インタビューココだけ | AKIRA

AKIRA 4Kリマスターセット発売記念!岩田光央(金田役)×佐々木 望(鉄雄役)×小山茉美(ケイ役)×草尾 毅(甲斐役)×明田川進(音響監督)スペシャル座談会

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

1988年に劇場公開された『AKIRA』〈原作・監督 大友克洋〉─。 30年の時を超え、作品の舞台となった2019年に、キャスト4名と音響監督による初の座談会が実現しました!

一緒にやっていた雰囲気、
空気感は変わっていない

──この座談会の収録時である2019年は、『AKIRA』の劇中の舞台と同じ年になります。そんな記念すべき時に、30年ぶりにこうしてお集まりになってみたご感想をお聞かせください。

岩田 この5人で一堂に集まるということは、多分初めてじゃないかと思います。『AKIRA』の収録の時に、スタジオで5人が顔を合わせることはありましたが、純粋にこの5人だけで集まることはないですからね。そういう意味では、とてもワクワクしていますが、緊張もしております。こうした場を設けていただけて、とても感謝しています。 

佐々木 そうですね、当時スタジオに揃っていたことはあっても、それ以降は5人が集まる機会はなかったので、今回が本当に初めてです。当時から30年が経って、このような機会をいただけたのをありがたく、嬉しく思っております。

小山 いつの間にか、みなさんいいおじさんになってしまいましたね(笑)。今日はお会いできて本当に嬉しいです。

草尾 やはり、30年分のそれぞれの思いがあると思いますが、当時のスタジオで、明田川さんがいらして、小山さん、岩田さん、佐々木さんたちと一緒にやっていた雰囲気というか空気感は変わっていないですね。僕からすると、ついこの間のことのような、もう30年も経ってしまったのかというような、そんな当時の雰囲気に繋がるような、不思議な感覚でいます。

明田川 僕はこの30年の間に、全部で4回ほど『AKIRA』の音声を作り直す現場に立ち会いまして。今回も、何十回となく音声を聞きながらダビング作業などをやらせてもらいました。そうした作業をする際に毎回思うのは、今日集まってくれた4人の声のバランスの良さですね。あの当時からこういうバランスが出来たというのは、すごく貴重な体験をさせてもらったという感じです。なおかつ、今回の4Kリマスター版のダビングも先日終わったんですが、やはり改めて凄い作品だと思いましたね。本当にありがとうございます。

時代が「AKIRA」に追いついたとも言えるし
時代が永遠に追いつかないような気もします

──4Kリマスターによって、映像も音も生まれ変わった『AKIRA』をご覧頂くファンにメッセージをお願いします。

草尾 『AKIRA』は、本当に語り始めたら何日かかっても足りないくらい、僕らの中にもみなさんの中にも言いたいことが山ほどある作品だと思います。その『AKIRA』がさらに素晴らしく生まれ変わったわけですから、初めて観る方にはすごい衝撃を感じていただきたいですし、昔から何度も観ている方ならば、別の作品のような勢いで楽しめるものになっていると思います。それぞれの皆さんに、いろんな『AKIRA』を感じていただきたいです。描かれる舞台は、30年前には未来だったわけですが、それが現在になってようやく時代が追いついたようにも思います。そうした部分も含めて『AKIRA』という作品の魅力となっていると思うので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

小山 とにかく、30年という時間の流れを感じさせない、素晴らしい作品です。アニメがデジタル化される直前の作品。作画をはじめとする作り手側の熱い想いが結集したらこんなものができあがるんだという驚きがあります。4Kになってそれをさらにクリアに感じていただけると思います。ぜひ楽しんでください。

佐々木 『AKIRA』を公開当時に初めて拝見した時、「これはアニメじゃないよな」って思ったんです。こんな作品が作れてしまうんだと。それは今も変わっていなくて、その後に何度『AKIRA』を観ても、他のアニメと比べることができない、アニメのカテゴリーを超えている、特殊な、言葉に尽くせないくらい凄い映画です。そして30 年後に本当に東京オリンピックが開催されることを先取りしてしまった作品でもありますよね。今、まさに時代が『AKIRA』に追いついたとも言えるし、時代が永遠に追いつかないような気もします。4Kリマスターを拝見しましたが、『AKIRA』はずっと時代の一番前を走っていて、これからも日本を代表する作品であり続けると思います。30年前にまだ生まれていらっしゃらなくて、リマスター版で初めて『AKIRA』をご覧になる方たちにとっては「今」の作品ですし、私たちにとっても「昔の作品だよね」という感覚ではないんです。いつも時代の前を走っている、いつも新しい作品であるのが『AKIRA』なんだということを、改めて今日、感じました。さらに鮮明になった映像で、じっくりと楽しんでいただければと思います。

岩田 先ほど茉美さんがおっしゃってくださったんですが、4Kになって当時の作り手の皆さんの情熱がよーく伝わるようになりました。以前、スタッフの方のお話を聞いたことがあるんですが、『AKIRA』の制作当時、全国のアニメーターが会社の敷居を越えてみんなが手伝った、後にも先にもあんなことは無かったとおっしゃっていました。それだけの熱量を持って、「大 友が何か面白いことをやっているぞ」、「俺も参加したい!」と垣根を越えて作っていた。そんな時代だったと、そして情熱を持っていたことが、4Kの映像のおかげで見えて来た。映像を止めると1枚の絵画のように見えるクオリティの映像になっているので、僕も早く4K対応のテレビやレコーダーを買って、ゆっくりと止めながら観たいと思っています。そんな作品を若い子たちがどう観ているのか気になって、渋谷のPARCOで開催されていた「AKIRA ART OF WALL」の展覧会に行ってきたんですが、凄い混みようで。そこで、若い子たちも大友さんのイラストを見て「カッコイイ!」と言っている。一周して『AKIRA』の絵が本当にクールなものになってきていると感じて、すごく嬉しかった。今の若い子たちにも刺さるんだと、ずっとニヤニヤしながら、「俺も出ているんだぞ」と思いつつ見させていただきました。望くんもおっしゃっていましたが、古さとかそういうものを感じさせない、『AKIRA』というひとつのジャンルなのかなとも感じますね。だから、ぜひ多くの人たちに『AKIRA』を観ていただけたらこんな幸せなことはないですし、当時の情熱や変わらぬ普遍的な素晴らしさを感じることができると思いますので、ぜひじっくりと味 わってもらいたいです。ありがとうございました。

※本インタビューは「4K リマスターセット」の特製ブックレットから抜粋・編集したものです。

▲「AKIRA 4Kリマスターセット」発売記念特番『AKIRA SOUND MAKING 2019』
 <※配信期間:2020年4月3日(金)正午~4月24日(金)>

▲岩田光央(金田役)/佐々木 望(鉄雄役)

PROFILE

岩田光央(いわたみつお)
埼玉県出身。7月31日生まれ。青二プロダクション所属。主な出演作は『頭文字D』(武内樹)、『トリコ』(サニー)他

PROFILE

佐々木 望(ささきのぞむ)
広島県出身。1月25日生まれ。インスパイア所属。主な出演作は『幽☆遊☆白書』(浦飯幽助)、『MONSTER』(ヨハン)他

▲小山茉美(ケイ役)/草尾 毅(甲斐役)

PROFILE

小山茉美(こやままみ)
愛知県出身。1月17日生まれ。青二プロダクション所属。主な出演作は『機動戦士ガンダム』(キシリア・ザビ) 他

PROFILE

草尾 毅(くさおたけし)
埼玉県出身。11月20日生まれ。青二プロダクション所属。主な出演作は『SLAM DUNK』(桜木花道)他

▲明田川進(音響監督)

PROFILE

明田川 進(あけたがわすすむ)
音響監督。マジックカプセル代表取締役社長。日本アニメの黎明期から音響現場に携わり続ける。代表作は『リボンの騎士』他

<商品発売情報>

AKIRA 4Kリマスターセット
(4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Disc) (特装限定版)

2020年04月24日
価格:¥9,800(税抜)


▼『AKIRA』4Kリマスターセット 公式サイト
https://v-storage.jp/sp-site/akira/

続きを読む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

インタビュー

© Bandai Namco Filmworks Inc. All Rights Reserved.