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チアリーディングに青春をかける男子大学生たちの青春物語!『チア男子!!』畠中祐×沢城千春キャストインタビュー全文掲載

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小説「何者」で戦後最年少の直木賞作家となった朝井リョウ原作による傑作青春小説をTVアニメ化した『チア男子!!』のBlu-ray&DVD第1巻が待望のリリース! そこで今回は、全国大会出場を目指して奮闘する男子チアリーディングチーム「BREAKERS」の新メンバーである森尚史&安藤タケルを演じる畠中祐さん&沢城千春さんに、キャラクターの印象や最終回に向けての見どころなど様々な話をお聞きした。

尚史は人に対しての好き嫌いがすごくハッキリしている

──本作は直木賞作家である朝井リョウさんの青春小説が原作ですが、小説を読まれた感想は?

畠中とても前向きな作品で真っ直ぐな青春作品だなと思いました。それだけでなく、登場人物たちの心理が繊細に描かれていて思わず読み入ってしまいました。朝井さんというと代表作でもある『桐島、部活やめるってよ』のイメージが僕の中では強くて、『チア男子!!』のようないわゆる王道の青春小説も書かれる方なんだというところに驚きました。何より『チア男子!!』も『桐島、部活やめるってよ』同様に、風景描写などが素晴らしいく、ハルとカズが屋上で語り合うシーンでは、風の感触であったり、夜の雰囲気であったり、温度だったりとか。そういうものが繊細に描写されていて、これを実際にアニメ化するというのは大変なのだろうなと思って読んでいましたね。

沢城普段あまり小説を読む方ではないんですけど、そんな僕でもスラスラと内容が入ってきて、すごく読みやすかったです。それまで続けてきたことを辞めて、自分たちで新しいことを始めるというのは、とても勇気がいることだと思います。自分が同じ歳の時は、人が作ったものに乗っかることが多かったですね。自分も大学生の頃に彼らのような行動力があればな、と思いながら読んでいました。自分にできなかったことを疑似体験させてくれるような小説なので、読んでいてとても楽しかったです。

──アニメ『チア男子!!』をご覧になった感想を教えてください。

畠中アニメになったことで、より登場人物たちの個性が表れていると思います。文章では、名前と心理描写でのみ特徴付けができますが、アニメでは絵や声がつくので、ハッキリと三次元化できて登場人物がより一層魅力的に感じられると思いました。登場人物が多いので、読んだだけでは捉えきれなかった部分もアニメであれば理解しやすいのではないかと思います。

沢城僕は、最初に「この作品はきっと売れる!」ってすごく思ったんです。上から目線になっちゃいましたけど(笑)。周りの人たちにも「ヒットしそうだよね」と言ってくださる方が多くて。ある一定の層だけでなく色々な方々に観て頂けるような絵とストーリーだと思いますし、何しろタイトルにすごくインパクトがありますからね。大ヒットの予感がします(笑)。

──ご自身が演じているキャラクターの印象は? また、演じる上で意識していることは何かありますか?

畠中小説で読んだ時は、とても真面目で周りから常に一歩引いているクールガイという印象を受けたのですが、実際に演じてみたら、もっと前のめりで熱いキャラクターでした。僕が思うに、尚史は人に対しての好き嫌いがすごくハッキリしていて、最初の印象がとても重要なんだと思います。彼の中には○と×しかなくて、△がないんです。○の人はOKだけど、×の人はもうダメみたいな(笑)。でも、物語が進むにつれて少しずつ変わっていくんです。タケルに対しても最初は拒絶しそうになりながらも、仲間として、ちゃんと向き合っていくようになったり。尚史自身がどんどん周りを見ていくようになってきているのが分かるので、演じていて彼の成長を感じられることが楽しかったですね。

沢城やっぱりタケルはアフロ頭という外見的イメージが一番強いと思います。アフレコの時に映像が未完成でも「あっ、これタケルだな」って一発で分かるんです(笑)。あと、タケルはお調子者で、練習に遅刻するようなキャラクターなのですが、それが僕、沢城千春と似ているんです(笑)。もちろん、仕事に遅刻したことはありませんよ!お調子者なところが似てるっていう意味です(笑)。他にも、タケルと自分に似ている部分が多いので「これは自分をフルに使っていこう」と(笑)。そうすれば僕がタケルを演じる意味がより多くあるのかな、と思うんです。あと、花咲薫役の山谷祥生さんと、とても仲良くさせて頂いていて、収録の時はいつも隣に座っているのですが、その山谷さんからも「千春さん、タケルの性格まんまですね」と言われています(笑)。自分の適役は“これだ!”っていうキャラクターを見つけられた気分です(笑)。生き生きと演じられるのはとても楽しいですね。 畠中 本当にピッタリですよね。現場でもすごく飄々としたオーラが出ているんです。二人の掛け合いの芝居で、自分が強烈なパンチを打とうとしても、全部避けられてしまうんですよ(笑)。その感覚が新鮮で、一緒に芝居をしていてとても楽しいです。

畠中さんと沢城さんが注目しているキャラクターは?

──演じているキャラクターの注目ポイントを教えてください。

畠中見ている内に段々と尚史が可愛く思えてくるかも?…というところです(笑)。最初の頃は確かにツンケンしていて、少しムカつく感じに映ると思います。僕も台本を読んでいて、「こいつ、何なんだ」って思いましたし、「こんなに和を乱してくるのかよ」となりました。でも、それは彼が真面目で、本当にチームのことを考えているからなのだと気付いて、そういうところを加味して見ていくと、「あれ? こいつ、意外と可愛い奴なんじゃ?」って、ときめきを感じてくださる方がいるかもしれない(笑)。そういう可能性に満ちた人物だと思うので、どうか温かい心と優しい目で見守って欲しいです。

沢城本編に登場するキャラクターのほとんどが「チア部で一生懸命やって、こういう目標があって…」という中で努力していると思いますが、タケルの場合は「なんか楽しいからやっている、目立ちたいからやっている」という感じなんです。でも、なぜかタケルは周りから嫌われていなくて、実は僕にもそういうところがあるんですけど…(笑)。

畠中もう自分の特徴を挙げればいいんじゃない? それがタケルなんだから(笑)。

沢城いいの?(笑)では、「タケルの注目ポイントは沢城千春」ということでお願いします(笑)。

──森尚史と安藤タケル以外で気になるキャラクターはいますか?

畠中僕はトンですね。優しくて包容力があるし、物腰の柔らかいところが好きです。それでいて頑張り屋さんなところも。「僕、◯◯だから」って何かしら理由をつけて諦めるのではなく、何かを成し遂げようとした時にちゃんと踏み込んで行ったトンの姿は本当に格好良いなと思います。僕の勝手な印象ですけど、チアリーディングに出会う前までのトンは劣等感の塊だったような気がするんです。そのマイナスのものをプラスに変えていく作業はすごく大変だし、ものすごいエネルギーを使うことだと思います。けど、周りに頼りながら、時には周りとぶつかりながら、成長していくトンの姿を見ていると応援したくなりますね。

沢城僕が密かに注目しているのは、ハルと翔がバイトをしている高田牧舎の店長さんです。吉田健司さんが声を担当されていますが、なんだかとてもキュートなんです。バイト中にハルと翔が問題を起こして、店長が「もうやめてよ〜」って言うのが、すごく可愛いんですよ(笑)。あとは、陳子軒(チンズーシェン)ですね。文曄星さんが演じられているんですけど、文さんご自身は日本語がすごくお上手なのですが、日本人には出せない空気感があって、独特のイントネーションなどは本当に素敵だなって思います。自分をフルに使いながら演じられているというのは、自分と共通する部分なので親しみを感じますね…って、また上から目線になっちゃった(笑)。

──本作にはチアリーディングチーム「BREAKERS」のメンバーだけでも16人いて、全員が揃う時はとても賑やかな収録現場になると思いますが、アフレコの雰囲気はいかがですか?

畠中そこまで広くないスタジオにすごい数の人が一緒に入るので、率直な感想を言えば狭いですね(笑)。でも、一人ひとりの距離が近いので、チーム感がありますし、一つのものを作り上げていく熱量がとても高いです。例えば、みんなで「GO!BREAKERS!」と掛け声を合わせなければいけないシーンでは、一人でもズレてしまうと録り直しになるので、大変なんです(笑)。みんなで一つのものを完成させようっていう一体感が生まれますし、本当に部活をやっている感じがしてとても楽しいです。

沢城畠中さんのおっしゃる通り本当に「部活」というのが一番しっくりくる言葉だと思います。作品も題材がスポーツですしね。みんなでワイワイやっているからっていうのもあるとは思いますが、現場の雰囲気は明るくてすごく楽しいです。失敗しても、杉田智和さん(溝口渉役)や小西克幸さん(長谷川弦役)たちが笑いでフォローしてくれるので、僕ら若手はリラックスして収録に臨めています(笑)。

印象に残っているのは、アドリブで演じたタケルと尚史の喧嘩シーン

──これまで放送された話数の中で、印象に残っている話数やシーンはありますか?

畠中第5話で弦とイチローがハルの家の屋上でちょっとだけ喧嘩するワンシーンです。現場で聞いていて、小西克幸さん(長谷川弦役)と桑野晃輔さん(鈴木総一郎役)の掛け合いが絶妙ですごく印象に残っています。同じ幼馴染みの関係でもハルとカズとはまたちょっと違うんです。何でもできてしまう人と、ちょっと不器用な人の本音の語り合いというか、心を動かされる感じが掛け合いの中で見えるのであのシーンは好きですね。

沢城第7話でタケルと尚史が喧嘩するシーンです。二人ともお互いが気に食わなくて言い合いになるんですけど、その後クリスマスパーティーが開かれて、そこで一旦は仲直りするんです。でも、ひょんなことから尚史の顔にクリスマスケーキが命中してしまい、また喧嘩になってしまう。最初のセリフ以外は全部アドリブで演じているので、あのシーンは印象に残っています。

──本作はチアリーディングに青春をかける男子大学生たちの物語ですが、チアリーディングというスポーツに対し、本作に関わる前はどんなイメージを持たれていましたか?

畠中可愛い、キラキラしている、応援されたい、ですかね(笑)。野球部の選手たちをアルプススタンドから必死に応援していたり、やっぱり女の子がやっているイメージが強くて、競技的なスポーツとしてのチアリーディングがあることは、この『チア男子!!』の小説を読むまでは知らなかったです。僕が通っている大学もチアリーディングが強いみたいで、入学式などでチアを見たことがありますが、人があんなに高いところまで飛ぶんだって驚きましたし、ものすごいパフォーマンスだったのを覚えています。でも、それは男性と女性が一緒になっている男女混成チームだったので、男性だけのチームがあることは知りませんでした。

沢城チアリーディングと聞いてまず最初に思い浮かべるのは、良い匂いってイメージでしょうか(笑)。高校生の時、女子のチアリーディング部があったんです。僕らがストレッチしている横を、チアリーディング部の女の子たちが掛け声を出しながら走って行くんですけど、まあ良い匂いがするんですよね。そんなイメージです(笑)。

意外な展開が待ち受ける千裕へのハルの恋心に注目!

──ご自身がチアリーディングの一員として、どんな人を応援したいですか?

畠中僕はプライドが高い人を応援したいですね。プライドが高くて、強がりで、なのに自分に相当な劣等感を抱えている人(笑)。ちょっと面倒臭いというか、一人浮いちゃうような。そういう人の方が、人としてすごく興味があります。僕は八方美人より、そういう人の方が好きですね。応援してあげたいなって思います。

沢城世の中には、自分の本当にやりたいと思っている仕事じゃない事でも頑張っている人だったり、自分の希望するところに入れなかったけど頑張っている人だったり、そういう方が結構いらっしゃると思うんです。僕の周りにも、「自分は本当はこれがやりたいけど今の仕事で築き上げてきたものがあって、それを手放してまで自分が好きなことをやっていいのだろうか…」と悩んでいる人が結構いるんです。もし、自分が応援するとしたら、そういう自分のやりたいことや夢に向かって努力している人たちを応援したいなって思います。

──最終回に向けての見どころと、ファンへのメッセージをお願いします。

畠中まだチームとして一つにまとまっていない彼らが、これから一体チームとしてどうなっていくのかが大きな見どころの一つです。あと、やっぱりそれぞれが大なり小なりの問題を抱えているので、その問題に対してみんながどういう決断をくだしていくのか、どういうものを選択していくのかという部分を見てもらいたいですね。最後の彼らのパフォーマンスが、それぞれの中でどういう意味合いを持つのか、僕自身とても楽しみですし、ぜひ注目して欲しいですね。

沢城小説を読んでいる人は何となく全体的な物語は分かっていると思いますけど、読んでない人に個人的にオススメしたいのがハルと(酒井)千裕との恋の行方です。まさか、こういう青春系の作品でそういう感じになるんだっていう驚きの展開が待ち受けていますので、ぜひ放送を楽しみにして頂ければと思います。

の付いたインタビューはV-STORAGE online限定の記事です。

PROFILE

畠中祐(はたなかたすく)
8月17日生まれ、神奈川県出身。賢プロダクション所属。ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの映画『ナルニア国物語』の一般公募オーディションに合格し、エドマンド・ペベンシー役の吹替えで声優デビュー。主な出演作に『バッテリー』永倉豪役などがある。

PROFILE

沢城千春(さわしろちはる)
12月20日生まれ、東京都出身。オブジェクト所属。主な出演作にアニメ『オールアウト!!』伊勢夏樹役、『ちょびっとづかん』タカラコガネ役、ゲーム『Caligula -カリギュラ-』主人公役、『進撃のバハムート』ハインライン役などがある。


<Blu-ray BOX発売情報>
チア男子!! 第1巻
2016年9月27日発売
Blu-ray特装限定版:¥7,000(税抜)
DVD特装限定版:¥6,000(税抜)

チア男子!! 公式サイト

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