インタビューココだけ | ガールズ&パンツァー 最終章

あんこう祭などのイベントでお馴染み、「日照戦車」と呼ばれるレプリカ戦車の製作者。その行動理念は「ノリと勢い」のアンツィオ魂。日照プラント工業 照沼修[ガールズ&パンツァー 大洗女子学園掲示板]

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『ガールズ&パンツァー』の舞台・大洗で、より作品を身近に感じている方々に、作品と出会ったきっかけやエピソード、作品への思いなどを聞いていく『大洗町めぐり~大洗の今、そしてこれから~』。第14回は日照プラント工業 照沼修さんにお話を伺いました。

あんこう祭などのイベントでお馴染み、「日照戦車」と呼ばれるレプリカ戦車の製作者。その行動理念は「ノリと勢い」のアンツィオ魂。

──最初に会社のPRをお願いします。

原子力関係の仕事をしている会社です。父が創業してから40年くらいで、今は兄が跡を継いで社長を務めています。「プラント」とは設備とか施設という意味で、たとえば原子力の設備などを作っています。ですから一般の方にお見せできるものは一切ないので、「あそこのアレはウチで作りました」的なPRが出来ないんですよ(笑)。

──戦車を作られるようになった経緯を教えてください。

『ガールズ&パンツァー』の放送が始まり、その年(2012年)のあんこう祭に大勢の人が来て驚いたんです。そこで本物の戦車を見たがっている声を聞き、「だったら自分が作っちゃおう」みたいな軽いノリで始めました。地元愛なんてカッコ良いものではなく、ただ女の子にモテたかっただけのスケベ根性です(笑)。

──『ガールズ&パンツァー』を御覧になった感想はいかがでした?

地元の情報誌で存在を知ったのですが、最初は「戦車にお姉ちゃんが乗っているの!? キテるアニメだなぁ」くらいの印象でした。また第1話を見た時は意味が分からなかったのですが、戦車の動きを見て「アニメでこんなことが出来るんだ!」と感心しました。そして大洗が登場してから、しっかり見るようになりました。やはり地元がテレビに映ると嬉しいですからね(笑)。

──好きなチームとキャラクターは誰でしょう?

アンツィオ高校のアンチョビです。TVシリーズの第7話では負けた後の一瞬しか出ませんでしたが、OVA「これが本当のアンツィオ戦です!」で情に厚い良い子だと分かるじゃないですか。最初にキャラクター設定を見た時は高飛車なイメージでしたが、そうではないギャップと吉岡麻耶さんの声が良いんですよ。チームのノリと勢いも好きですね(笑)。

──照沼さんが思う『ガルパン』の魅力とは何でしょう?

やはりスポ根マンガらしいところだと思います。弱いチームが強いチームに勝つという、スポ根物の王道パターンが良いんだと思います。

──では、これまで作られた戦車のご説明をお願いします。

最初に作ったのがⅣ号戦車です。2013年のあんこう祭に間に合わせるため突貫で作り、8月のお盆から始めて約3ヶ月で完成させました。最後に塗装店の白土君を呼んで「ジャーマングレイで塗って」と頼んだら「何それ?」って言われました(笑)。ウチの戦車はすべて白土君が塗ってくれて、市販品にない色を調色してもらっています。市販のプラカラーはミニチュア用に調色されているので、実際のジャーマングレイよりも薄いんですよ。

▲製作中のⅣ号戦車。金網で履帯を表現するなど、既存の物を流用して製作された。

──お披露目の時の反響はいかがでした?

あんこう祭当日まで関係者以外には黙っていたんですよ。発表当日は増屋ガーデンさんのところにシートをかけて置かせてもらい、歩行者天国の時間になってからシートを外したんです。そうしたら夕方まで見物人が途切れませんでした。

──お披露目当時は走行できる仕様ではなかったそうですね。

中に軽トラが入っているので走れるようになっています、ただし履帯は回らないんですよ。

──映画『遠すぎた橋』(1977年公開のイギリス・アメリカ合作映画)の撮影に使われた、中身が自動車のハリボテ戦車みたいですね(笑)。

最初期の作品なので完成度に不満はありますが、撮影会では今も一番の人気で、レンタルもⅣ号戦車のリクエストが最も多いです。先日も知人のファン同士が結婚することになり、二人に頼まれて結婚式場にⅣ号戦車を展示しました。後ろに空き缶をぶら下げてね(笑)。

──Ⅳ号戦車の次に作られたのが実物大のCV33ですね。

モデラーの人に「これじゃ走らないね」と指摘され、「なら、やったるわい!」とバージョンアップを始めました。自分も走るところを見たかったですからね。でも最初から走る前提で作ってないので改造が難しく、2014年のあんこう祭展示に向け、イタリア軍研究家の吉川和篤先生に資料その他を監修 して頂いて外側が出来上がり、その後1年かけて脱穀機のエンジンを積み込んで、履帯で走行できるようにしました。その後がチハ(九七式中戦車)ですが、場所をとらないよう最初は砲塔だけを作ったんです。ところがその後ファンの方から「撮影用に半分だけでも車体を作って」とリクエストされ、車体を継ぎ足していくうちに普通の戦車になっちゃいました(笑)。だからノンスケールで、しかも砲塔に合わせて車体を作ったので、バランスが変なんですよ(笑)。

──戦車だけでなくアエロサン(プラウダのスノーモービル)も作られましたね。

日野屋商店さんにモデラーの方が作った1/6のキットが飾ってあって、女将さんが「これの実物大を裏庭に置きたい」って言うんですよ。「じゃあ片手間で作ってやるよ」って引き受けたのですが、片手間じゃ済まないほど手間がかかってしまいました(笑)。また本物があまりにもデカいので、実物大は諦めて3/4スケールにしました。日野屋さんの裏庭にはウチの戦車を月代わりで置かせてもらっていたんですよ。町外れのウチに置くよりもファンの人が見学しやすいし、あそこに置けば大貫商店街の活性化にもなりますからね。そして最新作が『最終章』第1話で活躍したルノーFTです。これも完成時は走行できない状態でしたが、現在、走らせるための改造をしています。

──夏に開催された「第2回ひぬま夏海マラソン」でも戦車を使った応援をされているそうですね。

2017年の夏、知人が戦車の撮影に来たのですが、ちょうど大会日だったので応援をお願いしたんですよ。それが好評だったので次の年もお願いしました。コースがこの付近で、給水所がウチの第二工場の前だったんです。給水所のおばさん達も「ガルパンだ、ガルパンだ!」、「一緒に写真撮って!」と興奮していました(笑)。ランナーの中にはガルパンファンもいて、給水所を通る時に一瞬ですが交流がありました(笑)。

▲日照戦車が応援で参加した「第2回 ひぬま夏海マラソン」の模様。

──『ガルパン』ファンの印象をお教えください。

40~50代の男性が多いですよね。その年頃の人って僕からすると皆が同じ顔に見えるのですが、ファンの人は何かしらグッズを身に付けているので分かりますね。あと、すごく気を遣ってくれるんですよ。先日のあんこう祭では「皆さんで食べてください」と、地元の饅頭やら煎餅やら次々といただき、それがトラック一台分になりました。本当に優しい人ばかりです。

──大洗の魅力は何だと思いますか?

この町で生まれ育ちましたが、町民としても誇れる町です。食べ物は美味しいし、人情もあるし海もある。ガルパンファンの人から見てみれば夢の国なんだと思います。商店街の人達も温かいので、気軽に寄ってお茶を飲んだり食事ができたりするんですよ。自分も地元民として貢献できるところは貢献していきたいと思っています。

──ファンが何度も訪れるのも大洗ならではの現象ですね。

不思議ですよね。普通なら1回……せいぜい2、3回も来れば満足すると思うんですよ。中には毎週のように大洗に来る人もいて、来る度に「今週のテーマ」を決めて行動するそうなんですよ。たとえば「今週はブロンズさんの鉄板ナポリタンが目的で、それさえ食べられれば何時間並ぶことになっても構わない」とか。また交通の便が良い今の時代はホテルの宿泊客も減っているらしいんですよ。でもガルパンファンは行楽シーズン以外でも泊まっていってくれますね。

──今後、予定されていることはありますか?

ルノーFTのエンジン搭載が当面の目標ですね。ただ完成までに1年はかかるので、田山東湖さん(大洗町商工会会長)から頼まれた八朔祭用の神輿を平行して作ろうと思っています。どうせなら話題性のある車種にしたいんですよ。なので色々な方から意見を聞いて、じっくり考えているところです。

──最後に次の取材相手のご紹介と、その方へのメッセージをお願いします。

塗装屋の白土君を推薦します。日照戦車を作り始めた最初期から手伝ってくれているメンバーの一人です。他に曲松応援団や消防の手伝いなどで町のために尽力していますが、なかなか表舞台には立たない男なんですよ。あまり話すのは得意じゃないですが、根は良いヤツなんでぜひインタビューしてください。

PROFILE

照沼修(てるぬま・おさむ)
大洗出身。高校卒業後に家業の日照プラントに就職。幼少より物を作ることが好きで、子供時代は戦車、飛行機、船などのプラモデルを作り続けた。彫刻家である中嶋大道氏の作品に感銘を受け、中嶋氏のアトリエを訪ねて同氏の作品をヒントにカブトムシやトンボなどのステンレス彫刻を作り始め、それが日照戦車へと繋がった。

今年も海楽フェスタの季節がやってきた!

3月17日(日)開催の、海楽フェスタ「ガールズ&パンツァー」ステージには、ついにBC自由学園キャストが集結!西住みほ役・渕上 舞さんと、マリー役・原 由実さん、安藤役・津田美波さん、押田役・安済知佳さんの登壇が決定しました!さらに、追加ゲストとして河嶋 桃役・植田佳奈さんの出演も決定!
また、3月16日(土)・17日(日)の2日間、今年も「ガルパンミニミニホビーショー」開催!

●『ガールズ&パンツァー』ステージ 詳細
【日時】2019年3月17日(日)12:00〜(予定)
【場所】大洗マリンタワー前広場
【出演(敬称略)】
渕上 舞(西住みほ役)、植田佳奈(河嶋 桃役)、原 由実(マリー役)、津田美波(安藤役)、安済知佳(押田役)
※出演者は予告なく変更になる場合がございます

●『大洗春祭り 海楽フェスタ2019』ミニミニホビーショー
【日時】2019年3月16日(土)〜2019年3月17日(日)10:00〜16:00
※海楽フェスタは17日のみ開催となります。
【場所】大洗港第4埠頭 (一部シーサイドステーション内)

>>>詳細はこちら

<Blu-ray&DVD情報>


ガールズ&パンツァー TV&OVA 5.1ch Blu-ray Disc BOX
好評発売中!

<上映情報>


ガールズ&パンツァー 最終章 第2話
2019年6月15日(土)劇場上映!

ガールズ&パンツァー 最終章 公式サイト

ガールズ&パンツァー 大洗女子学園掲示板

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