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「大洗の中心」を目指す町の名物男、鮮魚店と寿司屋を営む若き三代目 今関雅好 魚忠/ちゅう心 代表取締役 [ガールズ&パンツァー 大洗女子学園掲示板]

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『ガールズ&パンツァー』の舞台・大洗で、より作品を身近に感じている方々に、作品と出会ったきっかけやエピソード、作品への思いなどを聞いていく『大洗町めぐり~大洗の今、そしてこれから~』。第32回は魚忠/ちゅう心 代表取締役 今関雅好さんにお話を伺いました。

「大洗の中心」を目指す町の名物男、鮮魚店と寿司屋を営む若き三代目

──今関さんは魚忠さんの何代目に当たるのでしょう?

三代目ですね。祖父が魚屋を始めて、二代目の父が働いている背中を見ながら育ちました。でも私は店を継ぐ気は1ミリも持っていなかったんですよ(笑)。高校を卒業する頃にやんごとなき家庭の事情で上京することができなくなり。その結果、否応なく三代目になってしまいました。本当は専門学校に行ってリゾート開発について学ぶつもりだったのですが(笑)。

──リゾート開発ですか?

その頃ちょうど大洗でリゾート構想が盛り上がっていたんです。もともとお祭り好きなので、自分もその構想に参加して、大洗を盛り上げる先駆け的な存在になろうと思っていました。でも専門学校に行けないことになり、仕方なく家業の手伝いを始めたんです。もともと高校時代にも店の手伝いはしていたので、魚の知識はありました。でも当時は不真面目で、昼に起きては東京に夜遊びに行っていました。でも、そうこうするうちに魚忠の支店を東海村に出すことになり、そこの支店長を任されることになったんです。

──そうなっては真面目に働かざるを得ませんね(笑)。

はい(笑)。でも開店二日目に交通事故に遭って、頸椎損傷で左手が動かなくなったんですよ。「もしかしたら一生使えないかも」と医師に説明されたときには辛かったですね。まぁ最終検査で奇跡的に動くようにはなったのですが、それまではリハビリをしながら何とか魚をおろしていました。それが半年くらい続き、ようやく左手が動くようになったと思ったら、近所にショッピングモールがオープンして客足が遠のいてしまったんです。それで支店を閉めて大洗に戻ってくることになりました。今思うと我ながら波瀾万丈な人生ですね(笑)。

▲「魚忠」「ちゅう心」
住所:〒311-1301 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町 987
営業時間:【魚忠】10:00~19:00
【ちゅう心】11:30~14:00、17:30~23:00(最終入店 21:00)
アクセス:大洗駅よりタクシーで約 4 分(第 31 回でご紹介した常陸屋さんのお隣です)

──やがて隣接する寿司屋・ちゅう心をオープンされるわけですね。

ちゅう心を開いた90年代はインターネットもなく、観光客に美味しいお店を紹介する手段が口コミしかなかったんです。ましてや大洗ですから、観光客向けのお店がどこにあるのかよく分からなかった。でも商売柄、観光客におすすめの店をよく訊かれるので、その場では知っている店を教えるしかなかったんです。でもいつしか、そんな状態に我慢ならなくなり、じゃあ自分が作るしかないと一念発起したんですね。最初はスタッフにちゅう心を任せて、自分は魚忠の業務に専念するつもりだったんですよ。ところが、ちゅう心があまりにも忙しくなってきて、自分もいつの間にか寿司を握るようになってしまいました(笑)。

──鮮魚店と飲食店の双方を切り盛りされる立場として、何か意識されていることはありますか?

「とにかく活きのいいものを出したい」その一点に尽きますね。今は流通網が整っているので、皆さん新鮮なものが食べられるようになりました。でも本当に新鮮なものは口に入れた瞬間に分かると思うんですよ。その一瞬を大切にしたいと思い、市場から特に新鮮な魚を仕入れています。ちゅう心としては、新鮮さに加えてロスを少なくして、安く上質な寿司を提供するということですね。どうしても捨ててしまうものが出ると、それを補填するために商品の値段は高くなってしまいがちです。ですから魚屋が経営しているからこそできることですが、お客さんに売る商品をそのまま寿司のネタにする。そうすると、色々な種類をすぐに新鮮なまま提供できるようになるんです。

──ここからは『ガールズ&パンツァー』についてお伺いしたいと思います。今関さんが『ガルパン』のことを最初に認識されたのはいつですか?

大洗が舞台のアニメをやるということは常盤良彦さんから聞いていました。でも、その時は既にアニメによる町おこしが他の場所で成功していたことを知っていたので、正直言うと「いったい何番煎じをやるつもりなんだ!」って思ったんです(笑)。ところが第4話が放送された次の日に、ウチのお店に向けてカメラを構えている方がいらっしゃったんですね。一体何事かと訊いてみたら、「昨日、このお店がアニメに出たんですよ」と教えてくれました。そして彼が持っていたポータブルプレイヤーでアニメを再生してもらい、そこでようやく『ガルパン』効果を知ったんです。

▲第 4 話の市街戦で「魚剣」の店名で登場。
なお魚剣はテレビシリーズ DVD 第 4 巻特典 OVA「アンコウ・ウォー!」にも登場している

──近藤妙子のパネルが魚忠さんには飾られていますが、送られてきた理由があったそうですね。

2012年のあんこう祭の時、父が「どこか美味しいお店はないですか?」とある女性から尋ねられて、その方をちゅう心に連れてきたんですよ。その時は単に観光客の一人だと思っていたんですが、後にその方が(近藤妙子役の)吉岡麻耶さんだと知ったんです。吉岡さんはその後も何度も来てくださって、それが商工会の誰かが耳にしたらしく、ウチに近藤妙子ちゃんのパネルが来ることになったんです。

──そんな経緯があったんですね! お店にはファンの方々も来られるのでしょうか。

ちゅう心・魚忠のどちらにも来てくださいますね。魚忠では自家製の「食べるたらこラー油」や「マグロジャーキー」を買ってくださる方が多いです。鮮魚をお土産に持ち帰るのは難しいですが、調理師免許を持つ方がトラフグを買われて行ったこともあります。

──ファンが何度も足を運ぶ、大洗という町の魅力とは何でしょう?

大洗って昔から何事も楽しく、商売以上にサービスするような地域性が元々根付いているんですよ。それがアニメファンであっても、普通の観光客と同じように話しかけるんです。それが徐々にファンの皆さんの心に響いたんでしょうね。大洗に昔からあった「心の繋がり」が『ガルパン』のお陰でさらに増えた気がします。

──このコーナーは今回でいったん一区切りとなります。そこで今関さんには最後のまとめをお願いします。

ちゅう心という店名の由来は二つあって、その一つは祖父のあだ名が「忠やん」だったことで、もう一つは「大洗の中心」「茨城の中心」という意味なんです。まぁ祖父はさておき(笑)、これからも大洗の中心、茨城の中心になれるよう、お客さんと心を通わせながら仕事したいと思っています。皆さんのご来店もお待ちしています!

PROFILE

今関雅好(いまぜき・まさよし)
1971年9月4日生まれ、茨城県出身。高校卒業後、家業の魚忠で手伝いを始める。その後、兼業ホストを経て、魚忠の支店長に。現在は三代目であると同時に、隣接するちゅう心も切り盛りしている。好きなマンガは『HUNTER×HUNTER』『ジョジョの奇妙な冒険』とのこと。

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