イベントでは様々な技術が発表されたが、中でも大きなインパクトを残したのが、日本初のフォトグラメトリー専用スタジオ・AVATTA(アバッタ)を使用し、3DCGの草薙素子を作成するプロジェクトだ。写真家の桐島ローランドさんは「AVATTAは80台以上のカメラを用いてあらゆる角度から同時に撮影することにより、より短時間でCGモデルを作成することができる」と語った。また、実際には撮影していないポージングをさせることはもちろん、髪型や衣装を自由に替えることも可能なため、「一度データをスキャンしてしまえば、役者がいらなくなる時代が来るかも知れない」と驚きの発言も飛び出した。イベントではこの他にも、『攻殻』の世界に近い技術などを独自に取材しキュレーションを実施し、webサイトやfacebookなどのSNSを通じたメディア・ソリューションを展開する「メディア事業」や、注目を集めた個人や団体などを表彰する「the AWARD 事業」、攻殻機動隊の世界をテーマにしたコンテストやハッカソンを開催する「インキュベーション事業」など、本プロジェクトの根幹を支える事業の展望が説明された。
多彩なテーマで盛り上がったトークセッション!
休憩を挟んで引き続き行われた【第二部】のトークセッションでは、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズの神山健治監督と、『攻殻機動隊 新劇場版』の脚本を手掛けた冲方丁さんが登壇。「攻殻機動隊の世界はどこまで実現できているか?」をテーマに、慶應義塾大学の稲見昌彦教授、南澤孝太准教授と共にREALIZE公開ブレストを実施した。「義体・ロボット」、「電脳・人工知能」、「都市」といった各セクションごとに進行し、作品の制作秘話はもちろん、未来のエネルギー問題などディープな話も飛び出した。