ニュース | つつんで、ひらいて

『夜明け』Blu-ray & DVD発売×新作『つつんで、ひらいて』公開記念 広瀬奈々子監督 母校・武蔵野美術大学で映像とデザインのトークイベント開催!オフィシャルレポート到着!!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

是枝裕和・西川美和監督の愛弟子・広瀬奈々子が、『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭史上最年少の主演男優賞に輝いた柳楽優弥を主演に迎えて作り上げたデビュー作『夜明け』。2019年1月に公開され、現在Blu-ray&DVDが好評発売中です。そして、1万5千冊の書籍をデザインした装幀者・菊地信義と本をつくる人々に密着し、モノづくりの原点を探った広瀬監督の新作ドキュメンタリー『つつんで、ひらいて』が、12月14日(土)に公開を迎えます。

この度、デビュー作のBlu-ray&DVD発売と新作ドキュメンタリーの公開を記念し、広瀬監督の母校・武蔵野美術大学にて、広瀬監督と豪華ゲストによるトークショーを開催しました。第一部『夜明け』トークには広瀬監督の恩師・小口詩子教授と、第ニ部『つつんで、ひらいて』トークには菊地信義の弟子でありブックデザイナーとして活躍する水戸部功さんと、同じくブックデザイナーのなく名久井直子さんも加わって、映画作り、本作りの現場についてたっぷり語られました。

『夜明け』Blu-ray & DVD発売×新作『つつんで、ひらいて』公開記念 武蔵野美術大学出身の広瀬奈々子監督、母校で映像とデザインのトークイベントを開催!オフィシャルレポート到着!!

去る 10 月 17 日、武蔵野美術大学で「映画監督 広瀬奈々子 トークショー」が行われた。同大学は、広瀬監督の母校。映像を専攻する学生とデザインを専攻する学生の両方が参加し Q&A も交えるなど、貴重なひとときとなった。

二部構成。まずは監督の初・劇映画長編『夜明け』について。
「企画書やプロット。骨になるものを何度も見直すことはすごく大事。そのことを制作を通してあらためて感じた」と学生たちに語りかけた監督。映画のテーマは結果的に「依存と自立」になったが、「テーマは変わっていくものでもある」と語った。「できるだけ、一面的な人物像にしたくなかった。物語全体で、光と影の両方を描きたかった」と話す監督は、在学中に手がけた映画作品について小口詩子教授から「当時から、是枝裕和監督の作品に通ずるものがあった」と指摘されると、「あの頃の作品は封印していたのですが......」と照れながらも、(是枝監督、西川美和監督率いる映像クリエイター集団「分福」に)「初めて面接に行ったとき、まだ私の作品は観ていただいてはいなかったのですが、話しただけで好みがたまたま一致した」と打ち明けた。

「ひとつの作品を完成させるためにぶれないもの、大切にしていることはなんですか」という学生からの質問には「何回もテーマを振り返ってみる、という時間はすごく大事だなと思っていて。テーマは変わっていっていい。このお話で自分は何をやりたいのかについて、その都度向き合うんです」と吐露し、『夜明け』について「ぶれないようにいていたのは、複雑なものを複雑なまま描くということでした。人物の両面性をできるだけ「混ぜながら」作っていきました。
最初、明らかに何かやらかしたであろうと思えたシンイチ(柳楽優弥)がどんどん普通の青年に見えてくる。逆に哲郎(小林薫)は気のいいおっちゃんだったのに、途中から狂気を帯びてくる。その構造は守ろうと思っていました」と締めくくった。

第二部は、初・ドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』について。日本を代表する装幀家、菊地信義にカメラを向けた本作。菊地の弟子であるブックデザイナー、水戸部功、同じくブックデザイナーで武蔵野美術大学出身の名久井直子を招き、主に広瀬監督がふたりに、菊地について訊ねた。
「この映画には、ご機嫌な菊地さんが映ってる。それは広瀬さんへの態度なのだと思います」と、誰よりも菊地を知る水戸部は評する。「厳しい人です。ほとんど毎日逢ってますけど、いまだに緊張します」と付け加えた。学生時代から装幀の仕事を手がけていた水戸部は「誰かに見てもらって、叱られたい」という想いから、菊地の許に飛び込んだという。
一方、名久井は「子供の頃。これは本の中でも特別な美しいもの、と感じた本の装幀が菊地さんによるものでした」と話し、「菊地さんと水戸部さんは冒険の仕方が近い」と同業者だからこその視点から語った。「ありがとうございます。僕はそこを菊地さんから受け継ぎたいと思っています。(受け継ぎたいのは)スタイルじゃないんですよね」と水戸部。学生から「ブックデザインとは?」と問われ、「グラフィックデザインの中でブックデザインは、これ以上ない、「実験の場」だと思います。実験してますよね?」と名久井に同意を求めると、「実験じゃないよ。(本のための)紙を作ったりしてるだけ(笑)。お洋服作るようなものですよ」と、名久井は独創的な自身のブックデザインを服作りにたとえた。

最後に「菊地さんはいまのブックデザインの土台を作られた方。ブックデザインする人も、しない人も観ていただけたら。ブックデザインは自分の器にはないものと出逢える仕事。知らないことを知る。そこがたのしいな」(名久井)「僕らは、菊地さんの仕事の枝葉を伸ばしているだけ、のようなところもある」(水戸部)「菊地さんならではの手作業を見つめましたが、映画をノスタルジックに作ったつもりはありません。本は紙である。本はものである。そのことが伝われば」(広瀬)という言葉で、約 100 分のイベントは終了した。

文:相田冬二

―登壇者紹介―

広瀬奈々子 映画監督

1987年、神奈川県出身。武蔵野美術大学卒業後、2011年より分福に所属。是枝裕和監督のもとで監督助手を務め、『そして父になる』『ゴーイング・マイ・ホーム』『海街diary』『海よりもまだ深く』、西川美和監督の『永い言い訳』などに参加。2019年に、秘密を抱えた青年と木工所の男の親子のような関係を描いた『夜明け』でオリジナル脚本・監督デビュー。第23回釜山国際映画祭出品。第19回東京フィルメックスでスペシャル・メンションを受賞。以降、ディレクターとしてCMやドラマなど活動の幅を拡げる。演出で参加したドラマ『潤一』が2019年7月14日から関西テレビにて放送。

水戸部功 ブックデザイナー

1979年、栃木県生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。大学在学時より装幀の仕事を始める。2011年、第42回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。最近手がけた書籍に『君が異端だった頃』島田雅彦(集英社)、『科学する心』池澤夏樹(集英社インターナショナル)などがある。

名久井直子 ブックデザイナー

1976年、岩手県盛岡市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業後、広告代理店に入社。2005年に独立し、ブックデザインをはじめ、紙まわりの仕事に携わる。第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。近年の主な仕事に『あたしとあなた』谷川俊太郎(ナナロク社)、『こぐまのケーキ屋さん』カメントツ(小学館)、『ヴェールドマン仮説』西尾維新(講談社)などがある。

『夜明け』Blu-ray & DVD好評発売中

発売・販売元:バンダイナムコアーツ
Blu-ray【特装限定版】は特典ディスクやブックレットを封入、スリーブケースに収納された豪華仕様!

映画『つつんで、ひらいて』12月14日(土)よりイメージフォーラムほかにて順次公開

配給:マジックアワー


▼映画『夜明け』 公式サイト
yoake-movie.com
▼映画『夜明け』 公式Twitter
@yoake_movie
▼映画『つつんで、ひらいて』 公式サイト
https://www.magichour.co.jp/tsutsunde/
▼映画『つつんで、ひらいて』 公式Twitter
@tsutsundehirait

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

© BANDAI NAMCO Arts Inc. All Rights Reserved.