【３話収録】
■第8話「策謀の宙域」
　地球連邦軍艦隊の観艦式を2日後に控え、アルビオンは予想されるデラーズ・フリートの襲撃に備え、コンペイ島付近宙域の索敵哨戒を行っていた。その合間に行われた訓練中、コウはついにバニング機を“撃墜”した。バニング大尉は、コウを一人前になったと認めると同時に、自らの衰えをも認めざるを得なかった―。緊張の高まるアルビオンをよそに、なぜか単艦で航行する観閲旗艦バーミンガムに、シーマの率いる艦隊が接近して来た。その様子を捉えたアルビオンは、バーミンガム救援のため、MS隊を発進させる。急行してくるMSに、秘密会議の目論見が破れたと知ったグリーン大将は、偽装のため、シーマ艦隊に向けて砲門を開かせる。やがて駆けつけたバニング隊とシーマ艦隊との間に戦端が開く。激しい戦闘のさなか、バニングは撃破されたムサイ艦の艦橋にて興味深いものを発見した。それは、厳重に密封された書類の束だった……。
■第9話「ソロモンの悪夢」
　コンペイ島の連邦艦隊観艦式は目前に迫っていた。戦時中尉となったコウは、周囲に出没するジオン残党を撃破する任務に就く。補給のわずかな時間アルビオンに帰投した彼は、モンシアらが捕らえたジオン兵の呪詛の言葉に恐怖していた。「ソロモンの悪夢がよみがえる」と、その男は言ったのだ…。デラーズの動きを過小評価するジャブローの高官たちの読みとは裏腹に、ガトーの部隊はコンペイ島攻略の準備に入っていた。かつて自分たちの基地であったこの要塞に集まった艦隊を撃破すべく、彼の乗るガンダム2号機は同じくオーストラリアで奪った核弾頭を搭載したのだ！ワイアット観閲官の演説が響き、コウたちが侵入を待ち受ける中、「ソロモンの悪夢」は古巣への恐るべき帰還を果たそうとしていた―。
■第10話「激突戦域」
　ついにガンダムの核弾頭は発射された。閃光の中、コンペイ島に集結した連邦艦隊が消滅していく。その中には、シーマの接触したあのワイアットもいた―。哄笑し離脱しようとするガトーを、ガンダム１号機を駆るコウが急襲する！「聞こえるか、ガトー！」叫ぶコウはビームライフルを放つ。だが2号機はその瞬間、コウの目前に出現した。自ら放った核の威力に、ガンダム2号機もまた傷つき左腕が効かぬというのに！！ライフルを失いながらも、隙をついて辛くも離脱するコウ。宇宙という、上下のない暗闇の空間でサーベルが何度も激突する。1号機が、そして2号機が、ビームの刃で互いを打ちのめしていく。オーストラリアでつけられる事のなかった二人の戦いが今、決しようとしているのか―！だがその頃、別の宙域ではシーマ艦隊によってついに「星の屑」最終ステージが進行されていた。そのことをコウも、アルビオンも、そして連邦の誰もが知る由もなかった……。

製作年度：1991

第8話　脚本：大熊朝秀／演出：渡辺信一郎／絵コンテ：加瀬充子／作画監督：逢坂浩司
第9話　脚本：高橋良輔／演出：赤根和樹／絵コンテ：今西隆志／作画監督：菅野宏紀
第10話　脚本：大熊朝秀／演出：渡辺信一郎／絵コンテ：渡辺信一郎

原作：矢立　肇・富野由悠季／脚本：大熊朝秀・高橋良輔／監督：今西隆志／キャラクターデザイン：川元利浩／総作画監督：川元利浩／総メカニカル作画監督：佐野浩敏／モビルスーツ原案：大河原邦男／メカニカルスタイリング：河森正治／メカニカルデザイン：カトキハジメ・明貴美加(RED)・石津泰志／音楽：萩田光男／制作：サンライズ　他

コウ：堀川　亮（現：りょう）／ニナ：佐久間レイ／ガトー：大塚明夫／シナプス：大塚周夫／バニング：菅原正志／キース：山田義ｱｷ（やまだ よしあき※「アキ」は「日へん」に「星」です）／モーラ：伊倉一寿（現：一恵）／デラーズ、ナレーター：小林清志　他