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女優・のんが声優初主演を果たした話題作!『この世界の片隅に』完成披露試写会舞台挨拶レポート

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第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた珠玉の名作『この世界の片隅に』が、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した『マイマイ新子と千年の魔法』を手掛けた片渕須直監督によって待望のアニメ映画化! 主人公・すずを演じるのは本作がアニメ映画初主演となる女優・のん。そんな話題作の舞台挨拶付き完成披露試写会が、2016年9月9日(金)、スペースFS汐留にて開催された。そこで今回は、試写会の上映前に行われた舞台挨拶の模様をレポートする

戦時中に逞しく生きるヒロインのすずを演じたのんさんが舞台挨拶に登場!

主演声優ののんさん、片渕須直監督、原作者のこうの史代さんが登壇した舞台挨拶は、のんさんから片渕監督への花束贈呈からスタート。作品の制作を軌道に乗せるため、同作のイベントを全国各地で多数行ってきた片渕監督は「こうのさんの原作に出会って、これを映像化するなら、ぜひ自分の手でやりたいと思い続けて6年が経ちました。これまで順風満帆という訳では決してなかったですが、クラウドファンディングを通して、多くの方からご支援を頂き、映画化することができました」と感謝の言葉を述べた。主人公・すずを演じたのんさんは、少し緊張した面持ちで「本当に素晴らしい作品に参加させて頂けて嬉しいです」とコメント。こうのさんは「ようやく完成したんだなっていう想いが溢れてきて、本当に胸がいっぱいです」と感無量といった様子だった。

▲左から片渕須直監督、のんさん、こうの史代さん

完成した作品を鑑賞した感想を聞かれたのんさんは「戦争というものが一つのものとしてあるのではなく、生活の中に隣り合わせにあるということを感じました。それはすごく怖いことだと思いますし、だからこそ、何気ない普段の生活が幸せに感じられる作品だと思います」と語った。また、鑑賞時は片渕監督とこうのさんに挟まれていたそうで、のんさんは「めちゃくちゃ緊張しました(笑)。ビクビクして『すみません』みたいな感じでした」と恐縮そうに振り返った。

片渕須直監督と原作者のこうの史代さんは、のんさんの声や演技を絶賛!

また、すずとの共通点を聞かれたのんさんは「(私も)ボーっとしていると言われます。だけど、気の強いところやパワフルなところもあって、そういうところに共感しました」とコメント。そんな中、片渕監督が「実はアフレコの時に、なぜこういう風にすずが言うのか分からないと、のんさんからたくさんの質問を頂きました」と明かすと、のんさんは「すごいしつこかったですよね。しつこすぎて大丈夫かなと思っていました」と照れくさそうに語っていた。

最後は登壇者たちが一言ずつコメント。こうのさんは「マンガと違って多くの人が一緒に観られるのが映画の良いところだと思います。みんなで観た後に“このシーンが良かったね”とか“このシーンが感動したね”とか、お互いに感想を言い合えるのは素晴らしいことだと思います。本作を観た後にもそういう風に感想を言い合って頂けたら嬉しいです。のんさんの声によって物語の中に明るさが出たと思います。のんさんがすずを演じられたことで、原作にはない素直さだったり、彼女の芯の強さみたいなものも感じられて、とても素晴らしかったと思います」。片渕監督は「すずがどんな声で、どんな風に喋るのかって考えた時に、僕にはのんさんしか思いつかなかった。のんさんに演じてもらえて本当に良かったと改めて思いました」。のんさんは「普通に生きる姿を見るだけで、涙がぼろぼろと溢れてくる、そんな素敵な作品になりました。ご家族で観て頂けると、大切なものに共感できるんじゃないのかなと思います」。それぞれが作品の魅力をアピールして舞台挨拶は幕を閉じた。

<公開情報>
2016年11月12日(土)より
テアトル新宿、ユーロスペース他にて全国ロードショー!

この世界の片隅に 公式サイト

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