【4話収録】
■第1話「アルムの山へ」
　父も母も亡くした孤独な少女ハイジは、これまで育ててくれたデーテ叔母さんのもとから、アルムの山奥に一人で住む祖父の所へあずけられる事になった。周囲の人々は偏屈で知られる“アルムおんじ”にあずけられると知って、誰もがハイジの行く末を案じる。遥かな山道を辿り、遂にハイジは祖父と対面する。そしてデーテは、一方的にハイジをあずけて去っていくのである……。
■第2話「おじいさんの山小屋」
　ハイジとおんじの生活が始まった。おんじ自身、初めは幼い孫娘にどう接してよいやら分からず、無愛想であった。しかし、思い切り草原を駆け回ったり、大喜びで干し草のベッドを作ったりするハイジの純粋さに触れるうち、いつしか心が和やかになっていくのを覚える。一方、ハイジは見るもの、触れるもの全てが新鮮で、すっかり山小屋での生活が気に入ってはしゃぎ回るのだった……。
■第3話「牧場で」
　おんじの許しを得たハイジは、山羊飼いの少年・ペーターと一緒に、山頂近くの牧場へと出掛ける。一面に咲き乱れる花々、ウサギやリス、雪を残すアルプスの山並み……。美しい自然に触れ、ハイジの心は一層浮き立った。ペーターは山頂に行けば、もっと珍しい動物にあえると話してくれた。高い山に棲む鷹や“大角の旦那”との出会いを夢見て、ハイジたちは山頂を目指すのだった。
■第4話「もう一人の家族」
　アルムの山にも夏がやって来た。いつしかハイジは、ペーターと一緒に山の牧場へ出掛けるのが日課になっていた。そんなある日、山の天気が一変した。ペーターは嵐が来るという。激しい雨と風、恐ろしい稲妻。それはハイジが初めて経験する自然の厳しさだった。嵐が去った後、ハイジは巣から落ちた雛鳥を見つける。弱った雛鳥を育てる決心をしたハイジは、雛にピッチーと名前を付けるのだった……。

製作年度：1974

第1話　脚本：吉田義昭
第2話　脚本：吉田義昭
第3話　脚本：吉田義昭
第4話　脚本：吉田義昭

原作：ヨハンナ・スピリ／シリーズ構成：松木 功／音楽：渡辺岳夫／場面設定・画面構成：宮崎 駿／キャラクターデザイン・作画監督：小田部羊一／美術監督：井岡雅宏／撮影監督：黒木敬七／録音監督：浦上靖夫／プロデューサー：高橋茂人／演出：高畑 勲／制作：ズイヨ－映像、フジテレビ　他

ハイジ：杉山佳寿子／おじいさん：宮内幸平／ペーター：小原乃梨子／デーテ：中西妙子／ナレーター：沢田敏子　他