います。

──お2人は本作の「マーメイド」という種族の魅力はどこにあると思いますか?

そうですね……やはりエラは人気のあるポイントですよね。ずいぶん、こう、モン娘好きの性癖をあおるというか(笑)。アニメではエラや内鰓(※1 ないさい。エラの内部)の描き方にもフェチズムを感じてほしいです。

折口私は(あばらのあたりに)エラがあるのがフェチズムというか、性癖なのですが……これを熱く語っても誰にも理解されなくて悲しい思いをしています……。あばらフェチの人っているじゃないですか。あばら骨が浮き出て見えているのが好き、というのと同じ理屈だとは思うのですが、あの部分に(エラの穴の)線が入っているのが好きですね。

あとは非常に細かいところで言うと、水中のシーンで見られる瞬膜(※2 眼球を保護する半透明の膜。魚類以外にも爬虫類や鳥類などが持つ)でしょうか? 折口先生の熱望もあって、アニメでもルララが水中に潜るシーンで描写しています(笑)。

折口細かいこだわりまでありがとうございます!(笑)。それと個人的にもう一つ注目してほしい部分に、マーメイドは水中の生き物だから価値観が人間と若干異なる、ということがわかるやり取りやシチュエーションを盛り込んでいます。そういったシーンが藤井ゆきよさんの演技によって、より魅力的になっていることも楽しんでほしいですね。

──マーメイドの育児、子育ては陸上で行うのでしょうか? 水中でしょうか?

魚類がベースの水棲魔族ですし、やはり水中ですか? ルララの家も水中にありましたよね(※原作4巻 症例6参照)

折口魚から進化した種族なので、基本的にすべて水中で行いますね。成長すると肺呼吸が出来るようになって、陸上でも活動が出来るようになります。生まれたてのマーメイドは小さくてふわふわしていて、だんだん成長して人魚になっていきます。……10年くらい前に大流行したあの人気アニメ映画の魚の子供、みたいなイメージです(笑)。

ルララ(マーメイド)設定 <CV 藤井ゆきよ>

マーメイド
分布:魔族領および人間領の河川、海
別名:男はマーマン。女はマーメイド。ほかメロウなど。東では『人魚』
分類:魔魚綱・人魚目・深海人魚科・深海人魚属・マーメイド
食性:魚、カニ、エビ、海藻(少量であれば陸上の食べ物も)
主な職業:水上輸送、芸能(音楽方面)、ダンサーなど

概要:
・下半身が魚に似た種族。
・尾びれは縦に伸びており、体を左右にふって泳ぐ。その泳ぎは硬骨魚類のほか、サメなどにも通じる。
・卵生。ただし卵を外に出すのではなく、腹部で精を受けてから体内で育てる。一度の出産で三つ子、四つ子くらいまでは普通。
・変温動物。水に浸かっているため寒さには強いが、暑さ、乾燥には弱い。
・淡水、海水両方に対応している。塩分調整機能が肝臓に備わっているが、汽水域なので体を慣らさないと最悪ショック死がある。
・深マーメイド科は深くまで潜ることが可能であるが、現在、深海で暮らすメリットはほぼない。深海で暮らしていた一族が浅瀬に出てくることもある。
・体温は低め(20℃前後)人間が触ると暑さを感じるほか、体表面の粘膜が損傷し火傷のようになる。
・人間や他種族ではたどり着けない難所であっても、船を巧みに操作して連れていくことから難所の救い主としてあがめられた。マーメイド側もそれを利用し、高い通行料をとる、あるいは離島に職人を集めて出られないようにして技術を独占するなど、商業に利用してきた。
・メロウ水路街の名物メロウガラスの製法は人魚にのみ伝えられ、他種族の職人に教えられる。これにより技術を独占して高品質のガラスの利益を享受していた。現在は免許制。
・瞬膜があり、水中では半透明の瞬膜を閉じることで眼球を保護する。

亜種・個体差:
・個体差は非常に大きい。主に鱗の色などでわけられているが、同じマーメイド科ならば交配も可能であり、様々な色の人魚が生まれている。
・ヒレの形も個人によって大きく異なる。大きなヒレは舞を踊るときに有利とされ、同族の中でも憧れの目で見られる。人魚のダンサーの間では、ヒレの形を重視した結婚なども行われる。

ルララについて:
・イエローマーメイドの父と、深マーメイド純血の母のハーフ。模様は父によく似ている(色のモデルは熱帯魚レモンテトラから)
・下半身の形状はジュゴンやイルカといった海棲哺乳類に似ていますが、Zトン先生によればヒレの形状が縦に長いので、魚から進化した設定として組み立てました。

<放送情報>

【症例2 水路街のマーメイド 放送日時】
TOKYO MX:7月19日(日)23:00〜
サンテレビ:7月19日(日)23:30〜
KBS 京都:7月19日(日)23:00〜
BS11:7月21日(火)24:30〜
AT-X:7月23日(木)23:00~(リピート放送:毎週土曜15:00~/毎週水曜7:00~)
※放送日時は予告なく変更となる場合がございます。


モンスター娘のお医者さん 公式サイト
https://mon-isha-anime.com/

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