インタビューココだけ | 舞台『ブルーロック』

舞台『ブルーロック』 竹中凌平(潔 世一役)×佐伯 亮(千切豹馬役)スペシャル対談

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「週刊少年マガジン」(講談社)連載中の、金城宗幸(原作)、ノ村優介(漫画)による大人気サッカーマンガ『ブルーロック』が初の舞台化。日本をワールドカップ優勝に導くストライカーを育てるための“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトに集められた300人の高校生FWたちの戦いを描く。5月4日から7日まで大阪・サンケイホールブリーゼ、11日から14日まで東京・サンシャイン劇場での公演を前に、潔 世一役の竹中凌平さんと千切豹馬役の佐伯 亮さんにインタビュー! 作品の好きなところや、共演経験も多い二人が稽古を通して再確認したお互いの魅力、自身のエゴや今、二人の心をアツくしていることなどを伺った。

昔持っていた自分のエゴを思い出すような、アツい気持ちが蘇る感覚がありました。(竹中)

──高校生ストライカーたちが熾烈な争いを繰り広げる“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクト。このプロジェクトをお二人はどのように感じましたか?

竹中斬新なアイデアだと思いました。しかも高校生に向けてなので、より斬新に感じました。僕は学生の頃にはすでにやりたいことが明確だったので、高校生で自分の好きなことだけに没頭できる環境が与えられるのは、ちょっと羨ましいです。ただ、大人になった今の僕が羨ましいと思っているだけで、高校生の頃に同じ状況になったら、また違う受け止め方をしたかもしれません。

佐伯僕も斬新だと思いました。自分と置き換えて考えると、例えば舞台であれば舞台上という空間で、役者、スタッフがそれぞれ負けられない部分を持ち寄って一つのものを作ります。今の僕のいる場所も“ブルーロック”と近しいので、割と身近に感じられる物語です。

──サッカーを通して描かれるサバイバル&ヒューマンドラマです。お二人が特にアツい気持ちになったポイントを教えてください。

竹中カッコいいキャラがたくさん出てくるサッカー漫画だと思って読んだのですが、思っていた以上にメッセージ性のある作品で、登場人物一人一人に興味深いドラマがある。人気があるのも頷けると思いました。生きているとエゴってどんどんなくなっていくものだと感じる中で、昔持っていた自分のエゴを思い出すような、アツい気持ちが蘇る感覚がありました。

 

──昔のほうがエゴはありましたか?

竹中今よりもっと尖っていたと思います。妥協も覚え、自分の限界も分かり、人にどの程度期待すべきかなど、いろいろなものが見えてくる中で、どんどん丸くなってきました。分かる? エゴがなくなったわけじゃないけれど…

佐伯すごく分かる! 昔は、自分は何でもできる、自分が一番だと思っていたし、怖いものなんてなかったけれど、年齢を重ねて成長する中で「現実を見なきゃ!」ってなるから。

竹中ありえないところには理想を置けなくなったし、置かなくなったみたいな…。

佐伯すごく分かるよ。

竹中よかった!

──少しずつ丸くなったのは、お仕事を始めてからになるのでしょうか。

竹中おそらくそうだと思います。学生の頃って自分は特別だ、仲間であってもどこかで自分はコイツらとは違うみたいに思っていて。でも、役者ってそういう人間の集まりじゃない?

佐伯そうかもしれない。自分が一番だと思っているし、そうじゃなきゃやっていけない。

竹中少なからず、そういう考えじゃないとやっていけないとは思うよね。

佐伯本当にそう! 僕が原作で気持ちがアツくなったのは、挫折を経験した千切の姿。挫折を経て今の千切があることを知ると、原作でも台本でも胸がアツくなりました。今回はフィーチャーされないけれど、馬狼(照英)も挫折のあるキャラクターで気になります。現実にもありそうな挫折だから感情移入しやすいし、人が心を傷めているのを見ると「がんばれ!」とアツくなります。

竹中『ブルーロック』は挫折からちゃんと成長してくれるからグッとくるよね。

佐伯そこが丁寧に描かれているから世界観に入り込める気がします。

竹中僕は舞台が決まってから原作に触れたので、どうしても潔に感情移入しちゃったけれど、蜂楽(廻)は少し共感できるところがあって。自分のなかに“かいぶつ„を飼っているみたいなことって、高校生の頃の僕も思っていたから。それこそ、自分は特別だって。夢しかなかった頃だから。

佐伯僕は割と今もアツさを持っているタイプ。でも、それは凌平くんが言っていた「自分が一番」と思っていた時代を経て生まれた違うアツさです。例えるなら、高校生の頃は純粋にまっすぐなアツさで、今のアツさは、いろいろな経験した後に生まれた新たなエゴのようなもの。これは多分、丸くなったという凌平くんも含めてみんな持っていると思います。

──舞台に備え、エリース東京FCでサッカーの稽古も行われましたが、舞台で見せるサッカーの表現にどのように役立ちましたか?

竹中僕に関して言えばサッカー経験はほぼゼロ。蹴り方も体の動かし方もボールに触れるまで知らなかったし、インサイドもインステップも知らなかったので、全てが役に立っています。舞台ではセリフやアクションも入り、通常のサッカーとは違いますが、見せ方はいろいろと相談しながら作り上げています。

佐伯僕はサッカー経験者ですが、サッカーをやってなかったら難しかったかもしれない表現、芝居は正直ありました。実際にボールに触らなくても触っているように見せるために、想像力で埋める必要が出てくるので。そこにちゃんとボールが見えるように表現できる凌平くんはすごいと思いました。体も動かせるし芝居もできるから、ちゃんとサッカーになっている。でも、それができたのは、公開練習で実際にボールに触れて教えてもらったからだと思っています。

竹中あの練習はかなり役立ってると思う!

佐伯実際にボールの感触を覚えたから、それらしい動きができる。経験に勝るものはないから、あの練習をやってよかったと思っています。演劇でのサッカーとリアルのサッカーは別物。でも、サッカーであることに変わりはないから、僕たちそれぞれの経験が活きているはずです。

──『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGEでの共演や、竹中さんのバースデーイベントに佐伯さんがゲスト出演という仲のお二人。役者として尊敬しているところ、本作の稽古を通じて発見した新たな魅力はありますか?

竹中やっぱり芝居が好きなんだなって思います。芝居になると少年みたいにキラキラしてる(笑)。それは出会った頃からずっと変わらないところ。自分の理想とするものに向かって突き進む姿はすごくカッコいいといつも思っています。

佐伯ありがとう!

竹中新たな発見かどうかは分からないけれど、年々私服がおしゃれになっている気がする。つい一ヶ月前も共演しているから、驚くような発見はないけれど(笑)。

佐伯ホント(笑)。作品で一緒になることは多いし、結構ペア役なんだよね。

竹中『家庭教師ヒットマンREBORN!』とかも、初演のときは敵だったけど、気づいたら仲間になっていて…。

佐伯『あんステ(あんさんぶるスターズ!THE STAGE)』も先輩後輩で、いつも近しい関係性だよね。

竹中確かに。

佐伯新たに発見した凌平くんの魅力…。

竹中いいよ、魅力はありませんって答えて。

佐伯あるよ、いっぱい。どれを言おうか迷ってるだけ! 一番しっくりくるのは凌平くんは主演だなってこと。凌平くんにしか出せないキラキラがあるし、華がある。主人公として真ん中に立つべき人だと強く感じてます。そういう要素があっていいなとも思います。だけど凌平くんは意外と貪欲でそれにおごることはありません。ちょっと話は変わりますが、最近、ナルシズムって大事だと思っていて。鏡にうつる自分を見てカッコいいとか思うナルシストではなくて、人に見られていること、人からどう見られるのかをちゃんと頭の中で考えられるのってすごく大事だと感じています。凌平くんはすごく鏡の前で練習する人で…。

竹中ナルシストなんだよ(笑)。

佐伯いやいや、でもマジで、ナルシストって大事だって思わない?

竹中確かに大事かも。

──鏡を見るのは意識的に? それとも自然に?

竹中今回の場合は、フォームの確認のためという大きな理由があります。あと、稽古場にしか大きい姿見はないから、使わない手はないって感じでしょうか。

佐伯そうだよね。あのサイズはなかなかない。でも、自分を研究することは他の現場でも活きるはずだから、鏡を見て確認するのはすごくいいことだと思う。今回はありがたいことに、稽古場動画もあるからいろいろと確認しやすいよね?

竹中すごくありがたい!

佐伯帰ったらまず動画を観る。

竹中日課だよね。それしかやってないってくらい観てる。

佐伯めちゃくちゃ大事なことだよね。稽古が終わって、帰って、次の日何も考えずに稽古場に来るって…。

竹中やる意味がない!

佐伯そう! 何が上手くなってるの? 何が変わったの? みたいになるよね。稽古場で同じことを繰り返す1ヶ月より、毎日違うことをやって、たとえそれが不正解でも、正解に繋がっていく過程なら何をしてもいいと思ってる。怒られることがあっても仕方ないし。

──怒られることもありますか?

佐伯さっきの挫折の話じゃないけれど、あってもいいことだと思っています。

竹中僕もそう思う。あと、今回の現場に限らず鏡で確認するのは、役者はみんなやっている気がします。

佐伯まあ、やるよね。だって、どう見えるかは確認したいから。そういえば凌平くんは前回の舞台でのバスケのシーンでも、フォームの確認たくさんしてたよね?

竹中そうだった。サッカーの前はバスケやってた(笑)。

大変と分かっていても、敢えて自ら大変な方へ進んでいかなければいけないんじゃないかな…と今、答えながら自分に言い聞かせています(笑)。(佐伯)

──「世界一のエゴイストでなければ、世界一のストライカーにはなれない」と銘打たれた本作。作品を通して感じたお二人が思う世界一のストライカーに必要なことを教えてください。

竹中己に克つことです。

佐伯それに尽きるね。

竹中人間って本能的に楽な方楽な方へ行ってしまうらしいので、それは仕方のないこととして。でも、やっぱり世界一となると話は別で、頭一つ抜き出た存在になる必要があります。大変と分かっていても、敢えて自ら大変な方へ進んでいかなければいけないんじゃないかな…と今、答えながら自分に言い聞かせています(笑)。

佐伯もうそれ以上のことはないよね。自分に克つことは本当に大事。僕も自分に言い聞かせます。

 

──ご自身にエゴイスト的要素はありますか? お二人の“エゴ”についてお聞かせください。

竹中エゴってなんだろう…。

佐伯難しいよね。作品のテーマだから考えることは多いけれど、考えれば考えるほど難しいと感じています。

竹中絶対あるけれど、言語化するのがすごく難しい。

佐伯一生考え続けるような気がする(笑)。

竹中夢や目標みたいなものはずっと持っていて。それに向かって頑張るのは己に克つことに繋がっていく。学生の頃の話に戻るけれど、自分は周りとは違うと思っていたこともエゴ。なので、それを持っていた自分、丸くなったといっても今もあるものだから、僕はやっぱりエゴイストかな。

佐伯芝居が好きだからこそ、負けたくないというエゴを持ちながらやっています。凌平くんが話していた夢や目標の話にも通じるかもしれないけれど、僕は目先のことではなく5年後10年後の自分がどうなっているのかを考えて芝居をやっています。何のためにやっているのかってすごく重要だと思うんです。今が楽しければいい、それだけじゃダメな気がするから、僕なりのエゴを持って芝居に向き合っています。だから僕もエゴイストだね(笑)。

竹中芝居をすること自体がエゴのような気がしてきた。

佐伯表に立つ人ってみんなエゴを持っている気がする。

竹中みんなエゴイストでしょ(笑)。だって承認欲求とか自己顕示欲の塊じゃない? 芝居をしてそれを観てもらうわけだから。

佐伯確かにそうだね。舞台上はエゴイストの集まりです(笑)。

──お二人の心をアツくしているものは、質問するまでもなくお芝居だと思いますが…、

竹中舞台に入ると、家に帰っても舞台のことしか考えてなくて。セリフを覚えて復習してお風呂で湯船にしっかり浸かった後にストレッチ…とやっていたら、すぐに寝る時間になります。熱中できているという意味では芝居以外はないかもしれないです。悲しいことに趣味もないですし(笑)。自分の時間はないけれど、それが普通なので全く苦にならない。最近ハマっているとすれば筋トレくらいかな? バキバキにしたくて。

──それも、結局お芝居に繋がりますよね。

竹中それが僕のエゴなのかもしれないです。

佐伯僕は、未来の自分を想像しているから、今、アツく頑張ることができています。芝居が僕をアツくしていることには変わりないけれど、未来の自分、自分がなりたい自分に近づけるように、いろいろ想像しながらやっているからアツくなれるというのかな。

竹中本当にアツいよね。でも、近くで見ていてすごく気持ちいいし、清々しい。青空のような人だけど、心はかなりアツい。

佐伯アツそうに見えないって言われるけれど、今日改めて思った、僕ってアツいなって。アツいままで頑張ります!

PROFILE

竹中凌平(たけなか りょうへい)
1993年9月22日生まれ。千葉県出身。主な出演作は、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』明星スバル役、『家庭教師ヒットマンREBORN! the STAGE』沢田綱吉役など。また、2023年7月、主演舞台『大正浪漫探偵譚-エデンの歌姫-』(東堂解役)に出演が決定している。

PROFILE

佐伯 亮(さえき りょう)
1995年10月10日生まれ。広島県出身。主な出演作は『家庭教師ヒットマンREBORN! the STAGE -』入江正一役、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』守沢千秋役、2023年7月に舞台「ダブルブッキング!‐2023‐」の出演が決定している。

関連記事:舞台『ブルーロック』主題歌歌唱Kradness (クラッドネス) 大阪公演ゲスト出演決定!大阪・東京千秋楽公演、ライブ配信決定!公演直前生配信特番、コラボカフェ開催&公式グッズラインナップ発表&コラボユニフォーム製作決定!

<上演情報>

舞台『ブルーロック』
2023年5月4日(木)~5月7日(日)大阪・サンケイホールブリーゼ
2023年5月11日(木)~5月14日(日)東京・サンシャイン劇場

舞台『ブルーロック』 Blu-ray2023年11月22日に発売決定!!

Blu-ray 商品情報

【価格】¥10,780 (税込)
【品番】BCXE-1855
【収録分数】160 分予定
【スペック】
本編ディスク(1 枚):リニア PCM(ステレオ)/AVC/BD50G/16:9<1080i High Definition>
特典ディスク(1 枚):リニア PCM(ステレオ)/AVC/BD50G/16:9<1080i High Definition>

〜特典〜
■特典ディスク
[収録内容]・メイキング映像 ・PV
■ブックレット

会場予約特典、BD購入者限定ミニイベントも決定!詳細はこちら

▼舞台『ブルーロック』公式サイト
https://officeendless.com/sp/bluelock_stage
▼舞台『ブルーロック』公式Twitter
@BLUELOCK_STAGE / 推奨ハッシュタグ: #ブルーロック #BlueLock #ブルステ

続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

インタビュー

© Bandai Namco Filmworks Inc. All Rights Reserved.