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震災からの再スタートで誕生した、新鮮な水産物を使ったお総菜のお店。ホシノ似の営業企画部長が語る、創業と日本一のコロッケ誕生の秘密。 (株)カジマ 営業企画部長 梶間千萩[ガールズ&パンツァー 大洗女子学園掲示板]

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『ガールズ&パンツァー』の舞台・大洗で、より作品を身近に感じている方々に、作品と出会ったきっかけやエピソード、作品への思いなどを聞いていく『大洗町めぐり~大洗の今、そしてこれから~』。第18回は(株)カジマ 営業企画部長 梶間千萩さんにお話を伺いました。

震災からの再スタートで誕生した、新鮮な水産物を使ったお総菜のお店。ホシノ似の営業企画部長が語る、創業と日本一のコロッケ誕生の秘密。

──まずはお店の紹介をお願いします。

水産物の加工と卸売りをしている創業80年の会社です。私の曾お婆ちゃんの代から始まって、現在代表を務めている母が3代目になります。最初は隣にある工場だけで業務を行っていました。ところが2011年の東日本大震災で津波の被害に遭い、1階は浸水するは車は流されるはで2ヶ月も営業できなくなったんです。その時の被害が最も大きかったのが今お店になっているこの建物で、最初は壊して更地にする予定でした。でも工場にカニを買いに来てくれる地元の方が何人もいたので、そういうお客さんに向けたお店に建て直す事になりました。また冷凍品だけでなくお惣菜も作ればより多くのお客さんが来てくれると思い、母のママ友や料理好きなお母さん達にスタッフとして集まってもらいました。そして2011年の12月1日にオープンしたのがこのお店です。

▲「(株)カジマ」の直営店「かじま」。住所:大洗町磯浜町816-1/営業時間:10~18時/定休日:日曜

──人気商品は何でしょう?

一番はやっぱりズワイガニたっぷりコロッケですね。一般的なカニコロッケはクリーム系のコロッケが多いですが、これはクリームではなくジャガイモを使ったカニコロッケなんですよ。それが珍しくて地元のお客さんに知れ渡るようになりました。なるべく揚げたてを食べていただきたくて、注文をいただいてから揚げています。他にエビフライなんかも注文いただいてから揚げています。

──そのカニコロッケが誕生した経緯をお聞かせください。

カニを使ったオリジナルメニューを作りたいと思ったのがきっかけです。そしてお店を開いた1年後あたりから作り始め、ジャガイモの硬さや塩コショウの量を調整し、何度も試行錯誤を繰り返して6、7年かけて完成させました。「全国コロッケフェスティバル」という茨城県・富山県・静岡県で交代で開かれているイベントがあるのですが、富山県で開催された第6回大会(2018年)でグランプリをいただいたんですよ。そうしたら多くのお問い合わせをいただくようになりました。ウチは通販もやっているので全国各地に届いていると思います。そして地元のお客さんや観光客の方もこのコロッケ目的で来られる方が増えました。

▲「第6回全国コロッケフェスティバル」でグランプリを受賞したズワイガニたっぷりコロッケ。「工場で冷凍状態で作り、店で揚げて販売しています。冷凍のままの販売もしていますが、お持ち帰りの時も揚げたてがお薦めですね。オーブンかグリルで焼くように温めると美味しいです」

──千萩さんと『ガールズ&パンツァー』とはいかにして出会ったのでしょう?

自分は2013年まで東京に住んでいたので、『ガルパン』の事をまったく知らなかったんです。たまに帰省した時に地元の友達から大洗の状況を教えてもらう程度でした。「アニメの影響で町がすごい事になってる」とか「大洗駅に多くの人が訪れるようになった」とか。そして実家で働き始めたらファンの方と関わるようになり、「話題のアニメなら見なければ!」と思ったんです。でも見る機会がなくて困っていたら、DVDを持っている友達が誘ってくれたんですよ。そこで5人くらいで鍋パーティーをしながら鑑賞会を開きました。そして見始めたら続きが気になって、全員が寝ずに朝まで一気に全話完走したんです。それが始まりでした。

──お店にはホシノのキャラクターパネルが設置されていますが、パネルに纏わるエピソードがあれば教えてください。

私が入社した時からホシノちゃんはここにいました。そうしたら「私と彼女が似ている」と言われるようになり、自分もホシノちゃんに対して親近感がわいてきたんです。私をイメージしたイラストを描いてくださったり、オレンジの作業着をプレゼントしてくださった方もいました(笑)。また開店当時からの常連さんから「自動車部はあまり目立たないけど、大洗の仲間を常に支えてきた縁の下の力持ち」だと教えてもらい、それを聞いてから自動車部とホシノちゃんがさらに好きになりました。そういうポジションの人って大好きなんですよ(笑)。

──『ガルパン』きっかけで始めたサービスはありますか?

黒森峰との決勝戦前夜(TVアニメ第10話)でホシノちゃんがカツカレーを買ってきたので、店のメニューにもカツカレーを加えました。ウチは水産専門なのでエビカツとイカフライを乗せたカツカレーですが、カレー容器はアニメと似たような形を探したんです(笑)。お陰様で一般のお客さんにも大人気ですね。あとファンの方からのご提案で「タルタル祭り」というイベントを開催しています。期間中は揚げ物を買ってくださった方はタルタルソースかけ放題なんですよ。今ではカジマと言えば「タルタル祭り」となるほど周知されるようになり、中には揚げ物が見えなくなるほどソースをかける方もいらっしゃいました(笑)。

──カジマさんはガルパン仕様のミリメシも販売されていましたね。

企画自体は私ではありませんが、告知や販売は私が担当するようになりました。これからも色々な商品企画を考えたいので、あんこう祭などのイベントでは直接お客さんにご意見をいただいています。2016年に発売した「過食道どんぶり」もその一つですね。『ガルパン』と大洗で流行っている「過食道」とのコラボ商品として、内側に「ダイエット道」「一般道」「過食道」の3つの目盛りを入れた丼を出しました。カジマに来たらお腹一杯食べて「過食道」を極めていただきたいという思いで作りました。

──カジマさんもそうですが、大洗の商店さんはサービス重視で商売されているのが素晴らしいと思いました。

お客さんも交通費や時間をかけて大洗まで来てくれているので、そう考えると「美味しかった」「楽しかった」「また来たい」と思ってもらう事が一番なんです。そして大洗にまた来てもらえれば次の商売にも繋がり、良い関係が続きますからね。

──ファンが店を訪れるようになったのはいつ頃でしょう?

最初は自動車部ファンの方が何人か来られるくらいでしたが、SNSで新メニュー紹介などの告知を始めたらお客さんが増えました。皆さん「カジマ」というワードで検索してくださり、お客さんのフォロワーもどんどん増えました。最初はフォロワー30人で嬉しかったのに今は3000人を越えましたからね。本当にありがたいです。また年齢層も最初は年上の方ばかりでしたが、劇場版公開後は同世代や若い方が増えました。

──ファンの印象はいかがですか?

マナーの良い方ばかりですね。このイートインのコーナーもファンの方が増えたので作ったのですが、店が混んでくると互いに譲り合ってくださるんですよ。タルタル祭りの時も皆さんで分けるようにソースを回してくれるので助かります。

──ファンとの交流で印象深かったことはありますか?

ウチは大洗以外のイベントにも参加していて、東京、大阪、富山など色々な場所に出店しているんですよ。そして、どの会場も「カジマさんが来るなら行かなきゃ」とファンの方が駆け付けてくださるんです。中には顔を知らない方もいますが、曲がり松商店街のバッグを持ってきたり、缶バッジ付けたりとさりげなくアピールしてくださいます(笑)。東京の百貨店に出店した時は常連の方が来てくれました。お昼休みに会社を抜け出して来てくれたそうで、いつもと違うスーツ姿なので新鮮でしたね(笑)。先日の大阪イベントでは「明日はみほちゃんの誕生日なので、これから深夜バスで大洗に行くんですよ」と言う方が来て、その人とは次の日の「みほ誕」会場で再会を果たしました(笑)。あと以前、とても多忙な会社に勤めていたお客さんがいて「なかなか来られなかったけど、ようやく来られました」「良かったですねぇ。来月も来られると良いですねぇ」なんて会話をしていたんです。その人、今は大洗に移住して、こっちで仕事をしているんですよ。よくウチでランチを食べてくれます(笑)。

──『ガルパン』という作品の魅力は何だと思いますか?

私にとっては大洗の街並をそのまま現してくれた事が大きいですね。自分の知っている場所がアニメに出てくるのはすごく嬉しかったです。そしてファンの方からすれば、アニメと同じ場所でお店の人が『ガルパン』の話をしてくれたり、優しく歓迎してくれたら嬉しいし居心地が良いと思うんですよ。そんな良い関係が作品人気にも繋がったのだと思います。

──大洗を訪れるファンはリピーターが多いですね。

大洗の人達って面倒見が良く、情に厚く、お話好きなので、そんな人柄がファンの方を呼び寄せたのだと思います。『ガルパン』きっかけで大洗に来た方が、ウチのメニューを食べて美味しいと感じてくれて、今度は家族連れで店に来てくれたんです。最初はアニメきっかけで大洗のカジマを知り、次はウチ目当てで大洗に来てくれたのが嬉しいですね。

──千萩さんは大洗を離れた時期があったそうですが、だからこそ気付けた町の良い部分もあるのでは?

たしかに、そうですね。「大洗は田舎だから東京に行きたい」という思いで上京しましたが、自分が大洗の良さや温かさに気付けたのは町での生活に戻ってからでした。それを教えてくれたのが『ガルパン』ファンの皆さんなので、『ガルパン』というアニメがあって本当に良かったと思います。また『ガルパン』のお陰で自信を持って町のPRができるようになり、自分自身にも良い影響をいただいています。

──今後予定されている事を教えてください。

5月は「まんパク」という日本最大級のフードフェスに出店します(6月3日で終了)。ウチは毎年、出店しているのですが、その度に『ガルパン』ファンの方にも来ていただいてます。そして9月の「第7回全国コロッケフェスティバル」にも出店します。今年は茨城県の龍ケ崎市で開催されるので、ファンの皆さんもぜひ応援に来てください。

──新メニューの構想はありますか?

ズワイガニたっぷりコロッケ以上にお客さんに喜んでもらえて、なおかつクスッと笑えるような商品を作りたいです。『ガルパン』ファンの皆さんにもアドバイスをお願いしたく、何かご要望があればSNSに書き込んでください。よろしくお願いします。

──それでは次の方のご紹介をお願いします。

大洗で長年酒造りをされている月ノ井酒造の坂本直彦さんを推薦します。大洗唯一の酒蔵として『ガルパン』ファンの間でも有名なブランドで、代表の直彦さんは歳も近いし飲み友なんですよ(笑)。お会いしたら「また飲みに行きましょう」とお伝えください。

PROFILE

梶間千萩(かじま・ちあき)
9月20日生まれ、大洗出身。高校卒業後に東京の大学に通うために上京。人と関わる事が好きで在学時は接客業のバイトをし、卒業後はサービス業に就くため就職活動を始める。しかし2011年の東日本大震災により、被災した実家を助けるため大洗に帰郷。両親が経営するカジマに正式に入社する。なお好きなアニメは『名探偵コナン』との事。

<上映情報>


ガールズ&パンツァー 最終章 第2話
2019年6月15日(土)劇場上映!


<劇場本予告(60秒)公開中!>


<Blu-ray&DVD情報>


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好評発売中!

 

ガールズ&パンツァー 最終章 公式サイト

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