『しんちゃん通信』映画作品ちょこっとレビュー第2回 "アクション編"

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2017.10.12 UP

『しんちゃん通信』映画作品ちょこっとレビュー第2回 “アクション編”

今年で25周年を迎えた「映画クレヨンしんちゃん」シリーズ！　本コーナー「ちょこっとレビュー」では、第1作目『映画クレヨンしんちゃんアクション仮面VSハイグレ魔王』から最新第25作目『映画クレヨンしんちゃん襲来!!宇宙人シリリ』までの作品の見どころや名シーンを『シリリ』にこめられた6つのテーマに沿って紹介。第2弾となる今回は、“アクション”をテーマに4作品を紹介するゾ！
（文 / 大山くまお）

劇場版第25作
『クレヨンしんちゃん　襲来!!　宇宙人シリリ』

映画『クレヨンしんちゃん』といえば、しんのすけと野原一家が繰り広げる激しいアクションがつきもの。『襲来!!　宇宙人シリリ』のクライマックスでは、なんと宇宙人（！）相手に大バトルを展開する。さすが怖いものナシの野原一家！　宇宙規模でアクションが行われるのは、映画『クレヨンしんちゃん』シリーズ初のこと。かすかべ防衛隊の助っ人ぶりも見逃せないぞ。

劇場版第5作
『クレヨンしんちゃん暗黒タマタマ大追跡』

魔神ジャークを復活させるカギとなる珠（タマ）をひまわりが飲み込んじゃった！　珠由良族のオカマたちと珠黄泉族のボディコンホステス軍団の争奪戦に巻き込まれてしまう野原一家。珠黄泉族最強の男、ヘクソンにさらわれてしまったひまわりを取り戻すべく、しんのすけと野原一家が東日本を縦断する！しんのすけたちを襲うヘクソンは、格闘技の達人かつ超能力者という最強の悪役。ヘクソンと決着をつけるクライマックスは、異様に高揚感があるシリーズ屈指の名場面だ。

劇場版第13作
『クレヨンしんちゃん伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃』

時空調整員ミライマンに導かれ、「3分後の世界」でヒーローに変身して怪獣に立ち向かうことになった野原一家。ひろしとみさえは怪獣退治に大張り切りだったが、徐々に強力な怪獣が現れるようになり、簡単に倒せなくなっていく。そしてついに現実世界に被害が出るようになってしまう。傷つき疲れた野原一家は最強の怪獣を倒せるのか!? 特撮マニアとしても知られるムトウユージ監督のシリーズ第13作は、監督の趣味が炸裂した掛け値なしの大怪獣映画！　ウルトラマンを彷彿させるしんのすけマン、スーパーマン風の野原ひろしマン、魔法少女風のプリティミサエスが、次々と登場する怪獣たちと大バトルを繰り広げる。怪獣たちのデザインとネーミングにも注目だ。冒頭のアクション仮面のシーンと怪人軍団のアクションシーンも、ムトウ監督のこだわりがよく表れている。怪獣映画と特撮ヒーローアクションの醍醐味がぎっちり詰まった1作だ。

劇場版第2作
『クレヨンしんちゃんブリブリ王国の秘宝』

ブリブリ王国のスンノケシ王子がさらわれた！　なんと、この王子はしんのすけそっくり。そして野原一家にも悪の秘密結社ホワイトスネーク団の魔の手が伸び、しんのすけがさらわれてしまう！　野原一家と王子のボディガード、ルル・ル・ルルはしんのすけとスンノケシを助け出すことができるのか？　ブリブリ王国の「秘宝」の正体とは？　南の国での大冒険が始まる！本郷みつる監督によるシリーズ第2作は『インディ・ジョーンズ』風の大冒険活劇映画。ストーリーはアクション映画の大ファンである原作者・臼井儀人先生の要望で決定したという。なんといっても注目なのは、ルル・ル・ルルのキレ味鋭いアクション！　きっちりと拳法の動きを描く作画技術もスゴイ。本作以降、美人でカッコ良い“おねいさん”がしんのすけを助けて大活躍するのは映画『クレヨンしんちゃん』の一つのパターンとなった。

劇場版第19作
『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』

突如、しんのすけの前に現れた謎の少女・レモン。レモンに見せられたアクション仮面からのメッセージに舞い上がったしんのすけは、レモンの指導でスパイ特訓を開始！　2人の目的はヘーデルナ王国に潜入し、悪の博士から「正義のカプセル」を奪うこと。しかし、アクション仮面のメッセージはすべてニセモノだった。はたして、しんのすけが巻き込まれた陰謀の正体は……!? これまで特撮アクション、チャンバラ、怪獣映画、ハリウッド大作、西部劇などなど、さまざまなアクションに挑戦してきた映画『クレヨンしんちゃん』だが、シリーズ第19作を担当した増井壮一監督が選んだのは『ミッション・インポッシブル』ばりのスパイアクション！　スパイになったしんのすけが陸“川”空で大活躍する。ストーリーがすべて「オナラ」ネタなのが、いかにも『クレヨンしんちゃん』らしくて非常に楽しい。一方、レモンをめぐる複雑な親子関係は『シリリ』にも通じる部分がある。